『カレントアウェアネス』の中で,特に読者の興味を引いたテーマはどのようなものでしょうか? ホームページのアクセスログから,2005年1月1日から12月31日までのデータを取得し,アクセス数の多かった記事トップ20を探ってみました。
※なお,これはあくまで,「2005年の間にホームページを通してよく読まれた」記事を表したものであることをお断りしておきます。『カレントアウェアネス』は冊子体も刊行していますので,厳密には全体の読者の興味・関心を反映したものとは言えませんが,それでも本誌読者の興味・関心を垣間見ることはできるだろうと思われます。
(1)
◆CA1555◆研究文献レビュー:レファレンスサービスの新しい潮流 / 小田光宏
No.283(2005.3.20)
(2)
◆CA1563◆研究文献レビュー:日本における情報検索技術に関する研究動向 / 岸田和明
No.284(2005.6.20)
(3)
◆CA1528◆研究文献レビュー:図書館と著作権問題 / 村上泰子
No.280(2004.6.20)
(4)
◆CA1564◆Googleが図書館に与えるインパクト / 兼宗進
No.285(2005.9.20)
(5)
◆CA1482◆動向レビュー:OpenURLとS・F・X / 増田豊
No.274 (2002.12.20)
(6)
◆CA1534◆動向レビュー:セマンティックウェブと図書館 / 渡邊隆弘
No.281(2004.9.20)
(7)
◆CA1547◆米国愛国者法の制定と図書館の対処 / 中川かおり
No.283(2005.3.20)
(8)
◆CA1552◆動向レビュー:MARCとメタデータのクロスウォーク / 佐藤康之
No.283(2005.3.20)
(9)
◆CA1529◆図書館システムとオープンソースの利用 / 兼宗進
No.281(2004.9.20)
(10)
◆CA1559◆動向レビュー:オープンアクセスのインパクト分析 / 宮入暢子
No.284(2005.6.20)
(11)
◆CA1546◆研究文献レビュー:学校図書館に関する日本国内の研究動向 / 中村百合子
No.282(2004.12.20)
(12)
◆CA1565◆RSSの発展と図書館サービスへの応用 / 田邊稔
No.285(2005.9.20)
(13)
◆CA1545◆動向レビュー:小特集:デジタル時代のドキュメント・デリバリー・サービス / 井上佐知子・山岡規雄・上田貴雪・筑木一郎
No.282(2004.12.20)
(14)
◆CA1561◆動向レビュー:デジタル資料保存リポジトリの動向 / 栗山正光
No.284(2005.6.20)
(15)
◆CA1553◆動向レビュー:図書館コンソーシアムのライフサイクル / 尾城孝一
No.283(2005.3.20)
(16)
◆CA1544◆動向レビュー:英米両国議会における学術情報のオープンアクセス化勧告 / 筑木一郎
No.282(2004.12.20)
(17)
◆CA1554◆動向レビュー:「情報哲学(the Philosophy of Information)」の誕生:図書館情報学理論研究における新たな動向 / 松林正己
No.283(2005.3.20)
(18)
◆CA1543◆動向レビュー:科学研究出版の費用分析とビジネスモデル / 芳鐘冬樹
No.282(2004.12.20)
(19)
◆CA1488◆動向レビュー:デジタルレファレンスサービスの特性と展開 / 齋藤泰則
No.275(2003.3.20)
(20)
◆CA1542◆動向レビュー:学術的ポータルをめぐる動向 / 米澤誠
No.282(2004.12.20)
上位は国内の図書館情報学の動向をコンパクトにまとめた研究文献レビュー(1)(2)(3)(11)が占めました。テーマとしては,最新の情報技術とその図書館への応用(情報検索技術(2),OpenURL(5),セマンティック・ウェブ(6),メタデータ(8),オープンソース(9),RSS(12),リポジトリ(14),ポータル(20))に読者の強い関心があることが分かる結果となっています。また,Google(4),オープンアクセス(10)(16)(18),愛国者法(7),著作権(3)といった『カレントアウェアネス-E』で頻繁に取り上げた話題にもアクセスが集中しています。その他には,レファレンス(1)(19),ドキュメント・デリバリー(13),コンソーシアム(15),図書館情報学理論(17)といった比較的昔からの図書館界のテーマにも,読者からの注目が集まっていることも再確認できました。
なお,「図書館に関する調査・研究」のページで最もアクセス数の多かったのは新着情報をお知らせするRSSファイルで,導入から7か月で約14万アクセスを記録しました。むろん,取得設定の問題もあり実際のアクセス数とは一概には言えませんが,RSSという仕組みが情報提供・収集の手段として普及・定着してきたことを示すものではないでしょうか。
ここで得られた結果を参考にして2006年の誌面作りに活かしていきたいと思いますので,これからも『カレントアウェアネス』『カレントアウェアネス-E』ともにご愛読・ご支援よろしくお願いいたします。
2006年1月10日
国立国会図書館関西館事業部図書館協力課調査情報係