CA1528 - 研究文献レビュー:図書館と著作権問題 / 村上泰子

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カレントアウェアネス
No.280 2004.06.20

 

CA1528

研究文献レビュー

 

図書館と著作権問題

 

1. はじめに

 2001年12月,文化審議会著作権分科会から審議経過の概要が公表された。同分科会情報小委員会は権利制限の見直しを討議し,特に教育目的の利用と図書館における利用についてはワーキンググループを設けて検討を進めてきた。その検討結果が盛り込まれたものである。本稿ではまずはこれを起点としたい。委員会での検討状況については,文化審議会著作権分科会の審議経過の報告,および議事録でその審議状況を知ることができる(1)

 審議において整理された論点は,その後法制問題小委員会で検討され,「法改正を行う方向とすべき事項」「『意思表示』システム等により対応すべき事項」「引き続き関係者間の協議が行われる事項」として整理し直された(2)。法改正を行うべきとされた内容のうち,教育目的の利用に関しては,2003年6月,児童生徒等による複製,遠隔授業における教材等の送信などについての改正法が成立した。一方,図書館における利用に係る事項で法改正を行う方向が適当とされたものは,図書館資料保存のための媒体変換,映画の著作物の上映,貸出補償金の3点であった。このうち先の2点はすでに法案作成段階に入っているが,貸出補償金,すなわち公共貸与権(以下,公貸権)の問題については,関係者間の合意が十分に形成されていない等の事情から,方向性の決定にとどまり,具体的な制度のあり方については継続協議とされ,現在も議論が続けられている(3)

 継続協議とされた事項はおおむね複製に関わるもので,公衆の用に供するコピー機での私的複製,図書館等による複製物のファックス送信,商業目的での複製,複製補償金,録音資料の作成,がある。このうちファックス送信については,いったん関係者間の合意が形成されたにも関わらず法改正に至らず,継続協議とされた点は興味深い(4)

 これらの状況を踏まえ,本稿では,第一に現在も継続協議中である文献複写(ファックス送信を含む),第二に公貸権に関する論議の動向を探り,第三に,第一,第二の課題とも関連する問題として著作権集中管理機構を取り上げる。第四に,大きな関心が寄せられている電子資料と著作権に関する研究動向を概観し,最後に,障害者サービスと著作権の課題を取り上げる。

 概観するにあたっては,著作権分科会の審議経過の概要が公表されるに至る2001年以降の国内文献で,図書館と著作権の問題を扱っている文献のうち,図書館情報学研究者や図書館職員等の図書館関係者の手になる著書,雑誌論文を中心にした。ただし必要に応じて,図書館関係者以外の文献で図書館関係の雑誌に掲載されたもの等も取り上げた。

 図書館関連雑誌における著作権の取り扱いを全体としてみたときにまず特徴的なのは,先の審議経過の概要に関連した特集が『図書館雑誌』はじめ各誌で組まれていることである(5)。特に『図書館雑誌』が2002年の5月と6月と連続して著作権をテーマとした(6)ところから,関心の強さと同時に問題の多様さが窺われる。同年,第88回全国図書館大会が群馬で開催され,著作権関連のシンポジウムが企画されるとともに,はじめて著作権分科会が設置されたことでも,著作権問題が広く図書館界で注目された年だったといえる(7)

 こうした図書館界における著作権問題について国内の動向をレビューした先行研究として,山本の論考をあげることができる。電子情報通信技術の影響という視点からの幅広い考察である(8)。しかし参照文献として取り上げられているものはごく限定的であった。以下,前述の5つの観点から研究動向を概観する(9)

 

2. 文献複写

(1)紙媒体資料の館内複写に関わる問題

 図書館における複写問題が顕在化したのは,大学図書館にセルフサービスの複写機が導入されるようになった頃からである。大学図書館における複写については1991年の日本複写権センターの発足以来,そのあり方についての協議が続けられてきた。その主な論点は,このようなコピーが著作権法第31条で認められている複製に該当するかどうかにあった。協議のポイントおよび現時点における大学図書館側の取組みについては,国公私立大学図書館協力委員会のホームページで概略をつかんでおきたい(10)。昨今の動向としては,2002年1月の「大学図書館における文献複写に関する実務要項」(11)合意とそれを受けての「著作権問題Q&A」の改訂(12),そして著作権思想普及運動の展開が主なところである。黒澤はこの協議結果を「現実的で運用可能な方法として評価できる」としている(13)。しかしながら「Q&A」に記されている回答は両論併記的なものも多く残されており,現実に起こっている問題に対して単純明快な回答を示したものというわけではない。実際の運用にはまだ相当な難しさがあると思われる。

 複写の問題に対しては,著作権管理システムの整備の必要性を指摘する論考も多数見られる。そのような指摘の背景には,館外コピーの現状に加え,図書館における著作権法第31条遵守状況把握についても実際には図書館における格差があり,遵守されていない実態もあるとの指摘がみられる(14)(15)

 複写の問題は主に大学図書館や専門図書館において主要な関心事として取り上げられてきたのであるが,近年公共図書館においても,図書館に対する関心が高まりを見せる中,他館種同様の複写の問題が顕在化してきている。なかでも著作権法第31条に基づくのではなく,同法第30条に基づく私的コピーとして処理する市立図書館の事例が議論を呼び,著作権者からの批判(16)のみならず,図書館関係者からも,図書館と著作権者との信頼関係を壊しかねないものとの懸念が表明されている(17)

 また複写の分量すなわち「一部分」の解釈をめぐって,百科事典の一項目や雑誌記事の一論文をひとつの著作物とみなしその半分までしか複写できないとする法解釈の,実態との乖離を指摘するものもある(18)。複写目的である「調査研究」の範囲について,営利,非営利をどのように切り分けるのか,切り分けることが合理的なのかといった論議については「大学図書館著作権問題ワークショップ」に詳しい(19)。一方,複写機による館内コピーの問題を一足飛びにこえて,小型スキャナなどによるパソコンへの取り込みといった状況もある(20)

 一方,学校図書館と著作権の問題については森田が継続的に取り上げているが(21),以前から広く指摘されてきた「学習者」による複製問題は,冒頭でも触れたように平成15年度の著作権法改正によって,第35条の複製の主体に「授業を受けるもの」も含められたことにより一定の解決をみたといえる。しかしながら,構内LANでの教材共同利用等,解決すべき課題はまだ多く残されている(22)

(2)ドキュメント・デリバリーに関わる問題

 一館のみでは,過去および現在,未来にわたって創作されるすべての資料を収集し,利用者に提供することはできない。利用者の求めに応じた資料提供を実現するために,いまや図書館協力は不可欠の要素となっている。

 しかしながらファックスによる文献の送付は,公衆送信権に権利制限がかけられていないことや,発信者の手元に複製物が残ることなどを理由に,図書館サービスとして利用できないとされてきた。しかしグローバルILLによって海外とも文献のやりとりをする時代を迎え,こうした取り決めの不合理を指摘する声も大きくなってきた。権利者との協議において,個人へ直接送信せず,図書館間のやりとりに限定することなど,一定の条件のもとに「利用者からの求めに応じて,図書館が利用者の代理人として他の図書館に図書館資料の複製を依頼した場合に,当該図書館間でファクシミリ等による公衆送信を行うことを権利制限の対象に加える法改正を支持すること」(23)についての合意が得られ,法制問題小委員会に報告されるという経緯があったことが知られているが(24),最終的な法改正には至っていない。この理由について岡本は,著作権分科会の整理した関係者間協議事項に含まれていなかったという手続き上の問題や,「代理人」を図書館に限定することへの疑念などを挙げている(25)。最近の関心はむしろ電子的手段を用いた個別利用者への直接的な文献提供に向かっており,館内複写の問題とあわせて補償金制度との関係のもとに,権利処理の観点から論じられる傾向にある。これについては5で扱う。

 

3. 公貸権

 公貸権問題は,公共図書館における大量複本購入が書籍販売に負の影響を与えているとの指摘が著者や出版関係者から上がったことから,公共図書館の本来的役割に対する問いかけとともに,活発化したものである。2003年1月の著作権分科会審議経過報告によれば,「映画の著作物」同様の補償金の導入に関して,審議会では基本的な反対はなかったという。ただし導入方法について当事者双方ともに検討が必要ということで見解が一致したことから,その時点でただちに法改正の手続きに入ることは見送られた(26)(27)

 例えば三田は一連の論考を通して,作家の立場から公共貸与権の導入を求めている(28)。これに対して図書館側からは,権利者の利益がどの程度損なわれているかの実態が不明である,現段階では図書館数や資料費の点において先進国とはいえない,などの点からの反対表明がみられる(29)。この間,権利者どうしが一堂に会して議論をたたかわせる場も設けられ(30),徐々にではあるが双方の抱える状況についての理解の溝を埋める努力が払われたものの,双方ともに正確な実態にもとづく論議ではなく,感覚的な噛み合わない論議になっていることは明白であった。そうした閉塞状況に突破口を見出すことを目的として,2003年に実態調査が実施された。ここには,複本数等の実データのほか,このデータを受けての図書館員,作家等関係者からの意見等も掲載されており,当事者の具体的な意見を反映した貴重な資料といえる(31)

 国内の実態を把握する動きの一方で,海外の補償金制度を調査する動きもあった。この問題については南や前田が諸外国の公貸権制度を幅広く比較検討している(32)(33)。南は別稿でも,諸外国では,対象となる図書館,書籍の分野や言語によるかなり限定的な権利であること,さらにその補償額の算定方法などから考えて,その制度の導入スタイルをイギリス型,ニュージーランド型,北欧型,ドイツ型の4つに分類できることを指摘している(34)。このうちドイツの状況については,ほかに寺倉の論考がある。寺倉は補償金を公費負担するというドイツのシステムは,著作物使用の対価というよりも,むしろ文化振興からの一種の助成金と捉える見方もあることに触れ,概念整理の必要性を指摘している(35)

 根本はこれらの一連の考察を手際よく整理している。特に,文芸書の実態をさらに細区分し,貸出最上位のやや下あたりに位置する文芸書の売上に図書館の貸出しの与える影響が小さくないとの指摘は興味深い(36)。公貸権問題については幅広い議論と文化振興,文化政策としての取組みが必要であることが,前田,根本らによって指摘されている(37)

 

4. 電子資料と著作権

 図書館と著作権の問題を考えるとき,電子資料とそれ以外の資料とを分けて考えることは必ずしも適切とはいえない。しかし電子資料をひとつの切り口とする取り上げ方はしばしば見受けられることから,本稿でも別項目を立てた。

 著作権という観点からみた図書館における電子資料と図書館活動との関係については,北が詳細に検討している(38)。その中で現在関心の高い問題のひとつは,電子ジャーナルのプリントアウトやファックス,およびILLであろう。この問題についての契約による解決に一定の評価を与えつつも,力関係で決定されてしまうあり方への土屋の警告は注目に値しよう(39)

 資料のデジタル化については個別権利処理を行う方向で各事業がすでに進められており,2001年以降デジタル化と著作権を扱ったものは多くはない。国立情報学研究所の著作権処理モデル(40),奈良先端科学技術大学院大学電子図書館の権利処理プロセス(41)を紹介した文献が見られる程度である。その中で,国立国会図書館が「近代デジタルライブラリー」構築のために実施した明治期刊行図書等の著作権調査について述べた文献は,その過程がつぶさに報告されており興味深い(42)

 また目新しいところでは,権利者側からの問題提起という形で新聞記事の電子化と著作権問題を取り上げたもの(43),部分的ではあるが中国電子図書館の著作権処理の問題点を取り上げたもの(44)がある。

 インターネット上の情報資源と著作権の問題については,山本が一般利用者の立場からみた視点を示している(45)ほか,デジタルミレニアム著作権法後の米国の動向を報告している(46)

 データベースの法的保護についても見ておきたい。長塚が海外の動向を紹介するとともに,わが国の今後のありかたについて提起している(47)

 

5. 著作権集中管理機構 (48)

 現在,複写権の権利処理機関は国内に3つ(日本複写権センター,学術著作権システム,日本著作出版権管理システム)あり,その混乱ぶりについては数多くの報告がある。松下が3機関の許諾システムの全体像を平明に記している(49)ほか,三浦が問題の所在を概観している(50)。特に企業図書館等をメンバーにかかえる専門図書館系の雑誌でこの問題は頻繁に取り上げられ(51),利用者・図書館側の多くが権利処理機関の一本化を要望している(52)。国公私立大学図書館協力委員会主催のシンポジウムのパネル討議中,土屋も,簡便な許諾システムの必要性について指摘する一方,現在の日本複写権センターがそれを担うに不十分であることを指摘している(53)。この問題に対する図書館側からの要望・意見やそれに対する権利処理機関側からの回答について,INFOSTAのホームページも見ておくべきであろう(54)

 複写権の権利処理についての海外の実践も見逃せない。長塚はフランスの法定集中管理について(55),山岡はドイツのsubitoにおける著作権処理の現状について(56),山下は世界の複写権処理機構の概要について(57),報告している。

 

6. 障害者サービスと著作権

 障害者サービスと著作権については,録音図書の作成が著作権法第37条により認められている図書館(点字図書館等)以外の公共図書館等においても,権利者の許諾を得ずにできるよう法改正の要望が提出されていたが,法制問題小委員会では「簡便な許諾契約システム」や「事前の意思表示システム」等の構築による当事者間解決が示唆された(58)。これに関しては,文芸作品に限定されるものではあるが,2004年4月,日本図書館協会と日本文藝家協会との間で「公共図書館等における音訳資料作成の一括許諾に関する協定書」が取り交わされ,運用にあたって双方が順守すべき事項を定めた「障害者用音訳資料利用ガイドライン」が作成された(59)。しかし問題はそれだけではないことを,梅田が著作権法第37条の対象となる障害者の範囲を中心に指摘しており(60),さらに佐藤が大学図書館における問題点を指摘している(61)。ほかに障害者の情報アクセス権の保障に関する国際レベルでの取組みについて,問題点と要求内容が整理されている(62)

 

7. おわりに

 以上,約3年にわたる国内文献についてみてきたが,最後に著作権問題から図書館の役割について考察している文献をいくつか取り上げて終わりにしたい。岡本は著作権問題のほとんどが契約マインドによって解決可能と断じる(63)。すなわち図書館の役割は契約の中で個別に位置づけられるとするのである。他方,山本は図書館の役割の公共性は法による著作権の制限を可能とする合理的理由となりうることを主張している(64)。拠って立つところはまったく異なる両者であるが,双方に一致しているのは,ステークホルダーどうしがその主張をはっきりと表明して解決すべきであるとしている点である。名和は電子資料の世界における著作権についてではあるが,権利者の側の主張と図書館側の主張を「ディジタルは違う」と「ディジタルでも同じ」と対比してみせ,もし図書館が自らの主張を通すことができなければ「ディジタルは違う」とする論に屈することになる,とする(65)。こうした権利者と利用者間の対立はまた,法と契約の守備範囲についての揺れももたらす。名和はさらに近著において,現行の著作権制度はやがて行き詰まり,複数の著作権制度が競合する「二重標準の時代」が到来するとの見解を示している(66)。糸賀の指摘からも窺われるように(67),こうした揺れが図書館関係者の中にも見られることが問題をいっそう見えにくくしていると思われる。大きな課題といえるだろう。

梅花女子大学文化表現学部:村上 泰子(むらかみやすこ)

 

(1) 文化審議会著作権分科会. 文化審議会著作権分科会審議経過の概要. 平成13年12月. (オンライン), 入手先 < http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/011201.htm>, (参照2004-05-04).
また,それ以降の著作権分科会における審議の状況についても著作権分科会のホームページで見ることができる。
文部科学省. 審議会情報(文化審議会). (オンライン), 入手先 < http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/index.htm>, (参照2004-05-04).
特に,「審議経過の概要」における当事者間の協議の場を設ける必要があるとの指摘を受けて,「図書館等における著作物等の利用に関する検討」の会が設けられ,その検討の結果が,2002年9月27日の著作権分科会法制問題小委員会に提出されており,その概要を議事録から知ることができる。
これらの審議経過やそのポイントについては,以下の文献で確認できる。
日本図書館協会. 著作権の権利制限の見直しをめぐる状況について. 図書館年鑑 2003年版. 2003, 402-403.
奥村和廣. 公共図書館の現場と著作権法の今日的課題. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 308-309.
糸賀雅児. 著作権をめぐる図書館ワーキング・グループ審議の問題点. 図書館雑誌. 96(6), 2002, 396-399.
酒川玲子. 著作権の権利制限の見直しをめぐる状況―「図書館等における著作物等の利用に関する検討結果」の報告―. 図書館雑誌. 97(1), 2003, 48-56.
前園主計. 著作権に係る専門図書館の現状と問題点. 専門図書館. (188), 2001, 15-18.
前園主計. 著作権問題の進展と専門図書館―専門図書館の立場で著作権者側と話し合いを続けてきた経過の報告―. 専門図書館. (197), 2002, 21-31.
著作権委員会. 「図書館等における著作物等の利用に関する当事者協議」の動向(報告). 専門図書館. (202), 2003, 48-50.
(2) 文化審議会著作権分科会. 文化審議会著作権分科会審議経過報告. 第1章 法制問題小委員会における審議の経過. 平成15年1月. (オンライン), 入手先 < http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/030102b.htm>, (参照2004-05-04).
また,平成15年度の検討結果が次に報告されている。
文化審議会著作権分科会. 文化審議会著作権分科会報告書. 第1章 法制問題小委員会. 平成16年1月. (オンライン), 入手先 < http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/04011402.htm>, (参照2004-05-30).
(3) 2004年4月,文化庁は2008年を目処に公貸権を導入したい考えを示した。なお補足であるが,2004年1月の著作権分科会報告書には,書籍等の貸与についての経過措置を定めた著作権法附則第4条2項の廃止が盛り込まれている。さらに知的財産戦略本部による「知的財産の創造,保護及び活用に関する推進計画」の中にも同様の記述が見られる。直接,図書館の貸出しに関係するものではないが,日本図書館協会はこれに対し,「 『公貸権』 制度と混乱した議論がみられる」こと,同項の廃止が図書館事業に及ぼす影響への懸念などの意見を提出した。
(4) これらの協議については,図書館関係以外のものも含まれるが,次の文献で概観できる。
岡本薫. 知的財産戦略に基づく最近の動きについて. コピライト. (509), 2003, 2-25.
(5) 2001年以降の主な特集テーマと掲載誌には次のものがある。
著作権・公貸権・図書館. 現代の図書館. 40(4), 2002, 207-253.
図書館サービスと著作権. 図書館界. 54(2), 2002, 51-83, 129. (これは,日本図書館研究会の第43回研究大会におけるシンポジウムの内容を特集として組んだものである。)
図書館・情報センターと法制度. 情報の科学と技術. 51(11), 2001, 555-590.
情報・メディアの活用と著作権. 学校図書館. (617), 2002, 15-31.
電子出版に関わる著作権. 専門図書館. (187), 2001, 1-15.
文献複写の著作権をめぐる問題. 薬学図書館. 47(2). 2002, 111-149.
著作権. 医学図書館. 50(4), 2003, 324-340.
著作権. 大学の図書館. 22(11), 2003, 186-194.
(6) 特集 : 図書館と著作権法の今日的状況と課題. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 298-316.
特集 : 図書館と著作権法のこれからを考える. 図書館雑誌. 96(6), 2002, 395-409.
(7) この年のシンポジウムのテーマは「進化する図書館−著作権を中心とする課題と将来像を考える−」,第10分科会(著作権)のテーマは「著作権をめぐる現状と課題」であった。さらに翌年の静岡大会の第8分科会(著作権)のテーマは「著作権をめぐる最近の動向−公貸権問題を中心に−」であった。
平成14年度第88回(群馬大会)全国図書館大会記録.
平成15年度第89回(静岡大会)全国図書館大会記録.
(8) 山本順一. 図書館と著作権. 図書館界. 53(3). 2001, 355-363.
(9) 図書館サービスに直接関わるものを扱い,たとえば学校において授業中に使用する教材の著作権について扱ったようなものは除いた。図書館と著作権とのかかわりは非常に広範囲にわたっているが,現在主に話題になっている問題を中心にレビューし,それ以外のものについては,注のなかで選択的に触れるにとどめている。たとえば音楽図書館と著作権については 『MLAJ Newsletter』 に数点の文献が見られるが,ここでは取り上げなかった。また,『出版ニュース』 でも継続的に著作権問題が扱われているが,これも範疇外とした。なお文中,個人の敬称は略させていただいた。
(10) 国公私立大学図書館協力委員会. 大学図書館における著作権法と図書館の今日的課題. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 302-304.
(11) 国公私立大学図書館協力委員会. 大学図書館における文献複写に関する実務要項. 平成15年1月30日. 3p. (オンライン), 入手先 < http://wwwsoc.nii.ac.jp/anul/index.html>, (参照2004-05-04).
(12) 国公私立大学図書館協力委員会大学図書館著作権検討委員会. 大学図書館における著作権問題Q&A(第3版). 平成16年3月29日. 81p. (オンライン), 入手先 < http://wwwsoc.nii.ac.jp/anul/index.html>, (参照2004-05-04).
1年前の第2版(平成15年3月19日)発行時点でまだ日本複写権センターとの合意が得られていなかった「実務要綱A案」が正式に認められたことにより,それにあわせて改訂されたもの。
(13) 黒澤節男. 図書館サービスと著作権の今日的課題. 現代の図書館. 40(4), 2002, 207-214.
(14) 「図書館における複製がなぜ優遇されるのか」との権利者側の不公平感や図書館の社会的役割に対する認識が得られていないことがこの問題を引き起こしているとし,複写条件の図書館による格差やカウンターでのトラブルに触れている。
JLA著作権問題委員会. 図書館における著作権問題の今日的状況と課題. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 298-301.
また,公共図書館からの問題提起ではあるが,次の文献では著作権法第31条の運用の実効性に対する疑問が提示されている。
愛知県公立図書館長協議会の著作権問題についての意見―文化審議会著作権分科会の「審議経過の概要」をめぐって―. 2002年10月. 図書館年鑑. 2003年版. 2003, 403-404.
(15) たとえば次の文献にそうした指摘が見られる。
長塚真琴. 複写権の法定集中管理と図書館における複写―フランスの法と運用. 現代の図書館. 40(4), 2002, 239-247.
細井五. 21世紀の図書館活動と著作権問題―著作権料請求権の実態化事業はJLAの仕事である―. 図書館雑誌. 96(6). 2002, 407-409.
(16) 松本功. 横浜市図書館は,パラサイトイブ?あるいは寄生獣? 横浜市図書館のセルフコピーと著作権法の問題について. みんなの図書館. (289), 2001, 65-73.
(17) 前田章夫. 著作権法をめぐる最近の動向. みんなの図書館. (308). 2002, 20-26.
(18) たとえば前掲(13)
(19) 国公私立大学図書館協力委員会著作権問題拡大ワーキンググループ. 「大学図書館著作権問題ワークショップ」報告. 大学図書館研究. (64), 2002, 64-71.
(20) 阿部哲. 図書館内での資料のPC取り込みについて. 大学の図書館. 22(11), 2003, 192-194.
(21) 森田盛行. 学校図書館と著作権. 学校図書館. (617), 2002, 15-17.
(22) 学校図書館と著作権を扱った文献にはほかに次のものがある。
村山功. 学校図書館と著作権. 現代の図書館. 40(4), 2002, 248-253.
森洋三. 学校図書館メディアリテラシー. 学校図書館. (617), 2002, 18-20.
山本順一. インターネット利用と著作権. 学校図書館. (617), 2002, 23-25. 
文献複写とは少し離れるが,遠隔教育における資料利用に対応した法改正も同時期に行われた。山本は遠隔教育プログラムの導入と著作権法の関係をアメリカの事例から考察している。
山本順一. アメリカにおけるデジタル遠隔教育と著作権―技術・教育・著作権協調法(TEACH Act)の検討―. 学校図書館学研究. (5), 2003, 19-29.
(23) 前掲(2)平成13年12月の「文化審議会著作権分科会審議経過の概要」にも,複写物に限ること,ファックスによるイメージの送信に限ること,著作権法第31条1号の範囲内であること,非商業目的の調査研究に限ること,の4条件を満たすならば,図書館側の要求を容認するとの意見があったことが記録されている。
(24) 経緯については次の文献から窺い知ることができる。
南亮一. 著作権をめぐる最近の動向. 薬学図書館. 49(1), 2004, 1-8.
またファクシミリによる送信が必要とされる理由として,病院図書館における緊急性をあげるものも見られる。
田引淳子. 病院図書館と著作権. 図書館雑誌. 96(6), 2002, 403.
(25) 前掲(4) 岡本はまた同文献において「(他の事項との関係での「取引」などもあってか)」関係者間の協議は「審議会の宿題とは違うテーマに移って行ってしまったよう」だとの指摘を加えている。
関連する議論に,前田,土屋,糸賀らが日本図書館研究会第43回研究大会シンポジウムにおいて複写と公貸権に関して交わしたものがある。
討議:図書館サービスと著作権. 図書館界. 54(2), 2002, 70-83, 129.
(26) 前掲(2)
(27) 映画の著作物に公貸権がすでに導入されているという論に対しては,森が,そうした主張の問題点を指摘している。
森智彦. 公貸権についての考察―日本でもすでに導入されているという主張の検討. 2004年度日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱. 青山学院大学. 2004年5月22日. 23-26.
(28) 三田誠広. 図書館が侵す作家の権利―複本問題と公共貸与権を考える. 論座. (91), 2002, 184-191.
三田誠広. 図書館への私の提言. 東京, 勁草書房, 2003, 219p.(ここでの提言の内容は一貫して著作権問題である。)
(29) 前川芳久. 図書館のこれまでの著作権論議と補償金に関わる二つの論点について. 図書館雑誌. 96(6). 2002, 404-406.
(30) 猪瀬直樹ほか. 図書館問題をめぐる作家と図書館の大激論. 創. 32(10), 2002, 98-118.
著作権をめぐる最近の動向―公貸権問題を中心に. 平成15年度第89回(静岡大会)全国図書館大会記録. 静岡, 全国図書館大会実行委員会事務局, 2004. 130-141.
(31) 日本図書館協会, 日本書籍出版協会. 公立図書館貸出実態調査2003報告書. 東京, 日本図書館協会, 日本書籍出版協会, 2004, 68p. (オンライン), 入手先 < http://www.jla.or.jp/kasidasi.pdf> (参照2004-05-04).
(32) 南亮一. “付録A「公貸権」に関する考察”. 図書館サービスと著作権 改訂版(図書館員選書10). 東京, 日本図書館協会, 2003, [199]-232.
(33) 前田章夫. 公共貸出権(Public Lending Right)について. 図書館界. 54(2), 2002, 58-65.
(34) 南亮一. 「公貸権」に関する考察―各国における制度の比較を中心に. 現代の図書館. 40(4), 2002, 215-231.
(35) 寺倉憲一. ドイツの図書館における著作権問題―公共貸出権を中心に. 現代の図書館. 40(4), 2002, 232-238.
またフランスにおける最近の貸出有料化導入経緯が宮本によって紹介されている。
宮本孝正. 図書館での貸出有料化の問題―フランスの場合―[CA1492]. カレントアウェアネス. (276), 2003, 3-5.
(36) 根本彰. 続・情報基盤としての図書館. 東京, 勁草書房, 2004. 199p. 第1章 ベストセラー提供と公貸権について考える. 1-56.
この書籍に掲載されている引用文献リストには,公貸権に関わる国内文献が広範囲にカバーされており,公貸権について研究する際の大きな助けになる。
(37) 前掲(33),(36) および山田奬. 著作権シンドローム. 情報管理. 46(2), 2003, 120-122.
なお2004年3月,日本図書館協会が公表した「図書館における貸与問題についての見解」においても,「文化を担う」という観点から日本の図書館の役割に対する理解を求める見解が示された。
日本図書館協会. 図書館における貸与問題についての見解. 2004年3月5日. (オンライン), 入手先 < http://www.jla.or.jp/kenkai/taiyo.pdf> (参照2004-05-25).
(38) 北克一. 図書館活動, 電子資料と著作権. 図書館界. 54(2), 2002, 66-70.
その後の状況をフォローしたものが次の文献にまとめられている。
北克一, 村木美紀. 図書館活動と著作権法. 大阪市立大学学術情報総合センター紀要. (4), 2002, 25-36.
(39) 国公私立大学図書館協力委員会平成14年度シンポジウム企画委員会. 第2回シンポジウム「学術コンテンツ流通と著作権」報告. 大学図書館研究. (67), 2003, 76-88. 土屋は,同シンポジウムの基調講演「学術コミュニケーションの将来と『著作権』」で,この問題に言及している。
(40) 船渡川清. 国立情報学研究所(学術情報センター)電子図書館サービスにおける著作権処理モデル. 大学図書館研究. (60), 2001, 58-62.
(41) 奥田正義ほか. 奈良先端科学技術大学院大学電子図書館の現状と課題. 大学図書館研究. (65), 2002, 23-34.
(42) 関西館事業部電子図書館課. 明治期刊行図書等の著作権調査―資料電子化の舞台裏―. 国立国会図書館月報. (511), 2003, 1-9.
(43) 中田彰生. 図書館における新聞記事電子化の著作権問題. 情報の科学と技術. 53(11), 2003, 557-561.
(44) 安藤一博. 中国の図書館と電子図書館プロジェクト―中国電子図書館プロジェクトを中心に―. 情報の科学と技術. 53(12), 2003, 581-586.
安藤一博. 中国の電子図書館「超星数字図書館」[CA1472]. カレントアウェアネス. (273), 2002, 10-11.
(45) 山本順一. 市民の視点からみた‘インターネットと著作権’. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 314-316.
(46) 山本順一. デジタルミレニアム著作権法施行から2年(米国)[CA1478]. カレントアウェアネス. (274), 2002, 5-7.
(47) 長塚隆. データベースの法的保護―ヨーロッパにおけるデータベースの新たな権利sui generisをめぐる最近の動き―. 情報管理. 44(5), 2001, 332-341.
長塚隆. 連載講座:企業活動と知的財産制度第10回:データベースの保護制度の現状と課題. 情報管理. 46(12), 2004, 816-827.
データベースの独自の権利(sui generis right)の導入に関しては,平成13年10月17日に日本学術会議が導入反対の声明を出している。この声明の検討状況,学術関係者からの反応については,雑誌『学術の動向』に詳しい。
日本学術会議第136回総会について. 学術の動向. 6(12), 2001, 10-11.
声明: データベースに関して提案されている独自の権利(sui generis right)についての見解. 学術の動向. 6(12), 2001, 12-22.(説明と参考資料を含む。)
なお,声明は日本学術会議のサイトでも入手できる。< http://www.scj.go.jp/info/kohyo/pdf/kohyo-18-k136.pdf>
江沢洋. 第136回総会声明「データベースに関して提案されている独自の権利(sui generis right)についての見解」をめぐって. 学術の動向. 7(3), 2002, 65.
国沢隆ほか. 解説: 声明: 「データベースに関して提案されている独自の権利(sui generis right)についての見解」. 学術の動向. 7(3), 2002, 66-69.
木棚照一. データベースの法的保護に関する若干の問題. 学術の動向. 7(3), 2002, 70-74.
矢原一郎. データベース「独自の権利(sui generis right)」について、 もう一つの考え方. 学術の動向. 7(3), 2002, 75-77.
中村紀夫. 「データベースに関して提案されている独自の権利(sui generis right)についての見解」の紹介・内容検討と私見. 学術の動向. 7(3), 2002, 78-80.
(48) ここでは権利処理システムの構築について技術面から取り扱ったものは除く。
(49) 松下茂. 著作権を巡る動きについて:特に複写権を中心に. 医学図書館. 50(2), 2003, 165-170.
(50) 三浦勲. 外国文献複写と著作権. 情報の科学と技術. 51(11), 2001, 579-584.
(51) 例えば次の文献がある。
三浦は利用者の立場から,3機関の鼎立状態が利用者にとっての最大の不便・不都合を生じさせていることを指摘し,この問題にINFOSTAの果たす役割を評価している。
三浦勲. 文献複写の著作権問題をとりまく現状と問題点. 薬学図書館. 47(2), 2002, 114-120.
末廣はそれぞれ図書館の立場から,3機関の混乱の原因を探り,集中処理機構がきちんとした権利処理をする責務を果たすべきことを厳しく指摘している。
末廣恒夫. 文献複写の現状と問題点. 薬学図書館. 47(2), 2002, 145-147.
末廣恒夫. 企業内専門図書館が直面する文献複写問題. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 305-307.
中西は権利処理機関の立場から,より合理的なシステムの構築を追求する一方,著作権法第31条の対象から営利目的の調査研究を除外することを提起している。
中西敦男. 学著協をめぐる新しい動き. 薬学図書館. 47(2), 2002, 132-137.
中西敦男. 著作権法第31条問題と複写権集中処理の現状―著作権者の立場から―. 図書館雑誌. 96(5), 2002, 310-313.
金原は同じく権利処理機関の立場からの問題提起をしているが,著作権法の規定範囲を厳しく限定する。
金原優. 学術専門出版物複写利用の適正化に向けて. 薬学図書館. 47(2), 2002, 138-144.
(52) 松下茂. 切望される利用者の声を反映した著作権処理システムの確立. 薬学図書館. 48(1), 2003, 3-6.
松下茂. 著作権の現状と将来―病院図書館との関わり. 病院図書館. 22(3), 2002, 128-136.
加藤均. 複写サービスを提供する側からみた著作権. 医学図書館. 50(4), 2003, 337-340.
(53) 前掲(39)
(54) 情報科学技術協会. (オンライン), 入手先 < http://www.infosta.or.jp> (参照2004-05-04).
たとえばINFOSTA複写権問題対策委員会の作成した「学術情報の円滑な流通を阻害しない著作権処理システムの現実に向けたアピール」などをみることができる。
(55) 長塚真琴. 複写権の法定集中管理と図書館における複写―フランスの法と運用. 現代の図書館. 40(4), 2002, 239-247.
(56) 山岡規雄. ドイツのドキュメントサプライサービスsubitoの現在[CA1484]. カレントアウェアネス. (275), 2003, 3-4.
(57) 山下邦夫. 世界の複写権処理機構. 専門図書館. (189), 2001, 62-70.
(58) 前掲(4)
(59) 松岡要. 障害者用音訳資料作成の一括許諾について―日本文藝家協会との協定について―. 図書館雑誌. 98(5), 2004, 294-297.
(60) 梅田ひろみ. 障害者の著作物利用にかかわる著作権法制限規定のあり方への提起―障害者の情報アクセス権と著作権の調和を求めて―. 図書館雑誌. 96(6), 2002, 400-402. 
梅田は他稿でこの問題を著作権法だけでなく,他の関連法とともに取り上げている。
梅田ひろみ. 障害者サービスの法的根拠. 情報の科学と技術. 51(11), 2001, 585-590.
(61) 佐藤聖一. 大学図書館における障害者サービスと著作権について. 大学の図書館. 22(11), 2003, 190-192.
(62) 佐藤聖一. 「障害者の情報アクセス権と著作権問題の解決を求める声明」発表について―JLAがNGOとして国連ハイレベル政府間会合等に出席―. 図書館雑誌. 97(1), 2003, 58-59.
全国視覚障害者情報提供施設協会ほか. 障害者の情報アクセス権と著作権問題の解決を求める声明. 2002年10月. 図書館雑誌. 97(1), 2003, 60.
(63) 岡本薫. 著作権の考え方. 東京, 岩波書店, 2003, 226p.
(64) 山本順一. 図書館と電子メディアの著作権問題について. 北海道地区大学図書館職員研究集会記録. (44), 2001, 4-11.
また次の文献も公共性を根拠とした法改正を求めている。
阿部峰雄. 図書館の公共性と著作権. 図書館雑誌. 96(2), 2002, 134-136.
(65) 名和小太郎. 著作権法. (シリーズ図書館情報学のフロンティア.no.2. 図書館を支える法制度. 東京, 勉誠出版, 2002, 151p. 所収), 61-79.
名和小太郎. 学術情報と知的所有権―オーサシップの市場化と電子化. 東京, 東京大学出版会, 2002, 346p.
(66) 名和小太郎. ディジタル著作権 二重標準の時代へ. 東京, みすず書房, 2004, 276p.
(67) 糸賀雅児. 著作権をめぐる図書館ワーキング・グループ審議の問題点. 図書館雑誌. 96(6), 2002, 396-399.

 


村上泰子. 図書館と著作権問題. カレントアウェアネス. 2004, (280), p.16-22.
http://current.ndl.go.jp/ca1528