図書館による貸出履歴の保持に対する利用者の認識(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセス誌“College & Research Libraries”(C&RL)の86巻4号に、図書館による貸出履歴の保持に対する利用者の認識等を調査した記事“Help or Hazard? Patrons’ Checkout History Retention Choices and Relations to Trust and Campus Role”が掲載されています。著者は、米・ミシガン大学図書館のCraig E. Smith氏等です。

ミシガン大学図書館では利用者とその貸出履歴に関するデータの紐づけを行っており、利用者は図書館による貸出履歴の保持に同意するかを選択可能となっています。

記事では、同館の利用者588人を対象として、貸出履歴データの保持に同意するかの選択とその理由、データプライバシーに対する意識との関係性等を調査した結果が述べられています。主な結果として、全体の90%以上が貸出履歴の保持に同意したこと、保持に同意したグループは同意しなかったグループと比較して、プライバシーへの懸念が低く、大学図書館に対する信頼度が比較的高い傾向にあったこと等が挙げられています。

Smith, Craig E.; Varnum, Kenneth J. Help or Hazard? Patrons’ Checkout History Retention Choices and Relations to Trust and Campus Role. College & Research Libraries. 2025, 86(4).
https://crl.acrl.org/index.php/crl/article/view/26863/34786

関連:
Significant Assessment Projects(University of Michigan Library)
https://lib.umich.edu/about-us/about-library/assessment/significant-assessment-projects