論文のオープンアクセス出版の適格性を決定するタイミングについて(記事紹介)

2025年7月15日付けで、米国の非営利出版者Annual Reviewsによる世界の図書館員、出版者、ベンダー向けのオンライン雑誌“Katina”に、論文のオープンアクセス(OA)出版の適格性を決定するタイミングに関する記事“For Fairer Open Access Deals, Base Article Eligibility on Submission Date”が掲載されています。著者は、米・ミネソタ大学図書館のSunshine Carter氏等です。

Read & Publish契約では、論文にOA出版の資格があるか否かを出版者が決定するタイミングは、論文の投稿時点ではなくアクセプトされた時点であるとしています。しかし、査読に時間を要する等の理由により出版までの期間が長期化した場合、著者にとって見通しが立たないほか、図書館にとっても出版者との契約更新や予算管理等の点で問題が生じ得ることなどから、全ての論文がアクセプトされるとは限らないものの、論文のOA出版が投稿時点で保証されるようにすることの利を説いています。

For Fairer Open Access Deals, Base Article Eligibility on Submission Date(Katina, 2025/7/15)
https://katinamagazine.org/content/article/open-knowledge/2025/fairer-oa-deals-article-eligibility-submission-date

参考:
E2801 – Subscribe to Open(S2O)の現状と課題
カレントアウェアネス-E No.504 2025.07.03
https://current.ndl.go.jp/e2801

E2259 – CUPからのRead & Publishモデル契約の提案について
カレントアウェアネス-E No.391 2020.05.28
https://current.ndl.go.jp/e2259

CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977