プロジェクト・インフォメーションリテラシー、学生のニュースへの関わり方について調査した報告書を公開:教員・図書館員・ジャーナリストへの6つの提言(米国)

2018年10月16日、米国の成人の情報リテラシーに関する調査を進めているプロジェクト・インフォメーションリテラシー(Project Information Literacy:PIL)が、「ポスト真実」時代の若者のニュースの入手方法やニュースへの関わり方についての全国調査の報告書を公表しました。

全国11の大学の約6,000人を対象とした調査で、フォローアップ調査として、インタビュー及びソーシャルメディアのコンピュータ分析も実施されています。

得られた知見として「ニュースが24時間扱われる時代に学生が適応するにあたって、既存のニュースの評価基準では対応できなくなってきている」「若者はニュースが生活や社会にとって価値があると信じており、多くはソーシャルメディアを世界に声を届ける重要なチャンネルと考えているものの、新しいデジタル環境や政治的現実のもとでニュースを入手するのが困難となってきている」などをあげ、教員・図書館員・ジャーナリストに対して6つの提言を行っています。

図書館員への提言としては、教員と連携し、行為の中の知(knowledge in action)に関する技術を教育の初期段階から継続的に学生に教授すること、授業での討論にニュースを組み込むこと、ニュースを含めた情報への批判的思考の教授方法を拡張することがあげられています。

press release [PDF:2ページ]
http://www.projectinfolit.org/uploads/2/7/5/4/27541717/pil_news_study_press_release_-_10-10-18.pdf

Executive Summary [PDF:2ページ] 
http://www.projectinfolit.org/uploads/2/7/5/4/27541717/newsexecutivesummary.pdf

HOW STUDENTS ENGAGE WITH NEWS [PDF:53ページ]
http://www.projectinfolit.org/uploads/2/7/5/4/27541717/newsreport.pdf

News Study
http://www.projectinfolit.org/news_study.html

参考:
国際図書館連盟、インフォグラフィック「偽ニュースの見極め方」の世界の図書館での活用例を紹介するレポートを公開
Posted 2017年8月21日
http://current.ndl.go.jp/node/34538

欧米4か国で実施されたフェイクニュースに対する意識調査についての報告書が公開される
Posted 2017年10月31日
http://current.ndl.go.jp/node/34920

若者のオンライン情報に対する情報評価能力に関する調査(米国)
Posted 2016年11月24日
http://current.ndl.go.jp/node/32988

E1415 – 豪州の大学生の日常情報探索とニュースメディア<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.234 2013.03.28
http://current.ndl.go.jp/e1415

E1124 – 米国大学生の情報リテラシーの現状と教員・図書館員等への提言
カレントアウェアネス-E No.184 2010.12.02
http://current.ndl.go.jp/e1124