プロジェクト・インフォメーションリテラシー、大手IT企業の使用するアルゴリズムが支配的な時代の情報リテラシーと大学生に関する報告書を公開(米国)

2020年1月14日、米国の成人の情報リテラシーに関する調査を進めているプロジェクト・インフォメーションリテラシー(Project Information Literacy:PIL)が、Google、YouTube、Instagram、Facebookといった大手IT企業の使用するアルゴリズムが支配的な時代における、情報リテラシーと大学生に関する報告書の公開を発表しました。

同報告書は大学生が絶えず変化するオンライン情報の全体像をどのように概念化しているか、コンテンツの形成・フィルタリングのためアルゴリズムの採用を進め不安定だが人気のあるプラットフォームからどのようにオンライン情報を利用しているのか、に関する知見を提供したものです。全国8大学103人の学生を対象とした16件のフォーカス・グループ・インタビュー、37人の教員へのインタビューから収集された質的なデータに基づいて報告書が作成されました。

調査結果に基づき、大学生がアルゴリズム駆動型のプラットフォームに対して不信を抱きつつもその便利さに期待する相反した態度をとっていること、自身のプライバシーの防衛手段を講じていること、インターネットとともに成長したことを背景としてオンライン上の情報の信頼性には懐疑的な態度をとっていること、アルゴリズムに関する議論が授業の中で行われることはほとんどないこと、などが報告されています。また、これらの知見に基づいて大学教員・図書館員・大学執行部・ジャーナリストといった主要な利害関係者に対して4つの提言を行っています。

press release [PDF:2ページ](PIL,2020/1/14)
https://www.projectinfolit.org/uploads/2/7/5/4/27541717/press__release.pdf

Executive Summary [PDF:2ページ](PIL,2020/1/15)
https://www.projectinfolit.org/uploads/2/7/5/4/27541717/executivesummary.pdf

Information Literacy in the Age of Algorithms [PDF:55ページ](PIL,2020/1/15)
https://www.projectinfolit.org/uploads/2/7/5/4/27541717/algoreport.pdf

The Algorithm Study
https://www.projectinfolit.org/algo_study.html

参考:
E1124 – 米国大学生の情報リテラシーの現状と教員・図書館員等への提言
カレントアウェアネス-E No.184 2010.12.02
http://current.ndl.go.jp/e1124

プロジェクト・インフォメーションリテラシー、学生のニュースへの関わり方について調査した報告書を公開:教員・図書館員・ジャーナリストへの6つの提言(米国)
Posted 2018年10月17日
https://current.ndl.go.jp/node/36851

若者の半数はソーシャルメディアやYouTubeからニュースを入手している:米国の調査
Posted 2019年8月20日
https://current.ndl.go.jp/node/38827

CA1966 – 動向レビュー:フェイクニュースと図書館の関わり:米国における動向 / 鎌田 均
カレントアウェアネス No.342 2019年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1966