2023年10月4日、カナダの都市問題を研究する非営利団体Canadian Urban Institute(CUI)が、同国における公共図書館の役割等に関する報告書“OVERDUE: The Case for Canada’s Public Libraries”を公開したと発表しました。
報告書は、都市とコミュニティの重要な構成要素に焦点を当てるCUIの継続的な活動の一環として作成されました。従来からの図書館の役割や機能について説明されているほか、COVID-19パンデミックにおいてカナダの公共図書館がコミュニティの中でどのように機能してきたか等についてまとめ、市民の財産としての公共図書館の重要性を説いています。
また、公共図書館の未来に関する「現実的なシナリオ」と「野心的なシナリオ」を設定し、それぞれの場合における図書館への影響等についてまとめています。そして、公共政策立案者に対する推奨事項として、以下の3点を挙げています。
・図書館が誰にとっても安全でアクセスしやすく、歓迎される場所であり続けるようにするため、現在の図書館運営に関するプレッシャーを軽減する。
・図書館を重要なインフラとして扱い、政府の優先事項を実現するために図書館へ資金を提供することで地域社会の回復力を強化する。
・図書館の拡大する役割を認識した上、図書館への持続可能な投資の流れを確立する。
@CANURB(X, 2023/10/4)
https://twitter.com/CANURB/status/1709544398361436442
OVERDUE: The Case for Canada’s Public Libraries(CUI)
https://canurb.org/publications/overdue/
参考:
カナダ・カルガリー公共図書館、パンデミックを振り返るドキュメンタリー動画を公開:図書館と図書館員の経験を記録 [2023年04月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/179760
公共図書館と健康増進のためのパートナーシップ:ニーズと機会(北米)(文献紹介)
[2023年03月31日]
https://current.ndl.go.jp/car/175729
カナダの公共図書館における新型コロナウイルス感染症への対応(文献紹介) [2021年07月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/44397
E2430 – カナダの公共図書館におけるコロナ禍での取組<文献紹介> カレントアウェアネス-E No.421 2021.09.30
https://current.ndl.go.jp/e2430
E2313 – カナダの美術館・図書館・文書館・博物館がもたらす経済価値
カレントアウェアネス-E No.400 2020.10.15
https://current.ndl.go.jp/e2313