カナダ・ウェスタン大学の図書館情報学修士(MLIS)プログラムに在籍する学生らが運営する、図書館情報学分野のオープンアクセス査読誌“Emerging Library&Information Perspectives”4巻1号(2021年7月刊行)に、同大学のNelson Rosales氏による論文“Public Library Responses to COVID-19:An Investigation & Reflection of Canadian Experiences”が掲載されています。
同論文は二部構成となっており、第一部では、カナダの公共図書館が新型コロナウイルス感染症への対応として考案した取組を調査しています。公共図書館の対応を、「社会的孤立」「経済的ニーズ」「情報ニーズ」「物理的空間」という4テーマに区分けして整理しており、各館で実施された取組の具体例を紹介しています。
第二部では、これらの取組が公共図書館における将来の業務にもたらす影響を検討しています。特に、オンラインサービスと対面サービスのバランス維持、より柔軟な図書館スペースの創造、メディアリテラシー機能の強化に焦点が当てられています。
Rosales, N. Public Library Responses to COVID-19: An Investigation & Reflection of Canadian Experiences. Emerging Library & Information Perspectives. 2021, 4(1), p. 169–185.
https://doi.org/10.5206/elip.v4i1.13852
参考:
北米の都市図書館協議会(ULC)、新型コロナウイルス感染拡大下でのデジタルデバイドの問題に対処するための行動戦略を提供するブリーフィング“Digital Equity in the Age of COVID-19”を公表
Posted 2020年9月15日
https://current.ndl.go.jp/node/41999
新型コロナウイルス感染症により図書館施設に求められる変化とは(記事紹介)
Posted 2020年8月6日
https://current.ndl.go.jp/node/41682
E2284 – 各国の図書館における新型コロナウイルス感染症への対応例
カレントアウェアネス-E No.395 2020.07.30
https://current.ndl.go.jp/e2284