2023年10月25日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、米国化学会(ACS)の出版部門が新たに導入したオープンアクセス(OA)オプション“Article Development Charge”(ADC)に関する意見を表明しました。
COARは、著者最終稿(accepted manuscript)をエンバーゴなしでリポジトリに登録する権利を得るために2,500ドルを著者に請求するADCを非難する声明の高まりに賛同するとともに、他の学術コミュニティの成員にもADCの導入に対して異議を唱えるよう求めるとしています。
また、以下の理由から、ADCの導入に強く反対するとしています。
・論文の原稿は著者のものであり、その権利を保持すべきである。
・ADCの費用負担はオープンサイエンスや学術の理念、公平性に真っ向から反する。
・ACSはADCにおいて2,500ドルを請求するが、何の付加価値も提供しない。
・ACSは研究費助成機関の方針の遵守について誤った印象を与えている。
COAR’s response to the American Chemical Society’s new fee for repository deposit(COAR, 2023/10/25)
https://www.coar-repositories.org/news-updates/coars-response-to-the-american-chemical-societys-new-fee-for-repository-deposit/
米国化学会のArticle Development Charge(ADC)に関するCOARからの意見表明(COAR, 2023/10/24)
https://www.coar-repositories.org/files/Japanese-COAR-Response-to-ACS.pdf
※同意見文の日本語版[PDF:2ページ]です。
参考:
オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)とOpen Access Australasia、米国化学会(ACS)による新しいオープンアクセスオプションに関して声明を発表 [2023年10月18日]
https://current.ndl.go.jp/car/194251
米国化学会(ACS)、エンバーゴなしで論文をグリーンオープンアクセス(OA)で公開するための新オプションを導入 [2023年10月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/193997