オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)とOpen Access Australasia、米国化学会(ACS)による新しいオープンアクセスオプションに関して声明を発表

2023年10月9日、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と、オーストラリアとニュージーランドのオープンアクセス(OA)を推進する団体Open Access Australasiaが、米国化学会(ACS)の出版部門が新たに導入したOAオプションに関して声明を発表しました。

ACSは論文をエンバーゴなしでグリーンOAとして公開できる新しいオプションを導入すると発表していました。これは“Article Development Charge”(ADC)を支払うことで、著者最終稿(accepted manuscript)をCC BYライセンスで即時公開できるというものです。

CAULらの声明では、OA転換への影響やADCと購読料の二重取り、所属機関による著者間格差、価格設定等の観点から、同オプションへの懸念を表明しています。また、ACSに対して、ADCモデルの再考を促すとともに、著者の権利保持に向けた取組への支援を求めるとしています。

Council of Australian University Librarians and Open Access Australasia Statement on the American Chemical Society’s new Article Development Charges(CAUL, 2023/10/9)
https://www.caul.edu.au/news/council-australian-university-librarians-and-open-access-australasia-statement-american

CAUL OAA Statement Regarding Concerns Related to American Chemical Society ADC Model [PDF:236.27 KB]
https://www.caul.edu.au/sites/default/files/documents/media/caul_oaa_statement_regarding_concerns_related_to_american_chemical_society_adc_model.pdf

参考:
米国化学会(ACS)、エンバーゴなしで論文をグリーンオープンアクセス(OA)で公開するための新オプションを導入 [2023年10月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/193997