2023年9月21日、米国化学会(ACS)の出版部門が、エンバーゴなしで論文をグリーンオープンアクセス(OA)で公開するための新オプションを導入すると発表しました。
希望する著者は、新たに導入される“Article Development Charge”(ADC)を支払うことで、CC BYライセンスでエンバーゴなしのグリーンOAとして著者最終稿(accepted manuscript)を公開することが可能となります。Read and Publish契約の対象となっていない著者か、あるいはゴールドOA出版のための資金を得ることができない著者を想定したオプションとあります。
ゴールドOAでは、学術ジャーナル上で掲載された論文の出版社版(version of record)が公開されるのに対し、エンバーゴなしのグリーンOAでは、即時公開可能となるのはあくまで著者最終稿であるとされています。ACSによると、今回導入された新たなオプションは、ゴールドOA及び12か月のエンバーゴを伴う従来のグリーンOAの中間に位置するものとされています。
Supporting Zero-Embargo Green Open Access(ACS, 2023/9/21)
https://axial.acs.org/publishing/supporting-zero-embargo-green-open-access?utm_source=pubsw&utm_medium=web&utm_campaign=IC001_ST0001R_T001148_Axial_Feed_Pubs_Home&src=IC001_ST0001R_T001148_Axial_Feed_Pubs_Home
Zero-Embargo Green Open Access(ACS)
https://acsopenscience.org/researchers/zero-green-oa/
Article development charge (ADC) for zero-embargo green open access(ACS)
https://acsopenscience.org/researchers/oa-pricing/#adc
関連:
The American Chemical Society Offers a New Twist on the Article Processing Charge: An Interview with Sarah Tegen(The Scholarly Kitchen, 2023/10/2)
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2023/10/02/the-american-chemical-society-offers-a-new-twist-on-the-article-processing-charge-an-interview-with-sarah-tegen/
※APCの出版責任者へのインタビュー記事です。
参考:
E2564 – 米国・OSTPによる研究成果公開に関する政策方針について
カレントアウェアネス-E [No.449 2022.12.22]
https://current.ndl.go.jp/e2564