発展途上国において永続的識別子(PID)としてDOIを採用するに当たっての課題(記事紹介)

2023年9月28日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)ウェブサイトに、“Persistent Identifiers: Addressing the challenges of global adoption”と題する記事が掲載されました。

永続的識別子(PID)にDOIを採用するに当たって、特に発展途上国の研究組織に影響がある課題として、DOI登録機関に支払う会費の確保の問題と、DOIの有無と研究の信頼性が結びつけられるという問題を挙げています。後者について、発見、追跡、分析を目的とした、DOIベースの集約サービスが提供されている中で、発展途上国の研究成果の多くが、DOIが付与されていないことによりメタデータの収集対象に含まれておらず、発展途上国の研究資源の可視性が低く、信頼性が低いとみなされているとしています。その上で、研究成果の品質や完全性とDOIの有無を関連付けるべきではないと述べられています。

Persistent Identifiers: Addressing the challenges of global adoption(COAR, 2023/9/28)
https://www.coar-repositories.org/news-updates/persistent-identifiers-addressing-the-challenges-of-global-adoption/

参考:
Knowledge Exchange、永続的識別子(PID)に関する調査報告書を公開 [2023年02月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/173253

英国の永続的識別子コンソーシアムについての費用便益分析に関する報告書が公開 [2021年06月25日]
https://current.ndl.go.jp/car/44299

CA2043 – 動向レビュー:オープンサイエンスをモニタリングする機関向けダッシュボードとその提供指標:OpenAIREを例として / 池谷瑠絵
カレントアウェアネス No.356 2023年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2043