カレントアウェアネス-E
No.39 2004.07.07
E213
ALA,愛国者法恒久化法案に対する反対声明を発表
米国図書館協会(ALA)は5月26日,米国自由人権協会(ACLU)とともに,第108議会に提出されている愛国者法(Patriot Act;CA1474,E110参照)恒久化法案(S.2476)に反対する声明を発表した。愛国者法には2005年末で失効する条項が含まれているが,今回の法案はその時限規定を撤廃しようとするもの。該当する条項には,米連邦捜査局(FBI)はテロ捜査のため業務記録の提出を求めることができる,とする規定が含まれており,これによって図書館の利用記録なども捜査対象となり得るとしてALAはこれまでも反対をしてきた。
また,同議会にはFBIの権限を強化する法案(HR.3179)も提出されており,ALAはこれにも反対を表明している。愛国者法では,裁判所命令の必要ない召喚状(National Security Letters)によってFBIの捜査を受けた者はその事実を口外してはならないと規定してあるが,今回の法案はこの口外禁止規定に違反した場合5年以下の懲役を課すことができるよう刑法等を改正しようとするもの。
こうした状況を受けて,ALAは6月28日,愛国者法のもとで図書館の記録がどのように収集されたか,この秋にも調査を実施すると発表している。
Ref:
http://www.ala.org/ala/pr2004/may2004/SenKylBillPatriotAct.htm
http://www.ala.org/ala/pr2004/may2004/BillHR3179.htm
http://www.ala.org/ala/pr2004/PATRIOTSTUDY.htm
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/214/21401.pdf
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/215/21501.pdf
CA1474
E110