大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、論文公表実態調査(2021年度)の結果を公開

2022年3月29日、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)は、2021年度にSPARC Japan運営委員会と共同で実施した論文公表実態調査の調査結果を公開したことを発表しました。

調査は、Web of Science(WoS)から抽出した、日本の機関に所属する著者が2012年から2020年に発表した論文のデータと、各出版社の価格表やDOAJ(Directory of Open Access Journals)のデータを参照して作成したAPC価格リスト等を用いて、日本の研究機関に所属する研究者の公表論文数・オープンアクセス(OA)率・論文処理費用(APC)支払推定額等を調査したものです。

公表された報告書では調査結果として、公表論文数・OA論文数・APC支払推定額の出版社別・雑誌別・著者所属機関別・主題別の集計結果などが示されています。なお、2021年度調査では、図表の見直しを行うとともに、図表データを公開することで会員館限定版と公開版の区別を廃止した、とあります。

調査課題と今後の計画として、APC不明タイトルを減らすこと、一律2,000ユーロに設定しているAPC不明タイトルの適正な価格を検討することが挙げられています。また、本調査は2022年度以降も継続して実施予定であることや、各会員館が財務会計システムを基にして行うAPC支出額の実態調査と本調査との比較を通じ、フィードバックを得るための仕組みづくりを検討することも記載されています。

2021年度に実施した論文公表実態調査の結果を公開しました。(JUSTICE, 2022/3/29)
https://contents.nii.ac.jp/justice/news/20220329

論文公表実態調査報告:2021年度 [PDF:804.52 KB]
https://contents.nii.ac.jp/sites/default/files/justice/2022-03/2021_ronbunchosa_0.pdf

参考:
大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、論文公表実態調査(2019年度)の結果を公開
Posted 2020年3月4日
https://current.ndl.go.jp/node/40394

名古屋大学附属図書館、論文のオープンアクセス掲載料(APC)・ハゲタカジャーナルに関する調査報告書を公開:同大学の教員・大学院学生を対象とした調査
Posted 2022年1月25日
https://current.ndl.go.jp/node/45533

E1579 -日本におけるOAジャーナル投稿とAPC支払いをめぐる調査
カレントアウェアネス-E No.262 2014.07.10
https://current.ndl.go.jp/e1579

CA2013 – 論文公開手段としてのオープンアクセスジャーナルの有効性 / 浅井澄子
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2013