大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、論文公表実態調査(2019年度)の結果を公開

2020年2月28日、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)は、2019年度にSPARC Japan運営委員会と共同で実施した論文公表実態調査の調査結果を公開したことを発表しました。

調査は、Web of Science(WoS)から抽出した、日本の機関に所属する著者が2012年から2017年に発表した論文のデータと、各出版社の価格表やDOAJ(Directory of Open Access Journals)のデータを参照して作成したAPC価格リスト等を用いて、日本の研究機関に所属する研究者の公表論文数・オープンアクセス(OA)率・論文処理費用(APC)支払推定額等を調査したものです。

公表された報告書では調査結果として、公表論文数・OA論文数・APC支払推定額の出版社別・雑誌別・著者所属機関別の集計結果などが示されています。なお、2019年度調査ではゴールドOAの種類を細分化したため、APCが支払われないブロンズOA論文をAPC支払推定額から除外し、よし実際に近い推計が可能になった、としています。

調査課題と今後の計画として、APC不明タイトルを減らすこと、一律2,000ユーロに設定しているAPC不明タイトルの適正な価格を検討すること、データの収集・分析方法の簡易化・定型化、データの活用方法の提示などが挙げられています。また、同調査は2020年度も継続して実施予定であること、各会員館で実施されている会計システムを基にした APCの実態調査との比較による同調査へのフィードバックを検討していることなども併せて表明されています。

JUSTICE会員館には、会員館専用ページでより詳細な報告書と詳細データが提供されています。

論文公表実態調査(2019年度)の結果を公開しました(JUSTICE,2020/2/28)
https://www.nii.ac.jp/content/justice/news/2020/20200228.html

論文公表実態調査報告2019年度(公開版) [PDF:17ページ] (JUSTICE)
https://www.nii.ac.jp/content/justice/documents/2019_ronbunchosa.pdf

参考:
大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、2018年度に実施した論文公表実態調査の結果を公開
Posted 2019年5月17日
https://current.ndl.go.jp/node/38178

E1579 -日本におけるOAジャーナル投稿とAPC支払いをめぐる調査
カレントアウェアネス-E No.262 2014.07.10
https://current.ndl.go.jp/e1579

E2227 – SPARC Japanセミナー2019特別編<報告>
カレントアウェアネス-E No.385 2020.02.13
https://current.ndl.go.jp/e2227