2023年6月8日、米・バイデン-ハリス政権が、LGBTQI+コミュニティを守るための新たな行動を発表しました。
LGBTQI+の人の権利を啓発するためのプライド月間(毎年6月)に合わせて発表されたものです。米国では12を超える州が反LGBTQI+法を制定したとし、同政権はこうした攻撃に直面するLGBTQI+コミュニティと共に立ち向かうとして、以下の3点に関して新たな行動を提示しています。
・権利と安全への攻撃からLGBTQI+コミュニティを保護する
・LGBTQI+の子どもが健やかに成長できるよう支援する
・LGBTQI+の米国人を、その権利を脅かす禁書から守る
禁書に関しては、2022年には過去20年で最も禁書が実施されたことを挙げ、禁書は民主主義を脅かし、子どもの学習に不可欠な資料を排除し、LGBTQI+やその他のコミュニティが直面するスティグマや孤立を助長する可能性があると述べられています。こうした事態への対応として、教育省公民権局が新たなコーディネーターを任命するとあります。コーディネーターは、特定のコミュニティを対象として敵対的な学校環境を作り出す禁書がいかに連邦公民権法に違反しうるかについて、全国の学校向けに新しい研修を提供する予定であるとしています。
FACT SHEET:Biden-Harris Administration Announces New Actions to Protect LGBTQI+ Communities(The White House, 2023/6/8)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2023/06/08/fact-sheetbiden-harris-administration-announces-new-actions-to-protect-lgbtqi-communities/
参考:
米・EveryLibrary、2023年の懸念される法律等をまとめたページを公開 [2023年06月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/182735
米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2023年版)及び「2022年に最も批判を受けた図書」を公表 [2023年04月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/180922
PEN America、2022年後半の米国の学校における禁書に関するレポートを公開 [2023年04月21日]
https://current.ndl.go.jp/car/180661
PEN America、米国の学校における禁書に関する調査レポートとリストを公開 [2022年04月18日]
https://current.ndl.go.jp/car/46003
米国図書館協会(ALA)、2022年の検閲に関するデータを公表:検閲の要求は2021年の2倍近くに上る1,269件でALAの集計開始以来最多 [2023年04月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/179754
米国の学校図書館で静かに本が撤去されている(記事紹介) [2022年04月05日]
https://current.ndl.go.jp/car/45936
CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029