2023年3月22日、米国図書館協会(ALA)が、2022年の検閲に関するデータを公表しました。
2022年に図書館資料に関する検閲の要求が1,269件あったとし、これはALAが20年以上前に検閲に関するデータの集計を開始して以来最多であり、また2021年に報告された729件のほぼ2倍に匹敵するとしています。2,571タイトルが検閲の対象とされ、これは2021年の1,858タイトルから38%増加しているとあります。対象となったタイトルの大部分はLGBTQIA+や有色人種の人によって書かれたもの、あるいはこれらの人たちについて書かれたものでした。
報告された申し立て件数のうち58%が学校図書館や学級図書等の資料を、41%が公共図書館の資料を対象としていたとあります。また、90%が複数タイトルの検閲を要求していたと報告されています。
American Library Association reports record number of demands to censor library books and materials in 2022(ALA, 2023/3/22)
https://www.ala.org/news/press-releases/2023/03/record-book-bans-2022
参考:
米国図書館協会(ALA)、2022年の禁書に関する暫定データを公開:2022年の禁書の申し立て件数は2021年を上回る見通し [2022年09月22日]
https://current.ndl.go.jp/car/46873
米国図書館協会(ALA)、米国の学校や図書館における書籍の検閲の実施に反対する声明を発表 [2021年12月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/45270
CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029