米国図書館協会(ALA)、米国の学校や図書館における書籍の検閲の実施に反対する声明を発表

2021年11月29日、米国図書館協会(ALA)が、米国の学校や図書館における書籍の検閲の実施に反対する声明を発表しました。

声明の中では、ここ数か月の間に、周縁化された人々に関する書籍を図書館に置くべきではないという意見の下、LGBTQIA+に関する資料や、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)についての書籍の検閲を要求する活動を行っている団体があることを指摘しています。こういった、検閲・信念の強制・言論の抑圧等を、ALAは非難するという姿勢が示されています。

自由な意見交換は自由で民主的な社会の維持のために不可欠であり、ALAは、米国憲法修正第1条で保障されている言論・出版・読書の自由を擁護し守るとあります。また、図書館は、幅広い観点・意見・アイデアをアクセス可能とし、内容や著者の視点によらず自由に情報やアイデアに触れ、検討する機会を持てるようにしていること等が述べられています。

The American Library Association opposes widespread efforts to censor books in U.S. schools and libraries(ALA, 2021/11/29)
https://www.ala.org/news/press-releases/2021/11/american-library-association-opposes-widespread-efforts-censor-books-us

参考:
米国図書館協会(ALA)、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)、抗議デモへの参加者・ジャーナリストへの警察の暴力を非難する声明を発表
Posted 2020年6月12日
https://current.ndl.go.jp/node/41205

米国図書館協会(ALA)黒人コーカス、「黒人及び有色人種への暴力と差別の増大に対する非難声明」を発表
Posted 2020年6月3日
https://current.ndl.go.jp/node/41124

米国学校図書館員協会(AASL)、検閲やLGBTQ+資料に関する問題に対処する学校図書館員を支援するためのガイドを公開
Posted 2018年7月20日
https://current.ndl.go.jp/node/36362

CA2007 – 動向レビュー:図書館を内側から問いなおす―米国社会とライブラリアンシップのゆくえ― / 吉家あかね
カレントアウェアネス No.349 2021年09月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2007