PEN America、米国の学校における禁書に関する調査レポートとリストを公開

2022年4月7日、米国の非営利団体であるPEN Americaが、米国の学校における禁書に関する調査レポート“Banned in the USA: Rising School Book Bans Threaten Free Expression and Students’ First Amendment Rights”と禁書のリストを公開したと発表しました。

発表の中では、主な結果として、以下をはじめとした内容が挙げられています。

・リストには、2021年7月1日から2022年3月31日にかけて、26州の86学区で行われた禁書1,586件がまとめられている。

・禁書の対象となった図書は、1,145タイトルであった。

・最も禁書の事例が多かったのはテキサス州で713件、そしてペンシルバニア州の456件、フロリダ州の204件が続く。

・ほとんどの禁書や制限が正式な文書や審査委員会、透明性なく実施された。

・対象図書の41%は有色人種の主人公や準主人公が登場する作品、22%が人種問題や人種差別を直接扱っている作品、33%がLGBTQ+のテーマを明示的に扱っている又はLGBTQ+の主人公や準主人公が登場する作品であった。大部分がフィクション作品であり、ノンフィクション作品や歴史書、分析的・個人的エッセイ等が28%含まれていた。

REPORT: 1,586 SCHOOL BOOK BANS AND RESTRICTIONS IN 86 SCHOOL DISTRICTS ACROSS 26 STATES(PEN America, 2022/4/7)
https://pen.org/press-release/report-1586-school-book-bans-and-restrictions-in-86-school-districts-across-26-states/

Banned in the USA: Rising School Book Bans Threaten Free Expression and Students’ First Amendment Rights(PEN America)
https://pen.org/banned-in-the-usa/

参考:
米国の学校図書館で静かに本が撤去されている(記事紹介)
Posted 2022年4月5日
https://current.ndl.go.jp/node/45936

米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2022年版)および「2021年に最も批判を受けた図書」を公表
Posted 2022年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/45973