PEN America、米国の公立学校における2022-2023年の禁書の動向に関する報告書を公開

2023年9月21日、表現の自由の保護等に取り組む米国の非営利団体PEN Americaが、米国の公立学校における2022-2023年の禁書の動向に関する報告書“Banned in the USA: The Mounting Pressure to Censor”を公開しました。

報告書によると、2022年7月から2023年6月の間に、全米の公立学校において3,362件の禁書事例があり、1,557タイトルが撤去されました。

主な調査結果は次のとおりです。

・2022-2023年の禁書件数は、2021-2022年から33%増加している。
・フロリダ州での禁書は1,406件で、全体の40%以上に相当する。
・禁書の対象となった本の多くは、人種や人種差別に関するもの、有色人種や LGBTQ+の人が登場するもの、暴力や身体的虐待に関するものであった。
・禁書の63%は、直接的あるいは間接的に禁書を促進する法律が制定されている8つの州で発生している。

NEW REPORT: BOOK BANS SPIKE BY 33% OVER LAST SCHOOL YEAR(PEN America, 2023/9/21)
https://pen.org/press-release/new-report-book-bans-spike-by-33-over-last-school-year/

Banned in the USA: The Mounting Pressure to Censor
https://pen.org/report/book-bans-pressure-to-censor/

参考:
米・EveryLibrary、2023年の懸念される法律等をまとめたページを公開 [2023年06月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/182735

PEN America、2022年後半の米国の学校における禁書に関するレポートを公開 [2023年04月21日]
https://current.ndl.go.jp/car/180661

CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029