2024年11月1日、表現の自由の保護等に取り組む米国の非営利団体PEN Americaが、米国の公立学校における2023-2024年の禁書の動向に関する報告書“Banned in the USA: Beyond the Shelves”を公開しました。2021-2022年、2022-2023年に次ぐ、3回目の報告書です。
報告書によると、2023年7月から2024年6月の間に、全米の公立学校において1万46件の禁書事例があり、4,231タイトルが撤去されました。いずれもPEN Americaが調査を開始して以降、最多となっています。
報告書では、過去2回の調査結果との比較、州別の動向、禁書となった本のタイトルや内容等がまとめられています。また、新たな傾向として、検閲を恐れる教育者、図書館員、教育委員会等が自己検閲する「ソフト検閲」(soft censorship)についても触れられています。
Banned in the USA: Beyond the Shelves(PEN America, 2024/11/1)
https://pen.org/report/beyond-the-shelves/
参考:
PEN America、米国の公立学校における2023-2024年の禁書の動向に関する調査の暫定結果を公開 [2024年09月30日]
https://current.ndl.go.jp/car/226140
PEN America、米国の公立学校における禁書の状況に関する報告書を公開 [2024年05月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/220473
PEN America、2021年から2023年の2年間の禁書に関するデータのまとめを公開 [2023年12月21日]
https://current.ndl.go.jp/car/202754
PEN America、米国の公立学校における2022-2023年の禁書の動向に関する報告書を公開[2023年10月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/193563
CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029