2022年11月24日、国際博物館会議（ICOM）が、ウクライナにおいて危機的状況にある文化遺産をまとめたリスト“Emergency Red List of Cultural Objects at Risk – Ukraine”を公開したと発表しました。
53件の文化遺産が、考古学、書籍や手稿、貨幣、宗教芸術、応用芸術等の7つのカテゴリーに分けて示されています。発表の中では、ロシアの侵攻により増えたウクライナの文化遺産の不正取引に対処する上で適切なタイミングでのリストの公開であり、今後流通が予測される盗品・の特定に効果的なツールとなることを期待していると述べています。
ICOM launches the Emergency Red List of Cultural Objects at Risk – Ukraine（ICOM, 2022/11/24）
https://icom.museum/en/news/launch-icom-red-list-ukraine/
Emergency Red List – Ukraine [PDF：8ページ]
https://icom.museum/wp-content/uploads/2022/11/Emergency-Red-List-Ukraine-%E2%80%93-English.pdf
参考：
国際連合（UN）によるウクライナの文化財の被害状況の追跡調査：衛星によるビフォー・アフター画像を利用（記事紹介） 2022-11-02
https://current.ndl.go.jp/car/47104
ロシアによるミサイル攻撃によって被害を受けたウクライナ・キーウの文化施設（記事紹介） 2022-10-14
https://current.ndl.go.jp/node/46991
ユネスコ、ウクライナで150を超える文化財が一部または全部破壊されたと発表 2022-06-30
https://current.ndl.go.jp/node/46416
ウクライナの文化遺産保護のための動き（記事紹介） 2022-03-10
https://current.ndl.go.jp/node/45759
ウクライナの文化遺産関係機関のオンライン上のデータを保存するプロジェクトが実施中 2022-03-08
https://current.ndl.go.jp/node/45738
ロシアによるウクライナへの侵攻に対する、国立図書館・文書館・博物館および関係機関等の声明 2022-03-01
https://current.ndl.go.jp/node/45704
E2483 – ロシアによるウクライナ侵攻に関連する図書館・博物館の状況
カレントアウェアネス-E No.433 2022.04.21
https://current.ndl.go.jp/e2483
国際博物館会議（ICOM）、シリアの危機的状況にある文化財リストを作成へ 2012-10-19
https://current.ndl.go.jp/car/22118
国際博物館会議（ICOM）、「失われる危険のあるエジプト文化遺産リスト」を発表 2012-02-10
https://current.ndl.go.jp/car/20143
