2023年2月27日付で、国際図書館連盟(IFLA)が、文化財の盗難や不正取引に関する国際博物館会議(ICOM)との協力に関する記事を掲載しました。ICOMによるブラジルの危機にある文化財リストの公開やその公開イベント等について述べられています。
ICOMによる危機にある文化財リスト(レッドリスト)は、専門家ではない人が特定の国や地域内で特に盗難や不正取引の被害に遭いやすいとされる物品を特定するための実用的なツールです。記事では、2月14日にICOMのブラジル委員会(National Committee for Brazil)が公開した「ブラジルのレッドリスト」について、その作成経緯や、ブラジル国立図書館による文化財保護の実践について紹介されています。
また、レッドリスト公開にあたって開催されたワークショップにおいては、IFLAが文書遺産保護の課題について説明したとあります。可動文化財を識別するための規格であるObjectIDの課題を指摘したほか、図書館における出版物の盗難に関する問題についても言及したとあります。記事では、盗難や不正取引に対して図書館専門職員ができること等についても述べられています。
Partnerships to Counter Theft and Trafficking: IFLA Joins ICOM at launch of new Red List(IFLA, 2023/2/27)
https://www.ifla.org/news/partnerships-to-counter-theft-and-trafficking-ifla-joins-icom-at-launch-of-new-red-list/
関連:
Red Lists Database(ICOM)
https://icom.museum/en/resources/red-lists/
Theft and Trafficking of Documentary Heritage: Key considerations and challenges [PDF:23ページ]
https://repository.ifla.org/handle/123456789/2535
参考:
国際博物館会議(ICOM)、ウクライナの危機的状況にある文化遺産のリストを発表
[2022年11月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/167129
IFLA、ICA、ICOM等の国際機関が文化遺産のデジタル化に関する共有ビジョンを発表 [2013年02月01日]
https://current.ndl.go.jp/car/22832