2025年6月20日付けで、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する査読誌“IFLA Journal”に、アフリカにおけるオープンアクセス(OA)出版に関する記事“Open access publishing in an African context: Notable improvements and recurring challenges”が掲載されました。著者は、カナダ・ウェスタン大学のSodiq Onaolapo氏等です。
アフリカの研究者によるOA出版への取組状況を把握し、またOA出版の障壁となる要因を特定するため、ナイジェリア、ケニア、南アフリカの大学に所属する研究者241人を対象に実施したアンケート調査の結果が報告されています。回答者の半数以上(55.6%)がOA出版の経験があり、アフリカの研究者の間でOAによる出版が拡大していると述べられています。そのほか、OAジャーナル、論文掲載料(APC)に対する研究者の認識等についても紹介されています。また、調査結果に基づき、アフリカやグローバルサウスにおけるOAの普及促進に向けた五つの提言が示されています。
Onaolapo, S.; Ayeni, P.; Mncube, S. Open access publishing in an African context: Notable improvements and recurring challenges. IFLA Journal. 2025.
https://doi.org/10.1177/03400352251351113
参考:
北アフリカにおけるオープンアクセスジャーナルの質の向上に向けて:今後の道筋(記事紹介) [2025年06月16日]
https://current.ndl.go.jp/car/254170
DOAJのデータに見る中東・北アフリカ(MENA)地域におけるダイヤモンドオープンアクセスジャーナル(記事紹介) [2025年05月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/252847
F1000、Open Research Africaの投稿資格をアフリカに拠点を置く全ての著者に拡大 [2025年04月23日]
https://current.ndl.go.jp/car/251938
EIFL、アフリカにおけるダイヤモンドオープンアクセスジャーナルの現状に関する報告書を公開 [2024年08月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/223593
坂本拓. 動向レビュー:アフリカにおけるオープンアクセス・オープンサイエンスの現在. カレントアウェアネス. 2025, (364), CA2086, p. 22-26.
https://current.ndl.go.jp/ca2086