カレントアウェアネス-E
No.76 2006.02.01
E440
2005年の韓国図書館界の10大ニュース
2005年12月23日,韓国図書館協会(KLA)のウェブサイトで,インターネットで行ったアンケート結果を元にした2005年の韓国図書館界の10大ニュース(順不同)が発表された。
- (1) 図書館法全面改正の推進(E376,CA1578参照)
- (2) 2006年IFLAソウル大会の準備,本格始動
- (3) 図書館における個人情報・人権保護措置の勧告(E357参照)
- (4) 文献情報学界による国会図書館長専門職任命要求
- (5) 大学図書館による著作権法改正のための嘆願書提出(E393参照)
- (6) 2006年に司書教師154名を採用することが確定
- (7) 子ども図書館に対する社会的関心の高まり
- (8) 週40時間勤務制実施に伴う公共図書館休館日問題(E251参照)
- (9) 読書文化の普及,読書関連の法制化(E387,E429,CA1578参照)
- (10) Google等の図書館蔵書デジタル化事業(CA1564参照)に関心集まる
ここで選ばれているニュースの特徴として,図書館を取り巻く社会的な諸問題に対し,図書館界・図書館員が積極的にアプローチしていったものが多いことが挙げられる。(1),(5),(9)ではいずれも,法制化のプロセスにおいて図書館界から積極的に意見を表明している。(6)では,政府が当初司書教師は新規採用しないとしていた件に対し,図書館員たちが教員の労働組合等と協同して繰り返し要望やデモを行った結果,採用が認められた。また(7)に関連して,ソウル市立子ども図書館の別館として使用していた建物を警察庁が接収し,警官のための託児所に変えようとした事件が発生した。これも,KLAによる円満解決を要望する声明,利用者の要望やデモなどが功を奏し,別館は継続運営される見通しとなっている。
このような2005年の成果を引き継ぎつつ,2006年の韓国図書館界はIFLA大会の成功,現在審議中の各法改正への対応など,さらに大きな課題に取り組んでいくことになる。
Ref:
http://www.korla.or.kr/community/library/view.asp?pkid=372&BBSCode=N0013
E376
CA1578
E357
E393
E251
E387
E429
CA1564