カレントアウェアネス-E
No.78 2006.03.08
E457
韓国国立中央図書館,ウェブアーカイブプロジェクト”OASIS”を公開
韓国国立中央図書館は2月13日,ウェブ上のデジタル資源を収集・保存・提供するプロジェクト”OASIS”(Online Archiving & Searching Internet Sources)のウェブサイトを一般公開した。
OASISは,デジタル知的文化遺産の蓄積・活用とともに,それらを後世に継承することを目的として,2004年1月から推進されてきたプロジェクトである。韓国人が作成したウェブサイトやウェブ上の文書の中から,著作者の知名度,有用性,新しさ,希少性,話題性などの基準で収集対象を決定し,著作権処理を行った上でコンテンツの収集・提供を行っている。政府や大学が作成したコンテンツや会議資料,電子ジャーナルなどが優先的に収集されることになっており,マスメディアのサイトや掲示板は対象外である。
OASISのウェブサイトでは,収集したコンテンツの検索・閲覧,主題別のブラウジングが行えるほか,無料の利用者登録を行えば著作権管理情報の閲覧・照会,コンテンツの寄贈・推薦も可能である。現在の許諾を取っての収集・提供に加え,多様なインセンティブを設け寄贈による収集・提供を増やすことも検討されている。
また,国立中央図書館の隣では,2005年12月から国立デジタル図書館の建設工事が始まっている。国立デジタル図書館は2008年に開館予定であり,そのコンテンツ拡充戦略の重要な位置はOASISが担う予定である。これを見据えて,国立中央図書館は「図書館および読書振興法」(E376,CA1578参照)の改正作業において,オンラインデジタル資源の納本を制度化するよう推進している。
Ref:
http://www.oasis.go.kr/
http://www.nl.go.kr/notice/board_info/view.php?bbs=BOARD_INFO&no=380
http://www.mct.go.kr/open_content/administrative/news
E376
CA1578