カレントアウェアネス-E
No.68 2005.10.19
E393
韓国の著作権法改正の動向
韓国では1月,実演者および音盤製作者にも伝送権を与える改正著作権法が施行されたところであるが,インターネット等の技術環境の変化に対応すべく,時を置かず再度の改正作業が進められている。
現在,国会の文化観光委員会には,3件の改正案が係留されている。(1)著作権侵害を,名誉毀損などの場合を除き非親告罪とする改正案(2004年9月4日発議),(2)著作権を侵害して作られた複製物を,その事実を知りながら複製する場合には,私的使用のための複製と見なさず許諾を必要とする改正案(2004年12月27日発議),(3)インターネット時代に適応し,著作物の保護と公正な利用を図るための全部改正案(2005年6月13日発議)である。
このうち6月13日案では,公衆送信権の明確化,実演者への著作者人格権の付与,外国人実演者・音盤製作者への補償金支給といった保護規定とともに,授業のために著作物の一部を送信することを認める,著作権審議調停委員会を著作権委員会に改称し公正利用・著作権教育を推進するなどの措置も盛り込まれている。なお,この案には当初,図書貸与権および排他的利用権の導入や非親告罪化も盛り込まれていたが,さらなる議論が必要であるとして,いずれも見送られている。
またこのような法改正の動きの一方で,9月29日,文化観光部は現行の著作権法施行令,施行規則の改正案をまとめ,立法予告として一般に公開し意見募集を行っている。この中には,インターネット上での不法複製物のサービス中止手続きの緩和,著作権者不明の場合の法定許諾手続きの緩和などが盛り込まれている。
Ref:
http://search.assembly.go.kr:8080/bill/billview.jsp?billid=028465
http://search.assembly.go.kr:8080/bill/billview.jsp?billid=029645
http://search.assembly.go.kr:8080/bill/billview.jsp?billid=030933
http://www.korla.or.kr/spboard/board.cgi?id=library_info&action=view&gul=3404
http://www.korla.or.kr/spboard/board.cgi?id=library_info&action=view&gul=3428
http://www.mct.go.kr/korea/office/notify/notify_view.jsp?menu=111&viewFlag=read&oid=@62333%7c1%7c2
http://www.mct.go.kr/korea/office/notify/notify_view.jsp?menu=111&viewFlag=read&oid=@62332%7c2%7c2