日本学術会議、提言「第6期科学技術基本計画に向けての提言」を公表

2019年11月6日、日本学術会議は、同会議の科学者委員会学術体制分科会による2019年10月31日付の提言「第6期科学技術基本計画に向けての提言」の公表を発表しました。

この提言は、2019年4月から内閣府の総合科学技術・イノベーション会議で、2021年から5年間の科学技術政策の基本として策定の準備が進められている「第6期科学技術基本計画」について、学術の立場からあるべき計画に向けた提言を行ったものです。

提言の中では、日本の現状・問題点として、大学等の教育研究機関において、研究者各自の内発的関心に基づき、長期的視野から腰を据えて基礎研究に取り組む環境が急速に失われ、学術の裾野を形成する研究者の活動が弱体化していること等の危機的な状況を挙げています。こうした状況を改善し、日本の学術が今後も持続的な発展を遂げ期待される役割を果たし続けるためには、基礎研究の蓄積とそれを可能にする継続的な投資、学術の多様性・総合性の確保・形成、バランスのとれた基盤的研究資金と競争的研究資金の配分の3点が特に重要であることを指摘しています。

提言の特に重要な点としては以下の4点を挙げています。
・次世代を担う博士課程学生への経済的支援の抜本的拡充、キャリアパスの多様化
・学術の多様性に資する公的研究資金制度全体のグランドデザインの再構築
・科学者コミュニティにおける多様性の実現
・科学技術政策への科学者コミュニティの参加」

また、提言の全文内では、研究を支える基盤の1つとして図書館にも言及されています。国際的なオープンサイエンスの流れとデジタル化を加速するため、研究を支える学術情報・データのデジタル基盤構築が提言され、実現すべき基盤的要素として、情報ネットワークや研究データ・資料データベースの管理・拡充、電子ジャーナルや電子書籍の利用料負担軽減、論文投稿料への支援などが挙げられています。特に電子ジャーナルの経費については、各大学の予算全体を圧迫していることから、ナショナルライセンス導入等の国としての早急な対策を求めています。

@scj_info(Twitter,2019/11/6)
https://twitter.com/scj_info/status/1191968215557189640

提言「第6期科学技術基本計画に向けての提言」ポイント(日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t283-1-abstract.html

提言「第6期科学技術基本計画に向けての提言」 [PDF:32ページ](日本学術会議,2019/10/31)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t283-1.pdf

関連:
総合科学技術・イノベーション会議(第43回)議事次第(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui043/haihu-043.html

第43回総合科学技術・イノベーション会議 議事要旨 [PDF:7ページ](内閣府,2019/4/18)
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/giji/giji-si043.pdf

参考:
文部科学省、「文部科学省における第5期科学技術基本計画の進捗状況の把握と分析結果について(中間とりまとめ)」をウェブサイトで公開
Posted 2018年11月6日
https://current.ndl.go.jp/node/36976

第5期科学技術基本計画が閣議決定される
Posted 2016年1月25日
https://current.ndl.go.jp/node/30521

E1092 – 日本学術会議による提言「学術誌問題の解決に向けて」
カレントアウェアネス-E No.178 2010.09.02
https://current.ndl.go.jp/e1092

日本学術会議、「オープンイノベーションに資するオープンサイエンスのあり方に関する提言」を公開
Posted 2016年7月7日
https://current.ndl.go.jp/node/32020