米国著作権局、人工知能(AI)に関する新たなイニシアチブを開始:AIを用いて作成された作品の著作権等

2023年3月16日、米国著作権局が、人工知能(AI)に関する新たなイニシアチブを開始したと発表しました。

AIを用いて作成された作品や、AIの学習における著作権保護対象の作品の使用等、AI技術の進歩と個人・企業による利用の急速な拡大により提起された、著作権法と政策上の問題についての調査を行うとしています。

また、発表の中で、米国著作権局が新たに公開したガイダンスも紹介しており、著作権の申請を行う人は、AIにより生成されたコンテンツの有無を明示する義務があることを示していると述べています。また、同ガイダンスでは、AIが人間からプロンプトのみを受け取り出力された文章・視聴覚作品等、作品のオーサーシップの伝統的要素が機械によって生み出された場合は著作権保護対象にはならないこと等が示されています。

発表によると、AIの使用に関連する著作権上の課題に関するパブリックコメントの募集を、2023年後半に実施する予定であると述べられています。

Copyright Office Launches New Artificial Intelligence Initiative(U.S. Copyright Office, 2023/3/16)
https://www.copyright.gov/newsnet/2023/1004.html

Copyright Registration Guidance: Works Containing Material Generated by Artificial Intelligence(Federal Refister, 2023/3/16)
https://www.federalregister.gov/documents/2023/03/16/2023-05321/copyright-registration-guidance-works-containing-material-generated-by-artificial-intelligence

参考:
米国科学アカデミー(NAS)、PNAS誌におけるジェネレーティブAIに関するポリシーを発表 [2023年03月06日]
https://current.ndl.go.jp/car/173649

米国物理学協会の出版部門(AIP Publishing)、AIを用いた大規模言語モデルの使用に関するガイダンスを発表 [2023年03月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/173487

aylor & Francis、論文執筆におけるAIツールの使用に関する見解を公開 [2023年02月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/172885

arXiv、ChatGPTをはじめとした文章自動生成ツールに関する新たなポリシーを策定 [2023年02月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/171902

チャットボットChatGPTが共著者として記載された研究論文(記事紹介)[2023年01月25日]
https://current.ndl.go.jp/car/171366