CA2065 – 動向レビュー:欧米における図書館出版のいま / 設樂成実

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カレントアウェアネス
No.360 2024年6月20日

 

CA2065
動向レビュー

 

欧米における図書館出版のいま

京都大学東南アジア地域研究研究所:設樂成実(したらなるみ)

 

1. はじめに

 近年、ダイヤモンドオープンアクセス(OA)に関する話題が増えている。ダイヤモンドOAとは、「ジャーナルやプラットフォームが著者にも読者にも料金を請求しない学術出版モデル」(1)であり購読料やゴールドOAによる論文掲載料(APC)の高騰等が問題化するなか注目されている。2022年にはScience Europeにより“Action Plan for Diamond Open Access”(2)が発表され、2023年には初の“Global Summit on Diamond Open Access”(3)がメキシコで開催された。日本でもダイヤモンドOAに関する資料の翻訳の公開やセミナーの開催が相次いでいる(4)

 ダイヤモンドOA出版の担い手の一つに図書館出版がある。図書館出版とは、図書館による出版活動を指す。図書館出版を推進する大学図書館によるイニシアチブであるLibrary Publishing Coalitionでは「学術的、創造的、及び/または教育的著作物の制作、普及、収集・整理を支援するために、学術・研究図書館及び図書館コンソーシアムが主導する一連の活動」と定義される(5)。ここ数年の間に翻訳出版された『学術コミュニケーション入門』(6)『オックスフォード出版の事典』(7)のいずれにもその説明があるように、欧米では図書館出版は学術情報流通の一角を担っている。国際図書館連盟(IFLA)には図書館出版の活動に関するグループ(8)が置かれ、Library Publishing Coalitionの活動も活発である。図書館出版に関する論考や報告書も多く刊行されている(9)。他方、日本では機関リポジトリでの学位論文や紀要の公開等すでに図書館出版の取組が一部行われてはいるものの、『図書館情報学用語辞典』(10)や『図書館情報学事典』(11)にその項目が無いことからも現時点では図書館出版という概念が浸透していないといってよいだろう(12)。しかし、今後日本でもダイヤモンドOAの文脈において図書館出版に関する議論が高まる可能性がある。そこで本稿ではそうした議論の参考として欧米における図書館出版の動向を概観したい。なお、本稿では大学図書館による図書館出版を対象に、ジャーナルと書籍に関する出版サービスを中心に見ていくこととする。

 

2. 多様な図書館出版

 ホルツマンとリッピンコットによると現代の図書館出版の起源は2000年代初めで、そのころには機関リポジトリが「教員のプレプリントと並んで、灰色文献、電子学位論文(ETDs)、その他の独創研究を公表する実験」に使い始められていた(13)。その後、シリアルズクライシスに悩む当事者としてジャーナルのOA出版に積極的に取り組んできたことはよく知られるところであるが、近年その取組は書籍のOA出版にも広がっている。学術出版の商業化を背景に出版が敬遠されがちな分野やテーマ、言語が生まれるなか、それらの受け皿ともなってきた(14)点は特筆すべきであろう。

 図書館出版として提供されるサービスは、機関リポジトリでのホスティングから、出版のためのインフラの提供、編集や広報の支援、大学出版部によるデジタル出版の支援まで幅広い。図書館出版のモデルも実施館の使命や規模(予算や人員)に応じて多様であるが、ここではアンダーソン(15)をもとに三つのモデルに分け、ジャーナルと書籍の出版に焦点を当てそれぞれの事例を紹介する。

 

2.1 図書館が出版社となる出版

 一つ目は図書館が出版社となるモデルである。多くの場合、図書館はオンライン出版プラットフォームの提供、デジタル版の公開や保存、識別子やメタデータの作成等の技術面でのサポート、著作権やライセンスに関する指導等を行い、査読の管理や編集業務を行う場合もある。すでに多くの図書館がOAジャーナルの出版に取り組んでいるが、近年はOA書籍の出版に取り組む館も増えている。

・ミネソタ大学図書館
 Publishing Services Teamが置かれ、ジャーナル、書籍、会議録、教科書等の出版に関する相談を受け付け、University of Minnesota Libraries Publishingというインプリントのもと出版を行っている(16)。基本サービスは、デジタル出版物の発見性や利用の向上に向けた技術インフラと長期保存であり、ホスティング、査読やコンテンツの管理システムの提供、知的財産権に関する助言、バックファイルのアップロード、識別子(ISSN、DOI)の登録・管理、利用統計レポート、デジタル保存、検索エンジン最適化、インデックスまたはデータベースへの収録、著者または編集者のサポートが含まれる。有料の追加サービスには、グラフィックデザイン、オンデマンド印刷、カスタムソフトウェア開発、レイアウトや組版、JATS XML(PubMed用)、図表・グラフの作成、剽窃チェック、校閲、校正、校正刷りがある(17)
・ミドルテネシー州立大学図書館
 Digital Scholarship Initiatives(DSI)が置かれ、機関リポジトリでの査読付論文、会議録、オープン教科書やオープン教育資源(OER)(18)等の公開、オープンソースの電子出版システムOpen Journal Systems(OJS)を用いたジャーナルのホスティング、DSIのインプリントであるMT Open PressによるOAの書籍の出版等を行っている(19)。MT Open Pressではデジタルファーストのハイブリッド出版を行っており、2023年に初めて2冊のOA書籍を刊行した(20)。基本サービスには、知的財産権やCCライセンスに関する助言、ウェブホスティング、検索エンジン最適化、剽窃チェック等が含まれるが、出版管理業務(原稿の募集、編集スタッフの手配、査読依頼、引用文献の整理、第三者からの使用許諾の取得等)は含まれない。DSIが最終的なPDFのレイアウトの調整を行う場合もあるが、著者/編集者が最終的な編集に責任を負う(21)
・エジンバラ大学図書館
 Edinburgh Diamondが置かれ2009年からOJSを利用したジャーナルのホスティングサービスを行っている。2021年にはオープンソースの単行書出版プラットフォームOpen Monograph Press(OMP)を利用したダイヤモンドOAの書籍のホスティングサービスを開始した。書籍の出版に関しては、ホスティングに関するサービス全般に加え、ISBNやDOIの登録、インデックスへの登録、利用統計の提供等を行うが、投稿・査読の管理、編集、組版、校閲等は編集者の責任とし図書館は担当しない。なお、ジャーナルではOJSの使い方をユーザーに教えるが、書籍に関してはOMPに関する作業は図書館で担当しユーザーはシステムについて学ぶ必要はない。これにより図書館はOMPのユーザー教育に費やす時間を書籍のオンライン化作業にあてることができるとしている(22)

 

2.2 大学出版部との協働による出版

 二つ目は大学出版部(university press)と図書館の協働による出版のモデルである。大学出版部は大学等に付属し、採算のとりにくい学術書を中心に出版する非営利の出版社を指す(23)。米国では、大学出版部を図書館組織の下部組織として改組するケースが増えており(24)、図書館と大学出版部は、ワークフローを別にするがOA書籍のプラットフォームの共有をはじめ技術や情報の共有等を行う場合も多い。以下では、図書館と大学出版部の連携の事例を紹介する。

・マサチューセッツ大学アーモスト校図書館
 Scholarly Communicationが置かれ、マサチューセッツ大学出版部と協力を行っている。図書館は、大学出版部がオープンソースの出版プラットフォームであるManifoldを通じて出版するOA出版物のDOIの登録を支援している。出版部では絶版本をOA書籍として図書館のリポジトリで公開できないか検討中である(25)
 なお、図書館では独自にOAジャーナルと書籍の出版活動も行っている。ジャーナルについては、他のプラットフォームから機関リポジトリへのジャーナルの移行、ジャーナルの創刊や出版、休止中のジャーナルの公開を行っている。書籍についてはオンライン書籍の出版プラットフォームであるPressbooksを利用したウェブサイトでオープンライセンスの書籍や教科書を公開している(26)
・フロリダ大学図書館
 ジョージ・A・スマザーズ図書館とフロリダ大学出版部(図書館の管轄外)が共同でインプリントLibraryPress@UFをもち、OAかつデジタルファーストの出版を行っている(27)。図書館が編集、デザイン、出版プラットフォームの管理とホスティングを担当し、大学出版部とは制作、普及、マーケティングでの協力や、学術出版に関する幅広い知識の交換を行っている(28)
・北テキサス大学図書館
 Scholarly Publishing Services(SPS)が置かれ、図書館の管轄下にある北テキサス大学出版部の協力のもとオープン教科書の出版を行っている。大学出版部では、選定したタイトルについて、査読・校正サービスの提供や学内・学外の学生に向けた低価格のプリント版の販売を行う。図書館では、Pressbooksを利用したウェブサイトでこれらのOA版の公開を行う。また、大学出版部でオープン教科書としての出版が認められなかったタイトルについて、他のプラットフォームでオープンライセンスで公開する場合にはSPSが資金提供を行うこともある(29)

 

2.3 既存の出版モデルの変革を目指す出版

 三つ目は既存の商業ベースの出版からコミュニティベースのOA出版への変革を目指す出版活動への参加である。SCOAP3、Project MUSE、Open Library of Humanities(OLH)、Knowledge Unlatched(KU)等への支援や参加を通し図書館は出版活動を間接的に行う(30)。例えば、2015年に設立されたOLHは、国際的な図書館コンソーシアムにより運営され、共同出資によるダイヤモンドOA出版を行っている。図書館は出資者として出版に参加する(31)。Project MUSEは大学出版部と図書館の協力により生まれた非営利のプラットフォームであるが、2025年よりジャーナルにSubscribe to Open(S2O)(32)を導入予定である(33)。図書館はProject MUSEの購読を通し、非営利出版社によるOA出版を支援することができる。

 

3. 図書館出版の現状

 次に図書館出版の現状を見ておきたい。Library Publishing Coalitionでは、世界の図書館出版に関する調査結果を毎年公表しているが、直近の“Library Publishing Directory 2023”(以下「Directory 2023」)では2022年現在の現状は以下のように報告されている(34)(以下の数字はすべて同Directory 2023の“Introduction”からの引用である)。

 予算は、図書館の運営費(84%)が多くを占める。資料の種類は、ジャーナル(89%)が最多で、会議資料(80%)、学位論文(75%)、教育資料(66%)、書籍(60%)、データセット(46%)と続く。OAについては、出版物のすべて(58%)、出版物のほとんど(31%)がOAであると回答し、OA出版への取組が進んでいる。メディアは、テキスト(95%)、画像(71%)、ビデオ(59%)、データ(58%)、音声(55%)の順に多い。視聴覚資料や補足コンテンツの出版は近年の図書館出版の特徴の一つとなっており、コロンビア大学図書館のウェブサイトでは“Publishing”のページにジャーナルと並んでポッドキャストが大きく掲載されている(35)。プラットフォームは、OJS(50%)、DSpace(33%)、bepress Digital Commons(28%)等が利用されている。提供するサービスは、著作権に関するサポートとDOIの割り当て(80%以上)が最多で、メタデータの作成(71%)、著者への助言(66%)、トレーニング(66%)、ISSNの登録申請(64%)、補足コンテンツのホスティング(60%)、目録作成(56%)、分析(55%)と続く。予算作成やビジネスモデル開発サービスの提供は低調で、10%未満である。ポリシーの策定と公開は広く行われている。雇用面では、28%が大学院生を、29%が学部生を雇用している。

 ここでは今後、日本で図書館出版を検討する際に参考になりそうな2点についてみてみたい。

 

3.1 OERの取組

 Directory 2023では、近年の変化や特記事項としてOERの取組や拡大を挙げた図書館が多くみられる。アイオワ大学図書館ではOpenHawksというプログラムのもと既存の教科書をOERに変換するための資金提供を(36)、ハーバード大学ガットマン図書館ではOERの制作に関するリソースの提供(37)を行っている。

 アイオワ州立大学ではOA出版プログラムであるDigital Pressを設置し、Pressbooksを利用したオープン教科書の出版を行っている(38)。その一つ、“Dress, Appearance, and Diversity in U.S. Society”は、学術出版サービス司書がウェブサイトでのセットアップ、表紙デザイン、DOIの作成等を、OA・学術コミュニケーション司書がアクセシビリティやコンテンツデザインに関する指導を行う等、様々な支援体制のもと2020年に刊行されたが、国内外から27万ビュー(2023年9月現在)を獲得し学生から内容面でも視覚面でも魅力的との好評を得ている(39)

 

3.2 学生アシスタントの雇用

 Directory 2023では、学生アシスタントの雇用についての言及も多くみられる。グランドバレー州立大学図書館では、学生アシスタントの雇用により既存のOERをアクセシブルでウェブに適したフォーマットへ変換できた(40)と報告している。デジタルネイティブな学生は、デジタル技術の活用において重要な戦力となっていると言えよう。

 学生の雇用は学生自身の職能開発や就職支援にもつながっている。カリフォルニア州立工科大学フンボルト校では、学生アシスタントの業務はレイアウト、組版、デザインから、マーケティング、機関リポジトリでのコンテンツの読み込みと更新、メタデータの作成まで幅広い(41)。同図書館では、学生の出版スキル教育の機会ととらえており、実際出版社への就職に結び付いているという(42)。LibraryPress@UFでは、学生を雇用し図書館利用に関するハンドブックを作成したが、学生にとって出版の経験や情報リテラシーの向上につながっただけでなく、LibraryPress@UFにとっても出版プロセスの再考とワークフローの簡素化につながったと評価する(43)。筆者は、学生アシスタントとしての経験を通し学術情報流通の仕組みや課題、コストを理解する人々が増えることは、長い目で見ると学術の未来を考える社会の醸成につながるという点でも大きな意味を持つと考える。

 

4. 欧州における図書館出版の再評価

 Directory 2023の回答館の多くが北米であることからも北米での図書館出版の広がりがうかがえる。他方、欧州ではPlan S(CA1990参照)の始動以降、ダイヤモンドOA出版を支える機関出版(institutional publishing)の重要性が見直されている(44)。Plan Sの遵守にはOAジャーナルでの出版、リポジトリでの公開、OA化契約を締結した機関への所属のいずれかが必要とされる(45)が、これらのルートはAPCや転換契約の拡大による商業出版社の利益増大が見込まれる一方、中小規模の出版社は依然、運営に課題を抱えるものも少なくない(46)。そこでcOAlition Sでは現在、“DIAMAS”(Developing Institutional Open Access Publishing Models to Advance Scholarly Communication)や“CRAFT-OA”(Creating a Robust Accessible Federated Technology for Open Access)を柱に欧州のダイヤモンドOA出版のインフラサポートを行い(47)、機関出版の強化に取り組んでいる。図書館出版はこうした機関出版の一つとして再評価されているといってよいだろう。

 欧州の図書館出版をめぐる動向の一つに、OA出版に向けた図書館や出版社の連携がある。2022年にはスコットランドでスコットランド大学・研究図書館連合(SCURL)の加盟図書館による非営利のOA出版社Scottish Universities Press(SUP)が設立された。SUPでは国立図書館によるコーディネイトのもと、18の学術図書館が参加し2024年に最初の書籍の出版が行われることになっている(48)。また、2023年には英国の中小規模の大学出版部や大学図書館が集まりOpen Institutional Publishing Association(OIPA)が設立された。OIPAではOA出版のベストプラクティスや経験の共有等を通し英国の大学出版部や図書館出版によるOA出版活動を支援している(49)

 

5. 課題

 以上のように、欧米では概して図書館出版の取組が進んでいる。2023年12月にはLibraryPress@UFから図書館出版の事例を共有するための新ジャーナル“Case Studies in Library Publishing”も創刊され、その取組は今後さらに活発になっていくだろう。

 しかし、図書館出版には課題もある。Library Publishing Coalitionのブログでは、人員配置(50)、プラットフォームの老朽化への対応(51)、資金の確保(52)等が指摘されている。資金やスタッフに関する問題は、パシフィック大学と南フロリダ大学図書館の図書館出版の縮小の経緯についての報告でも指摘され、コロナ禍による図書館予算の削減といった予算の不確実さ(53)も課題となっている。こうした課題の対策として、先に見た組織をこえた連携や、図書館出版に関するツールやリソースの開発及びこれらに関する情報共有(54)が試みられている。ソパーとハンターは、図書館出版には「十分な資金と持続可能な計画」の確保が重要であるとし、「パートタイムのスタッフを採用して訓練するよりも、出版サービス業者に委託する方が有益な場合がある」と指摘する(55)。図書館業務の拡張路線一辺倒ではないこうした視点も、持続可能な図書館出版の在り方を考えるうえで参考になるだろう。

 

6. おわりに

 日本では2025年公募分から公的資金による研究成果の即時OAでの公開が求められる(56)。この新方針を受け、即時OAの実現手段の一つとしてダイヤモンドOA出版や図書館出版への期待が高まる可能性がある。また、「オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方について(審議のまとめ)」は専門書等の電子書籍化が遅れている領域のデジタル化やオープン化を大学図書館が担う可能性について検討するよう求めている(57)。今まさに図書館出版の時機到来、と言ってもよいかもしれない。

 それでは日本で図書館出版が展開されていくには、何が必要だろうか?まずは予算やスタッフの確保が必要であり、持続可能性を高めるには欧米で進む組織を越えた連携やツールやリソースの活用が有効だろう。もう一つ挙げるならば、やはり評価の問題への取組が重要だと考える。図書館出版社は、編集や広報の体制や歴史に基づくブランド力では商業出版社や大学出版部には敵わず、その出版物が学術的価値に比して過小評価されてしまうケースもあるだろう。従来のインパクトファクターや出版社名による研究評価が続くならば、図書館出版の先行きは不透明だ。しかし出版物ひとつひとつについて学術的観点から丁寧な評価が行われるとき、図書館による出版物への正当な評価がなされ、評価の積み重ねが予算の獲得につながり、より充実した制作体制のもとよりよい作品が生み出されるという好循環が生まれるのではないだろうか。

 

(1)“Diamond Open Access”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/diamond-open-access/, (accessed 2024-04-05).

(2)Ancion, Zoé et al. Action Plan for Diamond Open Access. 2022, 6p.
https://doi.org/10.5281/zenodo.6282403, (accessed 2024-04-05).

(3)Global Summit on Diamond Open Access.
https://globaldiamantoa.org/en/home-2/, (accessed 2024-04-05).

(4)例えば2023年に国立大学図書館協会資料委員会が「ダイヤモンド・オープンアクセスのための行動計画」を、2024年に国立情報学研究所とオープンアクセスリポジトリ推進委員会(JPCOAR)がGlobal Summit on Diamond Open Accessでまとめられた「結論と今後の展望」を公開している。
Ancion, Zoéほか. ダイヤモンド・オープンアクセスのための行動計画. 国立大学図書館協会資料委員会オープンサイエンス小委員会タスクフォース訳. 2023, 6p.
https://doi.org/10.5281/zenodo.8252723, (参照 2024-04-05).
ダイヤモンド・オープンアクセス に関するグローバルサミット. 結論と今後の展望. 国立情報学研究所, JPCOAR訳. 2024.
https://doi.org/10.34477/0002000351, (参照 2024-04-05).
また、2022年の図書館総合展では「JPCOAR2022:ダイヤモンドOAと機関リポジトリ」が、2024年の研究大学コンソーシアムによる連続セミナーでは「オープンアクセスの国際動向とダイヤモンドOAの展開」が開催された。
“JPCOAR2022:ダイヤモンドOAと機関リポジトリ”. 図書館総合展.
https://www.libraryfair.jp/forum/2022/389, (参照 2024-04-05).
“学術情報流通に関する連続セミナー 第2回(2024年3月7日)”. Research University Consortium. 2024-03-21.
https://www.ruconsortium.jp/tf/cat2/cat/2c71896ce4472cc0d544e71839bd131fd34af9f8.html, (参照 2024-04-05).

(5)“What is Library Publishing?”. Library Publishing Coalition.
https://librarypublishing.org/, (accessed 2024-04-05).

(6)Anderson, Rick. 学術コミュニケーション入門 : 知っているようで知らない128の疑問. 宮入暢子訳. アドスリー, 2022, 330p.

(7)Phillips, Angus; Bhaskar, Michael eds. オックスフォード出版の事典. 植村八潮ほか監訳. 丸善出版, 2023, 506p.

(8)“Library Publishing Special Interest Group”. IFLA.
https://www.ifla.org/units/library-publishing/, (accessed 2024-04-05).

(9)枚挙にいとまがないが、例えば図書館出版に関する書誌リストとして以下がある。
Bailey, Charles W. Jr. Academic Library as Scholarly Publisher Bibliography. Digital Scholarship, Version 3, 2023.
https://digital-scholarship.org/alsp/alsp.htm, (accessed 2024-04-05).
図書館出版に関する包括的なレポートとしては、以下が挙げられる。
Lippincott, Sarah Kalikman. Library as Publisher: New Models of Scholarly Communication for a New Era. ATG LLC (Media), 2017, 59p.
https://doi.org/10.3998/mpub.9944345, (accessed 2024-04-05).

(10)日本図書館情報学会用語辞典編集委員会編. 図書館情報学用語辞典. 第5版, 丸善出版, 2020, 287p.

(11)日本図書館情報学会編. 図書館情報学事典. 丸善出版, 2023, 726p.

(12)日本における図書館出版に関する論考には、以下がある。
菅原光. 電子環境下における北米大学図書館の出版サービス-平成24年度海外派遣事業調査報告-. 大学図書館研究. 2013, (99), p. 48-55.
https://doi.org/10.20722/jcul.211, (参照 2024-04-05).
筑木一郎. 図書館は出版社になる:電子ジャーナル出版支援および大学広報としての京都大学学術情報リポジトリ事業. 大学図書館研究. 2009, (85), p. 63-73.
https://doi.org/10.20722/jcul.1304, (参照 2024-04-05).

(13)Holzman, Alex; Lippincott, Sarah Kalikman. “第23章 図書館”. オックスフォード出版の事典. 加藤信哉, 松林正己訳. 丸善出版, 2023, p. 438.

(14)Ma, Lai et al. Open access at a crossroads: library publishing and bibliodiversity. Insights: the UKSG journal. 2023, 36(1).
https://doi.org/10.1629/uksg.613, (accessed 2024-04-05).

(15)Anderson. op. cit., p. 146-149.

(16)The Library Publishing Coalition Directory Committee. Library Publishing Directory 2023. 2023, p. 188.
https://librarypublishing.org/wp-content/uploads/2023/06/Library-Publishing-Directory_2023_web.pdf, (accessed 2024-04-05).

(17)“Publishing with the Libraries”. University of Minnesota.
https://www.lib.umn.edu/services/publishing/publishlibraries, (accessed 2024-04-05).

(18)OERとは「オープンライセンスの下でリリースされ、他者による無料のアクセス、再使用、再利用、翻案、および再配布を許可する、あらゆる形式および媒体の学習、教育、および研究資料」を指す。
“Recommendation on Open Educational Resources (OER)”. UNESCO.
https://www.unesco.org/en/legal-affairs/recommendation-open-educational-resources-oer, (accessed 2024-04-05).
2019年にはユネスコの総会においてOERに関する勧告が採択された。

(19)“Digital and Open Publishing”. Middle Tennessee State University James E. Walker Library.
https://dsi.mtsu.edu/publishing, (accessed 2024-04-05).

(20)The Library Publishing Coalition Directory Committee. op. cit., p. 82.

(21)“About the Press”. MT Open Press.
https://openpress.mtsu.edu/index.php/mtop/about, (accessed 2024-04-05).

(22)Wojturska, R. An Open Book: launching a library-based Open Access books hosting service. LIBER Quarterly: The Journal of the Association of European Research Libraries. 2023, 33(1), p. 1-12.
https://doi.org/10.53377/lq.13745, (accessed 2024-04-05).

(23)日本図書館情報学会用語辞典編集委員会編. 前掲. p. 142.
同辞典によると「大学出版部」の性質は地域によっても異なり、米国では「人文社会科学の学術書を中心に大きなシェアを持ち、赤字は補填される」一方で、英国では「商業出版社に近い性質」を持つ。

(24)Anderson. op cit. p. 147-148.

(25)The Library Publishing Coalition Directory Committee. op. cit., p. 181.

(26)“Open Access Publishing at UMass”. University of Massachusetts Amherst.
https://www.library.umass.edu/umass-open-access-journals-conferences/, (accessed 2024-04-05).

(27)“About LP@UF”. LibraryPress@UF.
https://librarypress.domains.uflib.ufl.edu/about/, (accessed 2024-04-05).

(28)The Library Publishing Coalition Directory Committee. op. cit., p. 164.

(29)The Library Publishing Coalition Directory Committee. op. cit., p. 203.
“UNT Libraries Scholarly Publishing Services”. UNT University Libraries.
https://library.unt.edu/services/scholarly-publishing/, (accessed 2024-04-05).
“About UNT Open Texts”. UNT Press.
https://untpress.unt.edu/about/unt-open-texts/, (accessed 2024-04-05).
“UNT OPEN TEXTS”. Open Access @ UNT.
https://openaccess.unt.edu/unt-open-texts, (accessed 2024-04-05).

(30)尾城孝一. もうひとつの図書館クラウドファンディング~図書館共同出資モデルによるオープンアクセスの推進~. 情報の科学と技術. 2019, 69(11), p. 523-525.
https://doi.org/10.18919/jkg.69.11_523, (参照 2024-04-05).

(31)西川開. ダイヤモンドOA:APCによらないオープンアクセスの国際動向. STI Horizon. 2023, 9(2), p. 25-29.
https://doi.org/10.15108/stih.00335, (参照 2024-04-05).

(32)S2Oとは「機関の購読料収入が徴収され、すべての購読者が参加すると仮定して、出版社がその年のコンテンツをオープンアクセスで公開することを約束する」モデルをさす。
“What is Subscribe to Open (S2O)?”. Subscribe to Open.
https://subscribetoopencommunity.org/frequently-asked-questions/#what-is-subscribe-to-open, (accessed 2024-04-05).

(33)“Subscribe to Open (S2O) at Project MUSE”. Project MUSE.
https://about.muse.jhu.edu/muse/s2o/, (accessed 2024-04-05).

(34)The Library Publishing Coalition Directory Committee. op. cit. p. vii-xii.
このDirectoryは学術出版にかかるすべての図書館に調査への参加を呼びかけ、2022年1-12月の図書館活動の状況をまとめたものである。回答は159機関より寄せられ(p. vii)、北米からが65%を占める。また、92%が大学図書館からの回答である(p. viii)。

(35)“Digital Scholarship”. Columbia University Libraries.
https://library.columbia.edu/services/digital-scholarship.html, (accessed 2024-04-05).

(36)“OpenHawks”. Iowa University Libraries.
https://www.lib.uiowa.edu/openhawks/, (accessed 2024-04-05).

(37)Open Education Resources (OER). Gutman Library.
https://guides.library.harvard.edu/c.php?g=1179619&p=8636909, (accessed 2024-04-05).

(38)Elder, A.K. et al. Publishing a Textbook with Instructional Design in Mind: Getting Quality Matters Certification for an OER Course. Case Studies in Library Publishing. 2023, 1(1).
https://cslp.pubpub.org/pub/91vu6bxr, (accessed 2024-04-05).

(39)Ibid.

(40)The Library Publishing Coalition Directory Committee. op. cit. p. 54

(41)“The Press is Hiring!”. The Press at Cal Poly Humboldt.
https://press.humboldt.edu/news/press-hiring-0, (accessed 2024-04-05).

(42)“Becoming a Press Patron”. The Press at Cal Poly Humboldt.
https://press.humboldt.edu/becoming-press-patron, (accessed 2024-04-05).
“Working at the Press”. The Press at Cal Poly Humboldt.
https://press.humboldt.edu/working-press, (accessed 2024-04-05).

(43)Nolan, M.M. et al. By Students, For Students: Developing and Publishing a Student-Written Library Handbook as a Multimedia E-Book. Case Studies in Library Publishing. 2023, 1(1).
https://cslp.pubpub.org/pub/hkz2r00w, (accessed 2024-04-05).

(44)グランドとタサムは、英国では大学ベースの出版は米国とは違い盛んでなかったが、OAへの需要の高まりや商業出版の暴利に対する認識と批判の高まりにより機関出版が復活を遂げていると論じている。
Grand, Philippa; Tatham, Suzanne. “Why Open Institutional Publishing Matters”. OIPA. 2023-10-20.
https://oipauk.org/2023/10/20/why-institutional-publishing-matters/, (accessed 2024-04-05).

(45)Seo, Tae-Sul. Scopus, cOAlition S, and Crossref’s views on scholarly publishing in the next 10 years. Science Editing. 2022, 9(1), p. 74-76.
https://doi.org/10.6087/kcse.267, (accessed 2024-04-05).

(46)“Diamond unearthed: shining light on community-driven Open Access publishing”. Plan S. 2021-03-09.
https://www.coalition-s.org/diamond-unearthed-shining-light-on-community-driven-open-access-publishing/, (accessed 2024-04-05).

(47)Mounier, P.; Aspaas, P.P. DIAMAS: Supporting high quality Diamond Open Access publishing. Open Science Talk. 2023, (48).
https://doi.org/10.7557/19.6862, (accessed 2024-04-05).

(48)“About Us”. Scottish Universities Press.
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[受理:2024-05-13]

 


設樂成実. 動向レビュー:欧米における図書館出版のいま. カレントアウェアネス. 2024, (360), CA2065, p. 17-21.
https://current.ndl.go.jp/ca2065
DOI:
https://doi.org/10.11501/13706990


Shitara Narumi
Library Publishing in Europe and the United States Today