CA2055 – 動向レビュー:即時オープンアクセスを巡る動向:グリーンOAを通じた即時OAと権利保持戦略を中心に / 船守美穂

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カレントアウェアネス
No.358 2023年12月20日

 

CA2055

 

動向レビュー:即時オープンアクセスを巡る動向:グリーンOAを通じた即時OAと権利保持戦略を中心に

国立情報学研究所情報社会相関研究系/オープンサイエンス基盤研究センター:船守美穂(ふなもりみほ)

 

目次

 

 2023年6月、日本においても即時オープンアクセス(以下「即時OA」)の方針が統合イノベーション戦略2023において打ち出された(1)。即時OAのイニシアティブは欧州において2018年9月に「プランS」(2)CA1990参照)という名称で打ち出され、2021年から推進されているが、世界にはなかなか広がっていなかった。しかし、2022年8月末に米国が同様の方針を打ち出した(3)(4)のを契機に、日本も同様の政策を展開する判断をした。

 日本の即時OA政策の特徴は、研究成果を機関リポジトリ等に登録することにより万人からアクセス可能とする「グリーンOA」を義務化しているところにある(5)(6)。一方、グリーンOAは出版社のビジネスモデルに関わることも大きいことから、プランSにおいても未だに、出版社との攻防が続いている。研究助成機関とアカデミアは、「権利保持戦略」(Rights Retention Strategy)を盾に戦いを挑んでいる。

 以下に、欧米の権利保持戦略を中心とした即時OAの動向を見ていきながら、日本の対応可能性を検討する。

 

1. 即時OA政策の動向

 即時OA政策とは、公的資金を得た研究成果について、論文等の研究成果を出版と同時にインターネット上でOAとし、誰からも無償でアクセス、再利用可能とするものである。研究活動を納税負担する国民に対して研究成果を社会還元しながら、科学技術、イノベーションの創出に繋げることが表向きの主な狙いである。一方で、年々拡大し続ける学術雑誌の購読料と論文掲載料(APC)の額を抑えることも、政策の裏の狙いとして大きく含みおかれている。

 即時OA政策は、欧州の研究助成機関の有志団体であるcOAlition Sが2018年9月に「プランS」という名称でコンセプトを打ち出し、30余りの研究助成機関等で2021年から本格的に推進している。しかし、発表当初の即時OAのコンセプトが相当に強硬・強烈であったこともあり、長い間、欧州圏以外の大国はこれに続かなかった。プランSは当初、「ハイブリッド誌への論文掲載は認めない」「OA出版費用に関する助成額は標準化され、上限が設けられる」などといった原則を掲げ、実質、フルOA誌のみへの論文出版を想定していたのである(7)

 プランSは実際にはその後、アカデミアや出版社の要望をよく聞き、ハイブリッド誌やクローズドな購読誌への論文出版も可能としている。また、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(8)(DORA;CA2005参照)に沿い、「研究助成機関として、研究業績が出版された媒体を問わない」とすることにより、十分に権威のないフルOA誌における論文出版も容易としている(9)

 しかし、初めの印象が強すぎたのであろう。米国が類似の即時OA方針を打ち出すまで、プランS発表から丸4年かかった。また、日本は米国に背を押される形で、その半年後に日本で開催されたG7の科学技術大臣コミュニケに即時OAの方針を盛り込み、同様に、この方針を推進することとなった(10)

 

2. 即時OAの方法

 研究成果をOAにする方法としては、大きく二つある。学術雑誌上で論文等をOA出版する方法(ゴールドOA)と、出版社のウェブサイト以外において論文等を登録・公開する方法(グリーンOA)である。プランSはゴールドOAを更に、フルOA誌と、ハイブリッド誌へのOA出版に分け、グリーンOAと合わせ、3通りの即時OAのルートを許容している。ただし、ハイブリッド誌へのOA出版については、同誌が論文著者の所属機関の転換契約(CA1977参照)下にあることが条件である(11)

 プランSに参加する諸国では、ハイブリッド誌に課せられたこの条件のおかげで転換契約の締結数が伸び、また、年間に出版される論文のOA比率も大幅に拡大した(12)(13)。しかし、転換契約については、1)当初、当該出版社の学術雑誌が最終的には全てフルOA誌に転換することが想定されていたにもかかわらず、その実現に至らないと予想されること、2)契約金額が、大学がそれまでに負担していた額と同等(cost neutral)であるはずだったのに結局そのようにならず、転換契約が出版社の「新しいビッグディール」とすら呼ばれていること、3)OA出版するために支払うAPCが全般に上昇傾向にあることなどから、プランSでは2024年以降、転換契約等への支援は縮小しようとしている(14)。また、欧州理事会は2023年5月、読者も論文著者も負担のない非営利の学術出版プラットフォームを追求すると決議した(15)。つまり欧州では全般に、ダイヤモンドOAを志向するようになっている。これを具体化する方法として、プランSは2023年10月末、プレプリントとオープン査読を基本とする「コミュニティベースの学術コミュニケーションシステム」を提案している(16)

 さて、即時OAは米国および日本において推進されることになったが、両国ともこれまでの自国の政策を踏襲し、グリーンOAを基本路線としている。公的研究助成を得た研究成果については原則的に全て、その著者最終稿(Author Accepted Manuscript:AAM)あるいは出版版(Version of Record:VoR)をその根拠データと共にリポジトリに登録し、OAとすることを求める。ただし、米国は「研究助成機関の指定するリポジトリ」(funder-designated repositories)、日本は大学の機関リポジトリにおける論文のOAを主に想定している。また、ゴールドOAについては両国とも、研究者が研究助成を受けているプロジェクトの研究費あるいは別財源からAPCを支出することは妨げないという考え方である。

 両国とも2025年中の施行予定としており、未だ確定していない面も多い。しかし、日本の政府案では「2025年度より新たに公募する競争的研究費を受給する者(法人を含む。)に対し、論文及び根拠データの学術雑誌への掲載後、即時に機関リポジトリ等へ掲載を義務づける」(17)という強い表現がされており、グリーンOAにかける強い姿勢が見てとれる。また、即時OAの政策目的として、国民への研究成果の還元の次に、「国全体の購読料及びオープンアクセス掲載公開料の総額の経済的負担の適正化」を掲げており(18)、学術出版に関わる経費圧縮に並々ならぬ意気込みを見せている。

 

3. グリーンOAを通じた即時OAの問題点と対応策

 グリーンOAを通じて即時OAを実現しようとした場合、いくつかの問題点がある。大学における実施体制と、出版社と学術雑誌側のビジネスモデルの問題である。

 

3.1 大学における実施体制上の問題点と解決の方向性

3.1.1 機関リポジトリへの登録体制

 日本ではこれまで、機関リポジトリに論文等の研究成果を登録する際、大学の図書館員が登録作業を行ってきた。これは、毎月の登録コンテンツ数が少なかったからこそ実行可能であった。しかし、グリーンOAを通じた即時OAが義務化され、研究助成を受けた研究成果が全てリポジトリに登録されるとなると、この実施体制に無理が生じる。年間数千報の論文生産のある大規模総合大学は勿論のこと、中小規模の大学においては、正規の図書館員を配備していない場合も多く、専門性が不十分であることが予想される。

 欧米の状況を確認すると、多くの国では教員が論文をセルフアーカイブし、図書館員は登録された内容の確認を担当する(19)。また、教員がリポジトリへの登録を進んで行うように、工夫が凝らされている。

 例えば、リポジトリへの登録を、教員に馴染みある業績管理ツール(20)を通じて行い、また、一部の業績管理ツールに付属する研究成果の候補提示機能を利用し、研究者の書誌情報等の入力負担の低減を図っている。フランスでは、国家リポジトリHAL(21)に研究者ごとのウェブページを開設できるようにし、研究者の業績管理とリポジトリの登録を一体化している。さらに、論文のPDFや出版社の論文XMLから書誌情報を抜き出すツールを開発(22)(23)(24)(25)し、研究者によるリポジトリへの業績登録に生かしている。教員によるセルフアーカイブと、それを容易に行わせるための工夫は、日本においても今後、導入が検討されるべきであろう。

 

3.1.2 出版社のOAポリシーの確認プロセス

 もう一点、グリーンOAを通じて即時OAを実現する際に問題となるのは、出版社のOAポリシーの確認プロセスである。出版社は一般に、そのOAポリシーにおいて、論文をOAにできるまでのエンバーゴ期間を定めており、これを待たずにリポジトリや個人のウェブサイト等において論文を公開することはできない。出版社のOAポリシーの確認は一般に、“Sherpa Romeo”(26)というウェブサイトで行うが、記述の内容が専門的であり、研究者のスキルレベルであっても、不慣れな者には難しい。

 しかし一方で、政府の即時OA政策は、出版社の設定するエンバーゴ期間を「権利保持戦略」を通じて無効化するため、この作業の専門性や手間を問題とする必要はないのかもしれない。

 権利保持戦略については次章以降において詳説する。

 

3.2 出版社と学術雑誌のビジネスモデルの問題点と解決の方向性

 グリーンOAを通じた即時OAは、購読誌やエンバーゴ期間の設定を通じて収入を確保していた出版社や学術雑誌において、ビジネスモデル上の甚大な打撃を与える。即時OA政策により、購読料を負担しなくとも論文へのアクセスが可能となり、購読契約が打ち切られる可能性が高いからである(27)

 即時OAを推進する政府と研究助成機関としては、公的資金を得た研究成果を全て、出版と同時にOAとしたい、つまり、基本的には全ての学術雑誌がOA誌となることを望んでいる。大手の商業出版社は、これを可能とするために、不承不承ながらも、論文著者にAPCの負担を求めるビジネスモデルを採用する。

 しかし、APCに依存した学術出版のビジネスモデルは、収入総額が当該雑誌が出版する論文数と比例することになるため、中小規模の出版社、特に学会出版に関しては、学術雑誌の運営が成り立たなくなる可能性が高い。また、日本の学会出版の一部は、学術雑誌にエンバーゴ期間を設け、学会費を負担した者にのみ当該期間における論文へのアクセス可能とすることで、学会費収入の確保と学会員数の維持を同時に実現しているため、学会運営自体がおぼつかなくなる可能性がある。これらは、そうでなくても会員が縮小し存続の危機に瀕している学会に対して、さらに追い打ちをかけることとなる。

 欧州のプランSにおいても、この問題は認識され、中小規模の学術出版に特化して、OA出版に転換する場合のビジネスモデルが検討され、そこでは“Subscribe to Open”(S2O)という手法が有効と見いだされた(28)(29)(CA1990参照)。S2Oとは、一定の数の機関が購読料を負担すると、当該学術雑誌のコンテンツがフルOAになる仕組みである。しかし、これはフリーライダーを常に許容するモデルのため、持続性がないと言われている。少なくとも、現段階で購読料ベースのビジネスモデルではない学術雑誌が新たにS2Oのビジネスモデルを採択することは不可能であろう。一般的には、Annual Reviews社(30)などの、OAでアクセス可能であっても図書館の蔵書とする価値が認められる権威誌にしか、このモデルは通用しないと言われている。

 プランSでは、中小規模の学術出版についての現状調査も行い、これらが極めて多様であること、多くの場合極めて脆弱な体制のもとに運営されていること、論文の出版基準なども十分ではないことを見いだし(31)、“DIAMAS”(Developing Institutional Open Access Publishing Models to Advance Scholarly Communication)(32)というプロジェクトを通じて、中小規模の学術出版の底上げを図ろうとしている(33)。同ウェブサイトには既に多くの報告書が公開されている(34)。中小規模の学術出版が多い日本ではこれを参考にすると良い可能性がある。

 

4. 出版社の設定するエンバーゴ期間無効化の動きと出版社の反発

4.1 著作権譲渡とエンバーゴ期間の設定

 出版社は一般に購読誌やハイブリッド誌について、当該論文を外部サイトにおいて公開可能とできるまでの「エンバーゴ期間」を設けている。著者と出版社の間に取り交わされる出版契約では多くの場合、「著作権譲渡」がなされており、出版社はここで著者から得た著作権を根拠として、エンバーゴ期間を設定する。

 なお、著作権は著作者人格権と著作財産権からなり、著作者人格権は譲渡できないが、著作財産権は譲渡可能である。また、著作財産権は、複製権や上演権、二次的著作物の創作権など、一連の権利からなるが、出版契約では多くの場合、「全て」の著作財産権の譲渡がなされている (35)。 全ての著作権が譲渡された場合、著作物の創作者は自身の著作物に対して、他の一般の著作物の利用者と同程度の権利しか有さなくなる。このため、論文著者は、自身の著作物であるにもかかわらず、機関リポジトリや個人のウェブサイトにおける論文の公開はおろか、学生や同僚との論文等の共有、自身の作成した図表の再利用、論文の翻訳や特許など派生的な作品の生成、テキストマイニングにおける利用などが全て、著作権者である出版社の許可を得ないとできなくなる。極端な話、論文から発展して新たな研究を行うことも原理的には出来なくなる。

 創作者による自身の著作物の再利用は、実際には、それほど厳密には監視も禁止もされていない。しかし、著作物の公開については、ResearchGateへの著作物の公開が米国化学会(ACS)とElsevier社により提訴されたことからも分かるように、それが大規模に組織的に行われている場合は、著作権法違反として厳密に受け取られている(36)(37)。即時OA政策も組織的に進められるため、論文著者からの著作権譲渡を盾に、出版社側からしかるべき対応がなされる可能性が高い。

 

4.2 学術雑誌のエンバーゴ期間を乗り越える「権利保持戦略」

 プランSはこのため、学術雑誌の設定するエンバーゴ期間を乗り越える手段として、「権利保持戦略」を編み出した。権利保持戦略とは、論文著者が、自身の論文の利用条件を、出版社への「著作権譲渡より前」に指定(prior license)することにより、自身も含めて、論文を自由に公開、再利用等をできる権利を保持しようとする戦略である(38)(39)

 プランSでは、具体的には、研究助成機関が被助成者に対して、1)被助成者が論文出版と同時に、著者最終稿もしくは出版版をOAとすることと、2)研究助成により生み出される全ての研究成果に対して「CC BYライセンス」を付与することの2点を、研究助成の条件として求める。被助成者である論文著者は論文投稿時に、「本研究は、(プランSに参加する研究助成機関名)の研究助成番号**により、研究助成を全部又は一部得ています。このため、論文著者はOAを目的として、本論文投稿により派生する全ての著者最終稿に対し、CC BYライセンスを付与しました」という文言(以下「CC BY付与連絡」)を投稿論文に付す(40)。これにより、仮に出版社に対し著作権譲渡を行ったとしても、それより前に、論文の公開や再利用の条件が著作権者である論文著者により指定されているため、この再利用の条件が有効になるというカラクリである。CCライセンスは著作権者であっても、一度付与すると取消しできないのである。

 なお、この権利保持戦略に関わる一連の措置は、全ての出版社と被助成者が対象であるが、基本的には購読誌等のエンバーゴ期間を乗り越えることが目的であるため、フルOA誌について、この措置は特に問題にならない。また、購読誌やハイブリッド誌であっても、英国王立協会(Royal Society)や微生物学会(Microbiology Society)が、論文著者が論文出版直後に自身の著者最終稿をCC BYライセンス付きで公開することを許諾していることからも分かるように、全ての出版社がこのような措置に反対という訳ではない。

 

4.3 反発する出版社と板挟みになる研究者

 プランSでは、前述のような権利保持戦略を編み出し、2020年7月に150以上の出版社にこれを連絡した(41)。また、プランSの方針に反対し、「CC BY付与連絡」が付記されている論文を受け付ける予定のない出版社については、同10月までにプランSにそのように連絡するよう期日を示していたが、そのような連絡をした出版社は一社もなかった(42)

 では、出版社が従順にプランSの権利保持戦略に従ったかというと、そういう訳ではない。陰で多くの嫌がらせが、論文を投稿する研究者に対してなされるようになった。例えば、以下のような事例が報告されている(43)

  • 「プランSの権利保持戦略があっても、出版社の設定したエンバーゴ期間は有効で、著者最終稿をリポジトリ等を通じて即時OAとすることはできない」と研究者に誤情報を提供
  • 購読誌に投稿された「CC BY付与連絡」の付された論文を別のOA誌に誘導し、APCを徴収(当該学術雑誌が転換契約下にない場合、APCは研究費から支払われないため、研究者は注意が必要)

 このような対応に遭い、そうした出版社とは毅然と袂を分かち、異なる学術雑誌に論文を投稿し直す研究者もいたようである。しかし、多くの研究者は、プランSや出版社の細かいルールをよく理解している訳ではないため、困惑し、出版社の言いなりになった者もいた模様である。

 2022年3月、プランSはこのような事態を打開するために、100超の出版社に対して、以下の3点を研究者の論文投稿時にあらかじめ明示しておくよう連絡した。論文投稿先について、研究者が合理的な判断ができるようにすることが狙いである(44)

  1. 論文採択時に研究者が提供を要請されるライセンス
  2. 論文採択時に請求される経費
  3. 「CC BY付与連絡」が明示された投稿論文が他の学術雑誌に回される可能性

 なお、この要請に対しては9社が回答し、OA誌/購読誌に関わらず、概ね、1)各社が求めるライセンスが、プランSの求める著者最終稿へのCC BYライセンスの付与と即時OAを許容すること、2)プランSによりカバーされないAPC支払いが必要となる場合は、それが明示されること、3)投稿論文に「CC BY付与連絡」の付記、あるいは、即時OAされることの明示があっても他誌に回されることはないとした。ただし、大手4社を含む多くの出版社は、これに回答しなかった(45)

 

4.4 大学による対抗措置:「機関による著者の権利保持ポリシー」

4.4.1 大学における権利保持ポリシー

 教員の混乱を見て、教員が研究助成の条件を守ることに監督義務のある大学が今度は立ち上がった。教員が、自身の研究成果をCC BYライセンスなどのOAライセンスの下で公開・提供する非独占的な権利を大学に対して与えることにより、出版社の設定するエンバーゴ期間と著作権譲渡に対抗しようとしたのである。原理的にはプランSの、研究助成機関による権利保持戦略の大学版であるが、大学で権利保持ポリシーを適用する場合は、機関と教員の雇用条件に含められていると解釈可能であるため、研究助成ごとに指定される助成条件より強固であると考えられている。また、研究助成を受けた教員だけでなく、大学に所属する全教員や大学において生み出される全ての研究成果を対象とできることが利点である。

 大学は以下の条項を含むポリシーを採択する(46)

  • 教員(論文著者)は、機関の規則に基づき著作権を保持する。
  • 教員は大学に対して、自身の研究成果をCC BYライセンスなどのOAライセンスの下で公開・提供する、非独占的で取消不能な、世界に通用する権利を与える。
  • 教員は大学の機関リポジトリに自身の研究成果のコピーを登録する。
  • 大学は教員から得た研究成果のコピーを即座に、誰からも利用可能なように共有する。

 このような条項は、一般的には、大学のOAポリシーに盛り込まれるが、英・ケンブリッジ大学では、教員に受け入れられやすいように「セルフアーカイブ・ポリシー」(Self-Archiving Policy)(47)という名称にした。また、英・エジンバラ大学では「研究成果論文と著作権ポリシー」(Research Publications & Copyright Policy)(48)とするなど、ポリシーの名称については、いくつかのバリエーションがある(49)。なお、このようなポリシーは「機関による著者の権利保持ポリシー」(institutional author rights retention policies:IARRP)あるいは「機関権利保持ポリシー」(institutional rights retention policies : IRRP)と総称されている。

 こうした試みは、ノルウェーや英国の大学などにおいて先駆的に行われたが(50)、英国では特に、エジンバラ大学のポリシーを参考に、同様のポリシーを採択する大学が急速に増えている。2023年10月末段階でオックスブリッジを含む20以上の大学がポリシーを既に採択しており、10以上の大学が準備中である(51)(52)。また、スコットランド大学・研究図書館連合(SCURL)も2023年10月に権利保持の宣言を行った(53)。SPARC Europeが2023年10月に開催したIRRPに関するセミナーには欧州各国からの参加があるなど(54)、IRRPは今後、大きく伸びていくことが予想される。

 なお、多くの大学において、このようなポリシーの検討と承認は大学本部や大学教員主導でなされており、大学図書館はこれを側面支援する形で関わっている。その内容が、教員の研究活動の根幹に関わること、研究助成の条件に含まれたことで教員の意識が高まったことなどが背景にあるという(55)。教員が研究助成の条件と出版社との出版契約の条項との間で板挟みとなり、学術出版における著作権譲渡の考え方に対して問題意識が芽生えた事も大きかったようである(56)

 

4.4.2 大学における権利保持ポリシーの強化措置とその効果

 第2章で紹介したように、プランSでは複数の即時OAの方法を認めており、研究者は必ずしもグリーンOAとする必要はない。しかし、論文によって機関リポジトリへの登録が求められたり求められなかったりすると教員側において混乱を招くことから、オックスフォード大学などにおいては「論文採択時に行動!」(act on acceptance)という標語で、全ての研究成果について登録を求めている。

 また、ポリシーを実効にいたらしめるために、英国の大学は出版社に対し、権利保持ポリシーを採択した旨通告している。そのようにしないと、大学によるライセンスの事前留保(pre licensing)は有効ではないと法的に示されたからである(57)。同時に、大学は教員に対して、出版社から何らかの妨害を受けた場合は、大学が必ず組織的に対応すると約束している。研究助成機関による権利保持戦略の時に起こった、研究者が研究助成機関と出版社の板挟みになるという状況に陥らないためである。

 このような対応を取ったためか、現段階では出版社からの大きな抵抗は見られていない。ケンブリッジ大学ではIRRPのパイロットが半年経過した段階で、「CC BY付与連絡」が付記されていたことによる投稿論文の却下の事例が2件、グリーンOA以外の即時OA対応が可能である等の理由から、投稿論文からの「CC BY付与連絡」付記の削除要求が数件認められている程度である。そのような軽微の抵抗はありつつも、同学の機関リポジトリには、4大出版社から出版された論文も含む、「CC BY付与連絡」が付記された著者最終稿の登録数が伸びていることは特筆に値する (58)。 エジンバラ大学も同様の実績を得ている(59)

 IRRPは、出版社との転換契約の契約額を抑えることにも繋がったという。出版社から提示される、購読料とAPCの総和である契約額が高額すぎた場合、大学側は、「APC分はIRRPによるグリーンOAで代替する」と強気に出ることが可能となり、交渉を有利に進められたという(60)

 

4.5 国による対抗措置:「二次出版権」

 国レベルでも、国内の学術成果のOAを推進するために「二次出版権」を法律に規定し、対抗措置を取っている。二次出版権とは、仮に出版社への著作権譲渡等が行われていたとしても、公的助成を得た研究成果については、論文著者が自身の論文を公的リポジトリ等においてOAで登録できる権利のことである。スペイン、イタリア、ドイツ、オランダ、オーストリア、フランス、ベルギーの7か国が既に二次出版権を設けている(61)

 欧州における「知」の権利を強化するためのイニシアティブ“Knowledge Rights 21”(KR21)の調査によると、これら7か国の二次出版権は、その大目的は概ね同じであっても、具体においては多様である。例えば、二次出版権が設定される法律(著作権法/科学技術法/経済法/他)、所管官庁(研究省/法務省/文化省/他)、立法過程等が異なる。また、対象となる研究成果の公的資金の割合や、エンバーゴ期間の有無やその長さ、公開される研究成果のバージョン(著者最終稿/出版版)、利用の範囲(非営利のみ等)も異なる(62)

 出版社への対抗や研究成果の効率的な利用といった観点からは、二次出版権が国横断的に共通している方が望ましいが、法律体系や二次出版権導入の背景が国ごとに異なることから、この共通化は容易ではない。このためKR21は2022年10月発表のポジションペーパーにおいて、欧州レベルにおける二次出版権の制定を欧州連合(EU)に求めている(63)(64)。欧州レベルで法律が制定されれば、それに調和する二次出版権が各国レベルで制定され、全般に調和が図られることが期待できる。

 なお、KR21は欧州研究図書館協会(LIBER)やSPARC Europeなど5つの団体により推進される3年プログラムであり、その中の二次出版権に関するプロジェクトは、LIBERが2021年4月に開始した「ゼロエンバーゴ・キャンペーン」(65)に基づいている。これには、各国で制定すべき二次出版権の法律のモデルも提示されている(66)

 

4.6 出版社からのさらなる反発:「ADC」の設定

 グリーンOAを通じた即時OA方針への対応に関わる出版社の反発は、機関の権利保持ポリシーや国による二次出版権の行使などで少し鳴りを潜めていたが、 2023年9月、新たな対抗措置が米国化学会(ACS)により打ち出された。「ゼロエンバーゴ・グリーンOA」という名称で、「論文開発費」(Article Development Charge:ADC)を負担すると、著者最終稿をエンバーゴ期間なしでリポジトリにOAで公開できるというものである(67)

 ADCは一律2,500ドルであり、高品質な査読プロセスやその他の出版関連サービス、論文投稿や査読管理に関わる技術やシステムの開発・維持に用いられるとある。この新たなサービスを利用する論文著者は、論文投稿時点でその旨を意思表示し、査読プロセスに入る前にADCを負担しなければならない。ACSによると、今回導入されたADCは、ゴールドOAのAPCは負担できないが、即時OAの研究助成の条件に適合しなくてはいけない研究者向けである。APCもADCも負担できない研究者は引き続き、何の負担もなしに購読誌に論文出版はでき、12か月のエンバーゴ期間を経て、無償でグリーンOAにできるとしている(68)(69)

 このADCの導入については、特に図書館業界を中心に大きな異論反論が呈されている。特に強く指摘されているのが、これが再び、購読料との二重取りとなっているという点である。査読プロセス等のために費用がかかると言っても、今まで不要であったということは、その費用は購読料でカバーされていたということである。それに費用を徴収するということは二重取りに他ならない。そもそも査読プロセスのほとんどは、研究者による無償の労働で成り立っており、出版社にそれほど経費負担はないという点も指摘されている。

 また、グリーンOAを通じた即時OAは、金銭的に恵まれない研究者が研究助成の条件を満たすためにあったのに、これにも費用を課すというのは、格差をさらに拡大するといった指摘や、ADCがグリーンOAをある種のゴールドOAにする方策であるとも指摘されている。プランSとオーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は正式に文書で反論している(70)(71)(72)。その他、このニュースが報じられた学術出版系ブログThe Scholarly Kitchenにはいつになく、たくさんのコメントが寄せられている(73)。日本のオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)と大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)も共同で、「米国化学会(ACS)による著者最終稿の公開費導入に対する反対声明」を2023年11月10日に発表した(74)

 

5. 結び

5.1 グリーンOAを通じた即時OAの実現方法

 グリーンOAを通じた即時OAを巡る出版社と研究助成機関/大学の攻防は水面下で続いている。出版社は表立っては反対していないが、研究助成機関と大学、国の権利保持の試みに対して継続的に、強く抵抗をしている。グリーンOAによる即時OAは出版社のビジネスモデルに大きく関わるため、それも無理ない反応である。

 これに対してはおそらく単一の切り札となる策はなく、複数の策(75)を組み合わせながら対応していくしかないのであろう。いずれにしても、大学によるIRRPのみに頼るべきではない。研究助成機関の権利保持戦略と組み合わせて対応しながら、国レベルの二次出版権に向けて働きかける必要がある。2023年10月にSPARC EuropeがIRRPに関連して開催したウェビナーにおいて、デンマークの大学の図書館員が「研究成果に関する権利確保の重荷は機関レベルではなく、国レベルでするべきです」と悲痛な声で訴えたのは印象的であった(76)。また、権利保持戦略や二次出版権は各国の法体系に大きく依存するため、日本における適用を検討する場合は、法務の専門家を含めることが必須である。

 

5.2 デジタル時代に適した研究成果の著作権とOAライセンスとは?

 権利保持戦略は当初は、グリーンOAによる即時OAへの対応方法として研究助成機関や大学において用いられた。しかし、出版社に対して論文著者が保持できるはずの権利を主張しているうちに、そもそも、慣用的に行われている出版社への著作権譲渡がおかしいということに気が付くに至った。出版社は論文を出版プラットフォームでアクセス可能としているだけなのに、なぜ、論文に関わる全ての著作財産権を出版社に譲渡しなければいけないのか?著作権譲渡をしてしまうと、著者であっても、一般の利用者と同程度の権利しか自分の著作に対して無いと言うのはおかしい。紙媒体の印刷物を印刷郵送しなければいけなかった時代であれはともかく、デジタル時代で、誰しもが簡単にコンテンツを流通させることのできる時代に、独占的な出版権を出版社に与える必要はあるのか?初めに出版する権利(first publishing right)のみを譲渡するので十分ではないか?(77)

 このような問題意識が研究者側に芽生えたからこそ、英国の大学ではIRRPが教員主導で検討され、策定されていった。ジャーナルの問題やOAポリシーは本来、研究の根幹に関わるのに、研究者の関与が低いまま図書館員が対応してきたという歴史がある。即時OAの在り方を検討する過程で、日本の研究者においても、この問題への関与ができてくると良いと思う。

 

謝辞
この原稿をまとめるのにあたり、以下の方々にお話をお伺いし、国内外の動向を把握しました。丁寧な解説をいただいたことを、この場を借りて御礼を申し上げます。Laurent Romary (INRIA), Iryna Kuchma (EIFL), Tom Olyhoek (DOAJ), Bianca Kramer(前ユトレヒト大学図書館), Sally Rumsey (cOAlition S, 前オックスフォード大学図書館), Katie Steen-James (SPARC), 鈴木康平(人間文化研究機構)、永井裕子(UniBio Press)、尾城孝一(UniBio Press)ほか(敬称略)。


 

(1)“統合イノベーション戦略2023”. 内閣府.
https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/2023.html, (参照 2023-10-27).
統合イノベーション戦略 2023. 2023, 184p.
https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/togo2023_honbun.pdf, (参照 2023-10-27).

(2)Plan S.
https://www.coalition-s.org/, (accessed 2023-10-27).

(3)Office of Science and Technology Policy. Memorandum for the Heads of Executive Departments and Agencies. 2022, 8p.
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2022/08/08-2022-OSTP-Public-Access-Memo.pdf, (accessed 2023-10-27).

(4)船守美穂.“米国、即座OAの方針を発表”. NIIオープンサイエンス基盤研究センター. 海外大学事情:mihoチャネル. 2022-08-27.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2022/08/20220827/, (参照 2023-10-27).

(5) 総合科学技術・イノベーション会議有識者議員. 公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方. 2023, 7p.
https://www8.cao.go.jp/cstp/231031_oa.pdf, (参照 2023-11-07).

(6)内閣府科学技術・イノベーション推進事務局. 「公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方」(案)について(補足資料). 2023, 10p.
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20231019/siryo2.pdf, (参照 2023-10-27).

(7)船守美穂.“欧州11の研究助成機関、2020年以降の即座OA義務化を宣言―権威ある学術雑誌の終焉となるか?”. NIIオープンサイエンス基盤研究センター. 海外大学事情:mihoチャネル. 2018-09-06.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2018/09/20180906/, (参照 2023-10-27).

(8)“研究評価に関するサンフランシスコ宣言”. DORA.
https://sfdora.org/read/read-the-declaration-japanese/, (参照 2023-10-27).

(9)船守美穂.“プランS改訂版、発効期限を1年延長 & プレプリント登録を義務化する「プランU」の提案”. NIIオープンサイエンス基盤研究センター. 海外大学事情:mihoチャネル. 2019-06-05.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2019/06/20190605/, (参照 2023-10-27).

(10)G7 Sendai. G7 Science and Technology Ministers’ Communique. 2023, 8p.
https://www8.cao.go.jp/cstp/kokusaiteki/g7_2023/230513_g7_communique.pdf, (accessed 2023-10-27).

(11)“Guidance on the Implementation of Plan S”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/guidance-on-the-implementation-of-plan-s/, (accessed 2023-10-27).

(12)“MARKET WATCH”. ESAC.
https://esac-initiative.org/market-watch/, (accessed 2023-10-27).

(13)Funamori, Miho. Plan S and transformative agreements and journals―What it means for non-Plan S countries, Global Overview of the Scholarly Publishing Landscape: Differences Between the North and the South and Possible Consequences of Plan S, FSCI2021, 2021, 38p.
https://researchmap.jp/funamori/presentations/33279507, (accessed 2023-10-27).

(14)“cOAlition S confirms the end of its financial support for Open Access publishing under transformative arrangements after 2024”. Plan S. 2023-01-26.
https://www.coalition-s.org/coalition-s-confirms-the-end-of-its-financial-support-for-open-access-publishing-under-transformative-arrangements-after-2024/, (accessed 2023-10-27).

(15)“Council calls for transparent, equitable, and open access to scholarly publications”. Council of the EU. 2023-05-23.
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2023/05/23/council-calls-for-transparent-equitable-and-open-access-to-scholarly-publications/, (accessed 2023-10-27).
High-quality, transparent, open, trustworthy and equitable scholarly publishing – Council conclusions (approved on 23 May 2023). Council of the EU, 2023, 9p.
https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-9616-2023-INIT/en/pdf, (accessed 2023-10-27).

(16)“Seeking input from the research community to establish a community-based scholarly communication system”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/towards-responsible-publishing/, (accessed 2023-11-07).
Plan S. Towards responsible publishing: a proposal from cOAlition S. 2023, 9p.
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/2023/10/Towards_Responsible_Publishing_web.pdf, (accessed 2023-11-07).

(17)内閣府科学技術・イノベーション推進事務局. 「公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方」(案)について(補足資料). 2023,
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20231019/siryo2.pdf, (参照 2023-10-27).

(18)前掲.

(19)船守美穂. Laurent Romary とRCOSの軽井沢合宿―データガバナンスと即時OAの報告―, 2023, 12p.
https://researchmap.jp/funamori/presentations/43453442, (参照 2023-10-27).

(20)最新研究情報システム(CRIS;E1791参照)やSymplectic社の“ Elements”、Elsevier社の“Pure”など。

(21)HAL.
https://hal.science/, (accessed 2023-10-27).

(22)書誌情報を抽出するツールGrobidやPUB2TEIを用いている。前者は出版社の論文XML、後者は論文PDFから書誌情報を抽出する。
以下のページでは、HALの登録時にPDFからメタデータ抽出していることが明記されている。
“Deposit”. HAL Documentation.
https://doc.archives-ouvertes.fr/en/deposit_new/, (accessed 2023-10-27).
また、以下ではPUB2TEIがフランスのオープンサイエンスモニター(French Open Science Monitor:BSO)で利用されていると記されている。
Bassinet, Aricia et al. Large-scale Machine-Learning analysis of scientific PDF for monitoring the production and the openness of research data and software in France. HAL, 2023, 57p.
https://hal.science/hal-04121339v3, (accessed 2023-10-27).

(23)“kermitt2/grobid”. Github.
https://github.com/kermitt2/grobid, (accessed 2023-10-27).

(24)Grobid.
https://kermitt2-grobid.hf.space/, (accessed 2023-10-27).

(25)“kermitt2/Pub2TEI”. Github.
https://github.com/kermitt2/Pub2TEI, (accessed 2023-10-27).

(26)Sherpa Romeo.
https://www.sherpa.ac.uk/romeo/, (accessed 2023-10-27).

(27)購読誌やエンバーゴ期間の設定された学術雑誌の場合、実際には、「著者最終稿」(AAM)の公開が想定される。分野にもよるが、AAMは正規の「出版版」(VoR)に価値が劣るため、出版側はそれほど恐れるに足りないという考え方もある。しかし一方で、大学側が主要な出版社の購読パッケージを諦めるほど、学術雑誌にかけることのできる予算が枯渇していることを考えると、質が多少には劣っても、学術雑誌の代替となりうるAAMが正規のVoRと同時に公開されることにより、購読契約が打ち切られる可能性は否定できない。

(28)“cOAlition S endorses the Subscribe to Open model of funding open access”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/coalition-s-endorses-the-s2o-model-of-funding-oa/, (accessed 2023-10-27).

(29)船守美穂. プランS改訂版発表後の展開―日本はプランSに何を学ぶか?. NII, 2020, 18p, .
https://www.nii.ac.jp/TechReports/public_html/20-005J.html, (参照 2023-10-27).

(30)“Subscribe to Open”. Annual Reviews.
https://www.annualreviews.org/S2O, (accessed 2023-10-27).

(31)“Diamond unearthed: shining light on community-driven Open Access publishing”. Plan S. 2021-03-09.
https://www.coalition-s.org/diamond-unearthed-shining-light-on-community-driven-open-access-publishing/, (accessed 2023-10-27).

(32)DIAMAS.
https://diamasproject.eu/, (accessed 2023-10-27).

(33)Ancion, Zoe et al. Action Plan for Diamond Open Access. 2022, 6p.
https://zenodo.org/records/6282403, (accessed 2023-10-27).

(34)“Project Activities and Results”. DIAMAS.
https://diamasproject.eu/the-results/, (accessed 2023-10-27).

(35)例えばIEEE Japan Councilでは以下のように規定している。
“The undersigned hereby assigns to [the publisher] all rights under copyright that may exist in and to: (a) the above Work, including any revised or expanded derivative works submitted to [the publisher] by the undersigned based on the Work; and (b) any associated written or multimedia components or other enhancements accompanying the Work”.
2020 IEEE SMC Hiroshima Chapter若手研究会Copyright Formの記入例. IEEE Japan Council.
https://www.ieee-jp.org/section/hiroshima/chapter/wp-content/uploads/sites/2/2020/07/copyright_form_yrw2020_sample.pdf, (accessed 2023-10-27).

(36)“ACS, Elsevier, and ResearchGate resolve litigation, with solution to support researchers”. ResearchGate. 2023-09-15.
https://www.researchgate.net/press-newsroom/acs-elsevier-and-researchgate-resolve-litigation-with-solution-to-support-researchers, (accessed 2023-10-27).

(37)“ACS, Elsevier, and ResearchGate resolve litigation, with solution to support researchers”. Coalition for Responsible Sharing. 2023-09-15.
http://www.responsiblesharing.org/2023-09-15-acs-elsevier-and-researchgate-resolve-litigation-with-solution-to-support-researchers/, (accessed 2023-10-27).

(38)“Plan S Rights Retention Strategy”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/rights-retention-strategy/, (accessed 2023-10-27).

(39)船守美穂. プランS改訂版発表後の展開―日本はプランSに何を学ぶか?. NII, 2020, 18p, .
https://www.nii.ac.jp/TechReports/public_html/20-005J.html, (参照 2023-10-27).

(40)以下のように表記されている。
“This research was funded in whole or in part by the Funder [Grant number]. For the purpose of Open Access, the author has applied a CC BY public copyright license to any Author Accepted Manuscript (AAM) version arising from this submission.”
“Plan S Rights Retention Strategy”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/rights-retention-strategy/, (accessed 2023-10-27).

(41)cOAlition S. Plan S and the sharing of Author Accepted Manuscripts without embargo and with a public copyright licence . 2020, 6p.
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/2020/07/Letter_to_publishers_Rights_Retention_Strategy_15July2020.pdf, (accessed 2023-10-27).

(42)“The Rights Retention Strategy and publisher equivocation: an open letter to researchers”. Plan S. 2021-04-20.
https://www.coalition-s.org/the-rrs-and-publisher-equivocation-an-open-letter-to-researchers/, (accessed 2023-10-27).

(43)Ibid.

(44)“Enabling Open Access through clarity and transparency: a request to publishers”. Plan S. 2022-03-01.
https://www.coalition-s.org/enabling-open-access-through-clarity-and-transparency-a-request-to-publishers/, (accessed 2023-10-27).

(45)“Enabling Open Access through clarity and transparency: summary of publishers responses”. Plan S. 2022-03-01.
https://www.coalition-s.org/enabling-open-access-through-clarity-and-transparency-summary-of-publishers-responses/, (accessed 2023-10-27).

(46)“Reviewing the Rights Retention Strategy – A pathway to wider Open Access?”. Plan S. 2022-10-31.
https://www.coalition-s.org/blog/reviewing-the-rights-retention-strategy-a-pathway-to-wider-open-access/, (accessed 2023-10-27).

(47)“Self-Archiving Policy”. University of Cambridge.
https://www.openaccess.cam.ac.uk/cambridge-open-access-policy/self-archiving-policy, (accessed 2023-10-27).

(48)“Research Publications & Copyright Policy ”. The University of Edinburgh.
https://www.ed.ac.uk/information-services/about/policies-and-regulations/research-publications, (accessed 2023-10-27).

(49)Labastida i Juan, Ignasi et al. Opening Knowledge: Retaining Rights and Open Licensing in Europe 2023. SPARC Europe. 2023, 94p.
https://doi.org/10.5281/zenodo.8084051, (accessed 2023-10-27).

(50)ノルウェーのトロムソ大学(2022年1月発効)、ノルウェー科学技術大学(2022年10月発効)、英国のエジンバラ大学(2021年発効)、シェフィールド・ハーラム大学(2022年10月発効)。

(51)“Reviewing the Rights Retention Strategy – A pathway to wider Open Access?”. Plan S. 2022-10-31.
https://www.coalition-s.org/blog/reviewing-the-rights-retention-strategy-a-pathway-to-wider-open-access/, (accessed 2023-10-27).

(52)“University rights-retention OA policies”. Open Access Directory.
https://oad.simmons.edu/oadwiki/University_rights-retention_OA_policies, (accessed 2023-10-27).

(53)“SCURL Rights Retention Statement”. SCURL.
https://www.scurl.ac.uk/rights-retention-statement, (accessed 2023-10-27).
なお、以下では世界の大学の権利保持ポリシー策定状況等についてまとめられている。
“University rights-retention OA policies”. Open Access Directory.
https://oad.simmons.edu/oadwiki/University_rights-retention_OA_policies, (accessed 2023-10-27).

(54)“19 October Webinar: Rights Retention. Be the next mover! How to implement a policy supporting rights retention and open licensing in your institution”. Knowledge Rights 21.
https://www.knowledgerights21.org/news-story/19-october-webinar-rights-retention-be-the-next-mover-how-to-implement-a-policy-supporting-rights-retention-and-open-licensing-in-your-institution/, (accessed 2023-10-27).

(55)2023年10月20日に筆者がPlan SのアンバサダーであるSally Rumsey氏に対して行ったインタビュー調査による。同氏は、オックスフォード大学図書館の学術コミュニケーションと研究データ管理の長でもあったことから、英国大学の動きに精通している。
“Sally Rumsey”. Plan S.
https://www.coalition-s.org/logo/sally-rumsey/, (accessed 2023-10-27).

(56)前掲.

(57)Labastida i Juan, Ignasi et al. op cit., p. 11.
https://doi.org/10.5281/zenodo.8084051, (accessed 2023-10-27).

(58)“Rights retention: publisher responses to the University’s pilot”. Unlocking Research. 2022-10-04.
https://unlockingresearch-blog.lib.cam.ac.uk/?p=3361, (accessed 2023-10-27).

(59)“Rights retention policy: an update after 9 months”. Open Scholarship. 2022-10-14.
https://libraryblogs.is.ed.ac.uk/openscholarship/2022/10/14/rights-retention-policy-an-update-after-9-months/, (accessed 2023-10-27).

(60) 2023年10月20日に筆者がPlan SのアンバサダーであるSally Rumsey氏に対して行ったインタビュー調査による。

(61) Tsakonas, Giannis et al. Secondary Publishing Rights in Europe : status, challenges & opportunities. Zenodo. 2023, 60p.
https://doi.org/10.5281/zenodo.8427390, (accessed 2023-10-27).

(62)Ibid.

(63)Knowledge Rights 21. A Position Statement from Knowledge Rights 21 on Secondary Publishing Rights. 2023, 16p.
https://www.knowledgerights21.org/wp-content/uploads/2022/10/KR21-Secondary-Publishing-Rights-Position-paper-v1.1.pdf, (accessed 2023-10-27).

(64)“Libraries call for European laws to enable open access”. Research Professional News. 2022-10-17.
https://www.researchprofessionalnews.com/rr-news-europe-regulation-2022-10-groups-call-for-european-laws-to-enable-open-access/, (accessed 2023-10-27).

(65)“#ZEROEMBARGO”. LIBER.
https://libereurope.eu/zeroembargo/, (accessed 2023-10-27).

(66)“Draft Law for the Use of Publicly Funded Scholarly Publications”. LIBER.
https://libereurope.eu/draft-law-for-the-use-of-publicly-funded-scholarly-publications/, (accessed 2023-10-27).

(67)“Supporting Zero-Embargo Green Open Access”. ACS Axial. 2023-09-21.
https://axial.acs.org/publishing/supporting-zero-embargo-green-open-access, (accessed 2023-10-27).

(68)“Zero-Embargo Green Open Access”. ACS Publications.
https://acsopenscience.org/researchers/zero-green-oa/, (accessed 2023-10-27).

(69)“Supporting Zero-Embargo Green Open Access”. ACS Axial. 2023-09-21.
https://axial.acs.org/publishing/supporting-zero-embargo-green-open-access?utm_source=pubsw&utm_medium=web&utm_campaign=IC001_ST0001R_T001148_Axial_Feed_Pubs_Home&src=IC001_ST0001R_T001148_Axial_Feed_Pubs_Home, (accessed 2023-10-27).

(70)“American Chemical Society and authors’ rights retention”. Plan S. 2023-10-17.
https://www.coalition-s.org/blog/american-chemical-society-acs-and-authors-rights-retention/, (accessed 2023-10-27).

(71)CAUL; Open Access Australasia. Council of Australian University Librarians and Open Access Australasia Statement on the American Chemical Society’s new Article Development Charges. 2023.
https://www.caul.edu.au/sites/default/files/documents/media/caul_oaa_statement_regarding_concerns_related_to_american_chemical_society_adc_model.pdf, (accessed 2023-10-27).

(72)“COAR’s response to the American Chemical Society’s new fee for repository deposit”. COAR. 2023-10-25.
https://www.coar-repositories.org/news-updates/coars-response-to-the-american-chemical-societys-new-fee-for-repository-deposit/, (accessed 2023-10-27).

(73)“The American Chemical Society Offers a New Twist on the Article Processing Charge: An Interview with Sarah Tegen”. Scholarly Kitchen. 2023-10-02.
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2023/10/02/the-american-chemical-society-offers-a-new-twist-on-the-article-processing-charge-an-interview-with-sarah-tegen/, (accessed 2023-10-27).

(74)“米国化学会(ACS)による著者最終稿の公開費導入に対する反対声明”. JPCOAR. 2023-11-10.
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/records/2000337, (accessed 2023-11-11).

(75)ハーバード大学のOAシニアアドバイザーであるPeter Suberは、ほかにもいくつか権利保持の方法をまとめている。
Suber, Peter. Methods of Rights Retention. 2023, 12p.
https://docs.google.com/document/d/1ucmrAnkOSnZdnYBuZAiK2acih0dYyWz4HAt9MYuxnJ4/edit, (accessed 2023-10-27).

(76)“19 October Webinar: Rights Retention. Be the next mover! How to implement a policy supporting rights retention and open licensing in your institution”. Knowledge Rights 21.
https://www.knowledgerights21.org/news-story/19-october-webinar-rights-retention-be-the-next-mover-how-to-implement-a-policy-supporting-rights-retention-and-open-licensing-in-your-institution/, (accessed 2023-10-27).

(77)DOAJでは、著者が自身の著作物の著作権を留保条件等なく保持し、出版社には「初めに出版する権利(right of first publication)」あるいは、それ以外の「非独占的な出版権(non-exclusive publishing rights)」を許諾することを推奨している。
DOAJ. Licensing & copyright.
https://doaj.org/apply/copyright-and-licensing/, (accessed 2023-10-27).

[受理:2023-11-13]

 


船守美穂. 動向レビュー:即時オープンアクセスを巡る動向:グリーンOAを通じた即時OAと権利保持戦略を中心に. カレントアウェアネス. 2023, (358), CA2055, p. 15-23.
https://current.ndl.go.jp/ca2055
DOI:
https://doi.org/10.11501/13123926


Funamori Miho
The Landscape of Immediate Open Access—With Focus on Immediate OA through the Green Route and the Rights Retention Strategy


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