CA1990 - 動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 船守美穂

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カレントアウェアネス
No.346 2020年12月20日

 

CA1990

動向レビュー

 

プランS改訂版発表後の展開
―転換契約等と出版社との契約への影響

国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター:船守美穂(ふなもりみほ)

 

 助成を受けた研究成果について完全即時のオープンアクセス(full and immediate OA)を求める「プランS」が2018年9月に発表されて、早2年が経過した。本稿の執筆時点からあと数か月もすると2021年1月となり、プランSが発効する。

 プランSは、2018年9月の発表段階においては「10の原則」でスタートしたが(1)、その後、これら原則を具体化する「実施ガイドライン」を2018年11月に発表した(2)。その後、パブリックコメントを経て、2019年5月末には、「10の原則」と「実施ガイドライン」の改訂版を発表し、このときに、当初2020年1月であったプランSの発効期日を、2021年1月に延期した(3)。プランSの打ち出し当初の衝撃と、改訂版発表の経過については、林(2019)(4)と拙稿(2019)(5)が詳しいので、それらを中心に参照されたい。

 プランSは改訂版を発表した後も着実に、その実施に向けて、制度の具体化を図っている。本稿では、プランSが特にターゲットしていたハイブリッド誌を巡る「転換契約・転換モデル契約・転換雑誌」を通じた対応と「価格透明性フレームワーク」を紹介し、これらが学術機関と出版社との契約に与えている影響について示唆を述べたい。

 なお、紙幅の都合から本稿では言及しないが、プランSをめぐるその他の同時期の重要な動向として、「権利保持戦略」の策定、「影響モニタリングのための枠組み」の発表、欧州研究評議会(ERC)の離脱などが挙げられる(6)。これらについては別途、国立情報学研究所(NII)の『NIIテクニカルレポート』に紹介する。

 

1. プランSの概要

 プランSは、20余りの欧州中心の研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sが推進するイニシアティブである。科学成果はオープンに共有されてはじめて、他者から検証され、新たな研究成果の積み重ねにつながるという理念のもと、参加機関が助成した研究成果について、完全即時のOAを求める。所謂「購読の壁」の向こうに置かれる論文はこの理念に反するし、況んや、購読料と論文掲載料(APC)の二重取りをするハイブリッド誌は、公共の理念に完全に反するというスタンスをとる。

 研究者がプランSの理念に準拠する方法としては、表1に示す3つの方法が示されている。Aの方法(ゴールドOA)が当初、最も望ましい方法として提示されており、Bの方法は機関リポジトリ上の公開(グリーンOA)への配慮から選択肢として上がっていたものの、エンバーゴ期間なしの公開は実質的に出版社に受け入れられない条件、Cの方法であるハイブリッド誌へのOA出版は、明示的に禁じられていた。しかしCの方法については、出版社からの反発と(8)、論文掲載先を限定される研究者からの反発により(9)、3年間の経過措置として、転換契約(transformative agreements;CA1977参照)に応じる出版社のハイブリッド誌については、APCの補助を認めることが、改訂版の「プランS実施ガイドライン」に明記された。プランSの言う転換契約とは、OA2020イニシアティブに基づき、完全OA出版への移行に向けて、購読料とAPCを合わせたRead&Publish契約を結ぶことである。

 

表1 プランSの「完全即時 OA」の条件に適合する3つの方法

  • OA誌またはOAプラットフォームへのOA出版
  • 購読誌への論文掲載と同時に、論文原稿をリポジトリ上に公開
  • 転換契約に応じている出版社のハイブリッド誌であれば、これにOA出版をし、APCの補助を得ることも可能(転換契約に応じていないハイブリッド誌へのOA出版は、APC補助を得られない)
出典:改訂版の「プランS実施ガイドライン」(7)より筆者が作成

 

 一方、このようにハイブリッド誌を強制的に完全OA誌に転換させることによって、購読料の代わりにAPCの価格が負担となるのでは元も子もないので、当初は「APCに上限を設ける」という表現があった。しかし、これについては出版社からの反発によりトーンダウンし、現在は、価格透明性を要求するにとどめている。

 転換契約については、出版社のビジネスモデルを「購読ベースからAPCベースへ」と転換させる大がかりな内容のため、これに対応しきれないだろう学会系の小規模出版については、擬似的な「転換モデル契約(transformative model agreements)」を開発するとしている。また、一出版社内において多様な学術雑誌を擁し、出版社単位での転換が難しい場合の代替策として、雑誌単位でOA誌に転換する「転換雑誌(transformative journals)」を想定している。

 

2. プランS改訂版発表後の展開

2.1 転換契約・転換モデル契約・転換雑誌

(1) 転換契約―いつの間にか骨抜きに?

 プランSの3つの「転換**」は、購読誌をOA誌に転換させることを意図としている。特に購読料とAPCの二重取りの温床となっているハイブリッド誌がターゲットである。2018年9月に「10の原則」が発表された際、ハイブリッド誌は原則9にて、「ハイブリッドモデルの学術雑誌は、本原則に適合しない」と除外されていた。その後、2018年11月に「実施ガイドライン」が発表されると、少し譲歩がなされ、「転換契約下にあるハイブリッド雑誌については、移行措置として、投稿を認める」とある。ここではじめて「転換契約」という用語が出現している。

 この2018年11月の時点では「実施ガイドライン」の第11項目に、転換契約の条件が、3段落ほどにわたり、かなり詳細に示されていた。具体的には、転換契約が移行措置に過ぎないこと、これら転換契約の透明性を確保するために、契約を締結した機関のウェブサイトと、OA市場に関するデータ収集を行うイニシアティブ「論文掲載料の効率化と標準(ESAC)」(10)に契約内容を掲載し、共有を促進することとした上で、表2に示す条件を明記している。なお、既存の購読誌と同一の内容をOAで刊行するミラー雑誌については、ハイブリッド誌と同様に、事実上、アクセスと出版の双方から収益を得る機能を果たすため、転換契約に含まれていない限り、認められないとしている。

 

表2 2018年11月時点の「転換契約」に関わる記述

  • 契約内容(契約額を含む)は、一般に公開されなければならない。
  • 契約は2021年末までに締結し、契約期間は3年以内でなければならない。
  • 契約内容には、契約期間終了後に出版ルートがどのように完全OAになるかのシナリオが掲載されていなければならない。
出典:改訂前の「プランS実施ガイドライン」(11)第11項目から「転換契約」の条件を抜粋

 

 これが2019年5月の改訂版においては、「転換契約・転換モデル契約・転換雑誌」の3つに多様化し、転換契約に関わる記述は元の3分の1ぐらいに縮小している。記述内容としては、「プランSは、OA2020を支持し、出版社が世界各国で転換契約を結び、その契約内容を共有することを期待する。機関やコンソーシアムには、新しい転換契約を結ぶことを推奨する。プランSは2021年1月以降、ESACガイドラインに準じる契約についてのみ、〔APCの〕補助を行う」となり、表2に挙げたような具体的な条件提示がなくなっている。つまり、3年以内に完全OAにならなければいけないという縛りがなくなっているのである。

 ESACの「転換契約ガイドライン」(12)(表3)を見ると、趣旨としては表2と同様なものの、期日設定やシナリオの明記などの記述が外されている。第4項目の、「転換契約の契約額は、これまでの購読料と同水準(costneutral)であるべきで、二重取りにあたるハイブリッド誌のAPC分が、契約額に上乗せされないことを期待する」としていることは評価できる。しかし、この文につないで、機関や国の置かれた条件の多様性にも言及しており、表現が軟化している。

 

表3 ESAC「転換契約ガイドライン」見出し

  • 転換契約は一時的な移行措置である
  • 論文著者は著作権を保持する
  • 契約内容は透明性を有さなければならない
  • 転換契約は、学術情報流通に関わるコストを抑制し、学術出版の平等性を醸成する
  • 転換契約は、出版社のサービスとワークフローを規定し、機関の論文著者や事務担当者のニーズに合致しなければならない
出典:ESAC「転換契約ガイドライン」(13)から見出しを抽出

 

 そもそもESACは、OA2020に関連してAPCや転換契約の理解を深めるために2014年に開始され、一時期、ドイツ研究振興協会(DFG)からの助成を得てINTACTというプロジェクトのもとにあった。しかし同プロジェクト終了の2018年10月以降は、独・マックスプランクデジタル図書館(MPDL)の元に置かれている図書館コミュニティによるイニシアティブで、それほどの強制力は有さないのである。

 

(2) 転換モデル契約―あまり役に立たない?

 転換モデル契約は、特に学会系出版などの中小規模の出版社を念頭に、出版社の転換契約と完全即時OAへの移行モデルを検討すると、2019年5月末のプランS改訂版に約束されていた。その後、プランS参加機関のうちの英・ウェルカム財団と英国研究・イノベーション機構(UKRI)が、Information Power社に移行モデルの検討を委託し、2019年9月にはそのレポート“Society Publishers Accelerating Open Access and Plan S (SPA OPS) Final Project Report”が公開されている(14)

 同社は市場調査により、完全即時OAへの移行モデルとして、表4に示す7カテゴリー27モデルを見いだしている。また、調査に参加した出版社に、これらモデルの採用可能性をアンケート調査し、これら27モデルのうち、Subscribe to Openを含む「転換モデル」が、可能性として最も適していると結論している。Subscribe to Open とは、図書館がオープンなコンテンツに対して擬似的に購読料を負担する方法である。フリーライダーが生まれる危険性もあることから、購読契約をする図書館が一定数に満たない年は、過去のアーカイブも含め、全てのコンテンツが非OAとなるという仕組みも内包している。非OAとなる年は、当該出版社はプランSの対象外となり、研究者も論文投稿できなくなるため、プランS対象国の図書館は必死で当該出版社を買い支えることが期待されている。なお、Publish&Read契約、Read&Publish契約、SCOAP3などの転換モデルは大がかりで、中小規模の出版社には向かず、このような調査をする発端となった契約形態のため、中小規模の出版社には採用しがたいと思われる。

 

表4 完全即時OAへの移行モデルとして示された7カテゴリー27モデル

  • ◯ 転換モデル(7)
    • 米・カリフォルニア電子図書館(CDL)転換契約パイロット、Knowledge Unlatched、 Libraria、Publish&Read契約、Read&Publish契約、SCOAP3、Subscribe to Open
  • ◯ 共同インフラと共同出資モデル(4)
    • Hrčak、Kotilava、Open Library for the Humanities、Project MUSE
  • ◯ オープンライセンスによる即時共有モデル(1)
    • 論文著者によるセルフアーカイブ
  • ◯ 論文単位の取引モデル(3)
    • APC支払いによるOA、機関によるプリペイモデル(特にAPCディスカウント付)、論文投稿費
  • ◯ オープン出版プラットフォーム(1)
    • 出版社によるF1000モデルの利用(Emerald Open Research 等)
  • ◯ 代替収入モデル(5)
    • 広告、クラウドファンディング、寄付 / 基金 / 助成、フリーミアムモデル、syndication
  • ◯ コスト削減(6)
    • 雑誌廃刊または雑誌統合、協働インフラ、論文掲載数の拡大、オンラインのみの出版、アウトソーシング、パートナー
出典:Information Power社の“Society Publishers Accelerating Open Access and Plan S(SPA OPS)Final Project Report”(15)(p.19-45)より抽出
(注)括弧内の数字は、各カテゴリーのモデル数。

 

 同社は、学会系出版社や図書館コンソーシアム、大学出版の関係者へのインタビュー調査やワークショップも行い、学会系出版の特徴を次のように捉えている。学会系出版は概して小規模で、APCベースのビジネスモデルでは安定しないこと。特に人文・社会科学系の分野においては、研究者がAPC補助の財源を有しない場合が多いこと。このため、学会系出版が完全即時OAに移行する場合は、APC以外の財源を確保しなくてはいけないことなどである。Subscribe to Openは、図書館からの財源確保の方法であるが、それ以外の財源確保の方法は表4のモデルの随所に示されている。レポートには複数回にわたり、「完全即時OA=APCによる収入確保」と誤解している出版社が多いが、決してそのようなことはないと強調している。

 さて、表4に挙げた方法は実際に、学会系出版などの中小規模の出版社に、役に立つのだろうか?中小規模の出版社は、年間の出版論文数が少ないので、APCのみの収入では心許ないのは明らかである。かと言って、他の財源の確保と言われても、これまでそのような努力をした経験もなければ、研究者が手弁当で運営しているような学会系出版において、そのような開拓をするような人的・時間的リソースにも欠けると想像される。Subscribe to Openを通じて、最も身近な図書館にアプローチすると言っても、図書館からすると、ニッチな分野の雑誌からアプローチがあった場合、これに出資をすべきか、判断に迷う面もあるだろう。

 とは言っても、プランS対象国の研究者から多くの論文投稿を得る出版社にとっては、待ったなしでなんらかの対応をとる必要があるのだろう。しかし、それほどでない出版社については、レポートにもあるように、プランS対象国の研究者についてはゼロエンバーゴによるセルフアーカイブ(表1-B)を許すというのが、最も現実的な解決のように思われる。これは、HighWire社が2019年2月に、27の非営利出版社を調査して得た結果にも重なる(16)

 

(3) 転換雑誌―これも骨抜きに?

 転換雑誌も、転換モデル契約同様、2019年5月末のプランS改訂版に初出の概念である。この段階で転換雑誌は、「OA比率が徐々に拡大し、二重取りがなされないよう、購読料がオフセットされ、一定期間内に完全OAに転換予定の雑誌」とされ、プランSはこの枠組みを開発するとしている。これを受け、プランSは2019年11月に「転換雑誌(案)」を公開し(17)、パブリックコメントを経て、2020年4月に最終版を発表している(18)

 表5に示す、案から最終版への変更点を見ると、転換雑誌の条件がだいぶ後退したことが見て取れる。特に一点目に挙げられた、完全OA誌への転換の条件が緩和し、転換期限が撤廃されているのは痛い。案段階では、OAコンテンツの年間伸長率8%以上、OAコンテンツが50%に達した時点で完全OA誌に転換しなくてはいけないという条件であったため、仮に期限がなかったとしても4年から5年で完全OA誌に転換することが期待できた。しかし確定版では、OAコンテンツの年間伸長率が絶対値ベースで5%以上、相対値ベースで15%以上OAコンテンツが75%に達した時点という条件であるため、たとえば現時点で完全に非OAの雑誌の場合、OAコンテンツが75%に達するまでに13年間かけることができる。それまでに多様な天変地異もあるだろうし、果たしてプランSはその時点まで存続するのであろうか?「2024年末には、転換雑誌への〔APC補助の〕助成を打ち切る」とあることだけが、雑誌が短期に完全OA誌に移行するインセンティブとなっている。

 

表5 転換雑誌の案から最終版への変更点と、転換雑誌のその他の条件

  • (変更点)
    • 完全OA誌への転換はOAコンテンツが50%に達した時点から75%に達した時点へ修正し、2024年12月までとする転換の期限を撤廃した。ただし、出版社は完全OAへと転換する約束をしなくてはならない。またプランSは、2024年末には、転換雑誌への〔APC補助の〕助成を打ち切る。
    • OAコンテンツの年間伸長率は前年比8%以上から、絶対値ベースで5%以上、相対値ベースで15%以上へと条件を緩和した。
    • 「推奨される追加基準」を削除し枠組み全体を6項目のみの構成へと簡素化した。
  • (その他の条件)
    • 価格透明性が保たれ、当該雑誌を購読契約する機関が非OAのコンテンツのみに対して購読料を負担することを保証しなくてはならない。
    • 転換雑誌に関わる要求への進捗とコンプライアンスを示す公的レポートを毎年提示しなくてはならない。このレポートは、OAと非OAコンテンツの双方についての利用状況(ダウンロード数、被引用数、altmetrics)を提示しなくてはならない。
出典:「転換雑誌(案)」(19)「転換雑誌最終版」(20)より作成

 

 転換雑誌が、シュプリンガー・ネイチャー社の出版部長であるInchcoombe氏にいいように操られているように見えるのも、気になる。もともと転換雑誌は、同氏の2019年5月頭段階の発案で(21)、これを受けて、5月末に発表された改訂版に「転換雑誌」が登場した。その後、転換雑誌の案が発表されても、同氏による公開質問状等、再三の押し返しがある。プランS側は、パブリックコメントを経て現内容に確定したと説明しているが(22)、同氏との相当の水面下の調整があったことは、ネイチャー誌とその姉妹誌がプランSに準拠するOA出版に移行予定との発表が、転換雑誌の確定版の発表と同日にあったことからも見て取れる(23)。このあたりの経緯は、筆者のブログ(24)に詳しいので、そちらを参照されたい。

 プランSによると、転換雑誌は、「学会系出版など、転換契約を行う体力のない出版社や、OA出版をプランS対象国以外の国々にも提供したい場合を想定」している(25)。しかし、転換雑誌は前節の学会系出版のための転換モデル契約の例(表4)に名前すら出てこない。またシュプリンガー・ネイチャー社は明らかに、学会系出版でも、(プランS対象国にはOA出版を提供できるが)それ以外の国々には提供できないでいる出版社でもない。転換雑誌は学会系出版向きというよりは、むしろシュプリンガー・ネイチャー社のように、多様なビジネスモデルの学術雑誌を有する大手出版社が、転換契約を通じて一度にOA出版できない場合に活用する、抜け道的なルートのように感じられる。

 

2.2 価格透明性フレームワーク―限定公開か?

 価格透明性の要求は、APCに上限を設けるという当初の要求が軟化して、プランSの改訂版から出現した。「APCは、雑誌や分野により大きく異なり、一律の上限を設けることは適切ではない」という、出版社からの要求に押されたかたちである。一方、分野等による差異は認めるにしても、APCの額を一定の「適正(fair)」な範囲にとどめるには、その価格設定の根拠が示される必要があるという判断から、「価格透明性フレームワーク」が開発されることとなった。価格透明性フレームワークは、一論文あたりのAPC算定の根拠となる指標群を提供し、APC価格の妥当性を、雑誌間で比較可能とする(26)

 価格透明性フレームワークは、「転換モデル契約」と同様、Information Power社への委託により開発された。同社は、表6に示す10社と検討を行い、雑誌単位で示すべき項目を策定している(29)。項目は3つのセクションで構成され、1)雑誌の書誌情報(雑誌名、ISSN等)(20項目)、2)雑誌の特性(採択率、出版頻度、査読回数)(11項目)、3)8つのカテゴリーの費用内訳情報(8項目)の計39項目が要求される。出版社はこれら情報を雑誌単位で可能な限り提示することを求められるが、各項目について±5%の範囲で類似の雑誌がある場合は、それらを一つに括ることも許されている。

 

表6 プランSの価格透明性フレームワーク2種

  • ◯ Information Power社により開発された「プランS価格透明性フレームワーク」
    • Annual Reviews, Brill, The Company of Biologists, EMBO Press, European Respiratory Society, F1000 Research, Hindawi, IOP Publishing, PLOS, Springer Nature によりパイロット実施
    • 提示すべき費用内訳:コミュニティ形成、投稿への初期判断、査読、論文採択に関わるサービス、出版後サービス、プラットフォームの開発運営、セールス / マーケティング、顧客対応
  • ◯ Fair Open Access Alliance (FOAA) により開発された、出版サービス別費用内訳
    • Frontiers, MIT Press, Copernicus, MDPI により実施済み
    • 提示すべき費用内訳:雑誌運営、出版、経費、コミュニケーション、一般、その他収入、ディスカウント等
出典:Information Power社・FOAAのフレームワーク(27)(28)より抜粋して筆者が作成

 

 一方、Fair Open Access Alliance(FOAA)が独自開発していた「出版サービス別費用内訳」もプランSに公認されている(30)。プランS関係者曰く、「すでに一部出版社が価格透明性を確保している枠組みがあるのであれば、それを敢えて否定したくなかった」とのことである。ただし、FOAA枠組みは雑誌単位ではなく出版社単位で報告する形式となっており、また、利益を明示的に記載するようになっているため、「大手商業出版社は、プランSが開発した枠組みの方がやりやすい可能性がある」とも指摘している(31)

 出版社は、いずれかの枠組みを選び、OA出版費用の内訳をプランSに提出しなくてはならない。提示がない場合、プランSに参加する研究助成機関は2022年7月1日以降、当該出版社に関わるいかなる支援も行わない。支援打ち切りの対象は研究者へのAPC補助だけでなく、APCを必要としないジャーナルやプラットフォームへの補助、転換契約や転換雑誌への補助も含む。

 さて、これらは「価格透明性フレームワーク」であるから、出版社から提示された「APCの費用内訳」は当然公開されるのかと思いきや、実はそうではない。プランSに参加する研究助成機関と学術機関にのみアクセス可能で、出版社側は他の出版社の情報は見ることの出来ない仕組みを現在検討中とのことである。なんでも出版社側から、「出版社間で価格設定に関わる情報が共有されると、談合など、独占禁止法に反すると疑われる可能性がある」との指摘があったためのようである。cOAlition Sは、法務弁護士を通じてその点の確認を行い、その可能性は低いと考えているが、出版社の主張に配慮し、限定的な公開と決めたようである(32)

 

3. プランSの影響―日本はどのように対応すべきか?

 プランSの「完全即時OA」の目標、その目標達成への大きな障壁となっていたハイブリッド誌をOA誌へと転換させるための方策としての「転換契約・転換モデル契約・転換雑誌」と「価格透明性フレームワーク」に向けた動きを紹介した。

 さて、プランSはその目標を達成できるのであろうか?前章で紹介したように、出版社からの強い要請のもと、当初の提案がなし崩し的に弱まっていることを踏まえると、プランSを象徴していた「ハイブリッド誌を許さない」「転換契約を通じて、ハイブリッド誌を3年以内に完全OA誌にする」という目標は、潰えていると言えるように見える。仮にこの目標が、国立の研究助成機関が参加する「プランS対象国」において実現したとしても、プランSには欧州を中心とする一部の国しか参加していないことを考えると、APC補助が打ち切られる2024年末においても、プランS非対象国による非OAの論文は、相当の割合で存在することが予想される。2018年時点で世界の学術出版の約半数を占める(図1)プランS非対象国による非OAの論文には、直接アプローチできないからである。つまり、これら非OAの論文から購読料は、プランS対象国においても、引き続き発生する。また、プランS非対象国で購読ベースの契約をする場合は、購読料とAPCの二重取りは引き続きなされるように思われる。

 

図1 世界の学術論文のOA比率(2018年)

出典:筆者がWeb of Science上の2018年出版論文を2020年8月3日に分析して作成
(注)図中の比率は各国・地域単位のOA比率
   各国・地域の下の比率は、全論文に対する各国・地域等の出版割合

 

 一方、ハイブリッド誌を完全OA誌に移行させるためであった「転換契約」は、その後、出版社のビジネス戦略にいいように利用されているようである。出版社は当初、購読料収入からAPC収入へと、ビジネスモデルの大転換を迫る転換契約に猛反発していたが、プランSの描く「論文の完全即時OA」の目標から逃れられないと悟ると、今度はいち早くそちらのモデルに転換することで、戦略的優位に立とうとしたようである。

 特にビッグ3(エルゼビア社、シュプリンガー・ネイチャー社、ワイリー社)以降の中堅から中小規模の出版社が、そのような行動に出ている。図2は、ESACに登録された転換契約を出版社別に分析し、機関との契約件数順に並べ替えたものであるが、英国王立化学会、ケンブリッジ大学出版局などの中堅どころの出版社の多くが、機関と転換契約をしているのが分かる。契約対象機関は、CDLやMPDL、CERN、その他ドイツやスペイン、米国、中国などの機関である。またESACには登録されていないが、これら出版社がプランS非対象国にもRead&Publish契約を提案しだしていることは、日本国内の事例(E2259参照)からも分かる。

 

図2 ESACに登録された出版社別の転換契約数(国・機関別)

出典:筆者がESACに登録された転換契約を2020年7月13日に分析して作成
(注)機関との契約件数順に並べ替え

 

 日本は現状では、プランSへの参加について、なんの意思表明もしていない。それは、プランSの構想が乱暴すぎたり、仮に実現しても、購読料がAPCになるだけで、大手商業出版社に学術情報流通が牛耳られる構造は変わらなかったり、というところがネックとなっていると想像される。

 一方、国レベルの判断がないと、出版社との契約交渉が機関ごとの判断に委ねられ、総じて対出版社の交渉力が弱まることが懸念される。出版社の立場に立ってみれば、転換契約を進めていかないと研究者からの論文投稿が途絶え、死活問題となるため、多少不利な条件であっても、プランS対象国の機関とはRead&Publish契約を締結する。しかし、プランS非対象国については、出版社の側にもRead&Publish契約を締結する必然性は低いため、購読契約であっても、Read&Publish契約であっても、出版社にとって有利な条件提示をすることになるからである。

 大学側からすれば、いずれの契約形態も結ばないという選択はないに等しいから(購読契約のみの提案で単純に値上げされれば、契約をしないという判断もあったかもしれないが)、Read&Publish契約という目先の変わった契約を提案されることによって、なし崩し的に、同出版社との契約を続行するということがあるように感じる。つまり大学側は、強気の判断あるいは交渉をする機会を逸し、結果として出版社にいいように操られる状況となる可能性がある。

 プランSの描く、APC依存の完全即時OAは好ましいとは思えないので、国レベルでプランSに参加することは考えものであるが、一方で出版社主導の契約内容からは逃れる必要がある。中国は、SCI論文を規制することを通じて、自国の学術雑誌への論文投稿を誘導する大胆な研究評価改革を打ち上げている(33)。インドは、プランSへの参加しない意思を示し、購読モデルで大手商業出版社とのナショナルライセンスを追求予定である。このライセンスは、一般国民もアクセスできるものとし、自国の研究者による論文のOAはグリーンOAにより実現の方向である(34)。日本はこれまでグリーンOAの推進を標榜(35)し、全国の大学図書館に機関リポジトリを整備し、またAPC不要の学術情報流通基盤としてJ-STAGEも運営しているのであるから、これらを前面に押し出した、独自の学術情報流通政策を打ち出すと良いのではないか?

 日本政府は、こうした独自の学術情報流通政策を打ち出すことにも及び腰に見える。しかし、このような策を講じない場合、公的資金が、購読料とAPCの二重取り状態で、欧米の大手商業出版社に流れ出していることを放置することとなる。そのような状況を、納税者にいずれ説明しなくてはいけない時期が来ることを念頭に、日本の研究助成機関や政府も、腹をくくって、独自の政策を打ち出す必要があるように思う。

 日本の研究力とヴィジビリティを向上させ、自国の学術情報流通基盤を振興する、独自の研究振興政策が待たれている。

 

(1) “Plan S”. cOAlition S.
https://web.archive.org/web/20180904122211/https://www.scienceeurope.org/wp-content/uploads/2018/09/Plan_S.pdf, (accessed 2020-10-27).
船守美穂. “欧州11の研究助成機関、2020年以降の即座OA義務化を宣言 ― 権威ある学術雑誌の終焉となるか?”. mihoチャネル. 2018-09-06.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2018/09/20180906/, (参照 2020-10-27).

(2) “Guidance on the Implementation of Plan S(Archived)”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/2020/09/271118_cOAlitionS_Guidance_annotated.pdf, (accessed 2020-10-27).
船守美穂. “即座OA義務化を求める欧州研究助成機関のプランS、具体的なガイドラインを発表”. mihoチャネル. 2018-12-02.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2018/12/20121202-2/, (参照 2020-10-27).

(3) “Accelerating the transition to full and immediate Open Access to scientific publications”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/PlanS_Principles_and_Implementation_310519.pdf, (accessed 2020-10-27).
船守美穂. “プランS改訂版、発効期限を1年延長 & プレプリント登録を義務化する「プランU」の提案”. mihoチャネル. 2019-06-05.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2019/06/20190605/, (参照 2020-10-27).

(4) 林豊.連載, オープンサイエンスのいま : Plan S:原則と運用. 情報の科学と技術. 2019, vol. 65, no. 2, p. 89-98.
https://doi.org/10.18919/jkg.69.2_89, (参照 2020-10-27).

(5) 船守美穂.プランS改訂―日本への影響と対応. 情報の科学と技術. 2019, vol. 69, no. 8, p. 390-396.
https://doi.org/10.18919/jkg.69.8_390, (参照 2020-10-27).

(6) “Plan S Rights Retention Strategy”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/rights-retention-strategy/, (accessed 2020-10-27).
“Monitoring the effects of Plan S on Research and Scholarly Communication: an update”. cOAlition S. 2020-07-10.
https://www.coalition-s.org/monitoring-the-effects-of-plan-s-on-research-and-scholarly-communication-update/, (accessed 2020-10-27).
“ERC Scientific Council calls for open access plans to respect researchers’ needs”. ERC. 2020-07-20.
https://erc.europa.eu/news/erc-scientific-council-calls-open-access-plans-respect-researchers-needs, (accessed 2020-10-27).

(7) “Accelerating the transition to full and immediate Open Access to scientiic publications”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/PlanS_Principles_and_Implementation_310519.pdf, (accessed 2020-10-27).

(8) Else, Holly. “High-profile subscription journals critique Plan S”. Nature. 2019-02-26.
https://doi.org/10.1038/d41586-019-00596-x, (accessed 2020-10-27).
船守美穂. “トップジャーナル、プランSを批判 & カリフォルニア大学、エルゼビア社と交渉決裂”. mihoチャネル. 2019-03-01.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2019/03/20190301/, (参照 2020-10-27).

(9) Enserink, Martin. “European science funders ban grantees from publishing in paywalled journals”. Science. 2018-09-04.
https://www.sciencemag.org/news/2018/09/european-science-funders-ban-grantees-publishing-paywalled-journals, (accessed 2020-10-27).

(10) ESAC.
https://esac-initiative.org/, (accessed 2020-10-27).

(11) “Guidance on the Implementation of Plan S(Archived)”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/2020/09/271118_cOAlitionS_Guidance_annotated.pdf, (accessed 2020-10-27).

(12) “Guidelines for Transformative Agreements”. ESAC.
https://esac-initiative.org/about/transformative-agreements/guidelines-for-transformative-agreements/, (accessed 2020-10-27).

(13) Ibid.

(14) “Report and Toolkit to Support Learned Society Publishers Transition to Immediate Open Access”. cOAlition S. 2019-09-12.
https://www.coalition-s.org/spa-ops-project/, (accessed 2020-10-27).
Wise, Alicia; Estelle, Lorraine. “Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS) project”. figshare.
https://doi.org/10.6084/m9.figshare.c.4561397.v3, (accessed 2020-10-27).

(15) Wise. op. cit.

(16) “Plan S: the options for publishers”. HighWire. 2019-02.
https://www.highwirepress.com/app/uploads/2019/02/HighWire-PlanS-Whitepaper.pdf, (accessed 2020-10-27).
船守美穂. “プランSにより学術雑誌、エンバーゴ期間なしのグリーンOAに進む可能性?”. mihoチャネル. 2019-05-30.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2019/05/20190530/, (参照 2020-10-27).

(17) “Addendum to the cOAlition S Guidance on the Implementation of Plan S”. cOAlition S. 2019-11-26.
https://web.archive.org/web/20191126171508/https://www.coalition-s.org/addendum-to-the-coalition-s-guidance-on-the-implementation-of-plan-s/, (accessed 2020-10-27).

(18) “Criteria for Transformative Journals” . cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/addendum-to-the-coalition-s-guidance-on-the-implementation-of-plan-s/, (accessed 2020-10-27).

(19) “Addendum to the cOAlition S Guidance on the Implementation of Plan S”. cOAlition S. 2019-11-26.
https://web.archive.org/web/20191126171508/https://www.coalition-s.org/addendum-to-the-coalition-s-guidance-on-the-implementation-of-plan-s/, (accessed 2020-10-27).

(20) “Criteria for Transformative Journals”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/addendum-to-the-coalition-s-guidance-on-the-implementation-of-plan-s/, (accessed 2020-10-27).

(21) Page, Benedicte. “Springer Nature calls on publishers to adopt new OA role”. The Bookseller. 2019-05-09.
https://www.thebookseller.com/news/springer-nature-calls-publishers-adopt-new-oa-role-1004951, (accessed 2020-10-27).

(22) “cOAlition S publishes updated criteria for Transformative Journals”. cOAlition S. 2020-04-08.
https://www.coalition-s.org/coalition-s-publishes-updated-criteria-for-transformative-journals/, (accessed 2020-10-27).

(23) “Revised ‘Transformative Journal’ criteria from cOAlition S are “challenging” but Springer Nature commits to transition majority of journals, including Nature”. Springer Nature. 2020-04-08.
https://group.springernature.com/fr/group/media/press-releases/springer-nature-plan-s/17877246, (accessed 2020-10-27).

(24) 船守美穂. “ネイチャー誌、プランSに含まれる見込み”. mihoチャネル. 2020-04-22.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2020/04/20200422/, (参照 2020-10-27).

(25) “Transformative Journals: Frequently Asked Questions”. cOAlition S. 2020-04-08.
https://www.coalition-s.org/transformative-journals-faq/, (accessed 2020-10-27).

(26) “cOAlition S announces price transparency requirements”. cOAlition S. 2020-05-18.
https://www.coalition-s.org/coalition-s-announces-price-transparency-requirements/, (accessed 2020-10-27).

(27) “Launch of the Plan S Price Transparency Framework”. Information Power.
https://www.informationpower.co.uk/launch-of-the-plan-s-price-transparency-framework/, (accessed 2020-10-27).

(28) “FOAA Breakdown of Publication Services and Fees”. FOAA.
https://www.fairopenaccess.org/foaa-breakdown-of-publication-services-and-fees/, (accessed 2020-10-27).

(29) “Launch of the Plan S Price Transparency Framework”. Information Power.
https://www.informationpower.co.uk/launch-of-the-plan-s-price-transparency-framework/, (accessed 2020-10-27).

(30) “FOAA Breakdown of Publication Services and Fees”. FOAA.
https://www.fairopenaccess.org/foaa-breakdown-of-publication-services-and-fees/, (accessed 2020-10-27).

(31) Wallace, Nicholas. “Open-access science funders announce price transparency rules for publishers”. Science. 2020-05-18.
https://www.sciencemag.org/news/2020/05/open-access-science-funders-announce-price-transparency-rules-publishers, (accessed 2020-10-27).

(32) Ibid.
“Plan S Price Transparency Frameworks: guidance & requirements”. cOAlition S.
https://www.coalition-s.org/price-and-service-transparency-frameworks/, (accessed 2020-10-27).

(33) “教育部 科技部印发《关于规范高等学校SCI 论文相关指标使用 树立正确评价导向的若干意见》的通知”. 中华人民共和国教育部. 2020-02-20.
http://www.moe.gov.cn/srcsite/A16/moe_784/202002/t20200223_423334.html, (参照 2020-10-27).
“科技部印发《关于破除科技评价中“ 唯论文” 不良导向的若干措施(试行)》的通知”. 中国科学报. 2020-02-23.
http://news.sciencenet.cn/htmlnews/2020/2/436125.shtm, (参照 2020-10-27).
船守美穂. “中国、研究評価におけるSCI論文と関連指標の使用を規制”. mihoチャネル. 2020-03-13.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2020/03/20200313/, (参照 2020-10-27).

(34) Mallapaty, Smriti. “India pushes bold ‘one nation, one subscription’ journal-access plan”. Nature. 2020-09-30.
https://doi.org/10.1038/d41586-020-02708-4, (accessed 2020-10-27).
船守美穂. “インド、一般国民もアクセスできる電子ジャーナルのナショナルライセンスを追求 ― 加えて、グリーンOAも推進の方向”. mihoチャネル. 2020-10-07.
https://rcos.nii.ac.jp/miho/2020/10/20201007/, (参照 2020-10-27).

(35) 文部科学省科学技術・学術審議会学術分科会学術情報委員会. “学術情報のオープン化の推進について(審議まとめ)”. 文部科学省. 2016-02-26.
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/04/08/1368804_1_1_1.pdf, (参照 2020-10-25).

 

[受理:2020-11-16]

 


船守美穂. プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響. カレントアウェアネス. 2020, (346), CA1990, p. 17-24.
https://current.ndl.go.jp/ca1990
DOI:
https://doi.org/10.11501/11596736

Funamori Miho
Development of Transformative Agreements after the Release of Plan S Revision
— The Impact on Contracts between the Publishers and Universities