cOAlition S、研究者の知的所有権を保護し不当なエンバーゴを抑止するための「権利保持戦略」を策定・公表

2020年7月15日、cOAlition Sは、研究者の知的所有権を保護し不当なエンバーゴを抑止するための「権利保持戦略」(Rights Retention Strategy)の策定を発表しました。cOAlition S の参加機関から助成を受けている研究者が、Plan Sの要件に完全に準拠しつつ、購読型を含むジャーナル上で研究成果を発表できるようにするものです。

Plan Sに準拠するための3ルートのうち、1つはリポジトリ経由となっていますが、その場合は、最低でも著者最終稿(AAM)をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY相当のライセンスの下で公開する必要があります。

今回発表された権利保持戦略はこのリポジトリルートに沿ったものであり、cOAlition S 参加機関による助成条件を変更し、以下の規定を含めることが示されました。また、変更後の助成条件について、出版社への周知を行うとしています。

・著者(又はその所属機関)は、オープンアクセス要件に準拠するために十分な知的財産権を保持する必要がある。
・著者(又はその所属機関)は、研究論文のAAM又は印刷版(VoR)公開時にオープンアクセスを確保する必要がある。全ての研究論文はCC BY相当のライセンスの下、あるいは、cOAlition S所属機関の決定による例外として、CC BY-ND相当のライセンスの下で利用可能としなければならない。

cOAlition S develops “Rights Retention Strategy” to safeguard researchers’ intellectual ownership rights and suppress unreasonable embargo periods(cOAlition S, 2020/7/15)
https://www.coalition-s.org/coalition-s-develops-rights-retention-strategy/

Plan S Rights Retention Strategy(cOAlition S)
https://www.coalition-s.org/rights-retention-strategy/

Implementation Roadmap of cOAlition S Organisations(cOAlition S)
https://www.coalition-s.org/plan-s-funders-implementation/

参考:
cOAlition S、英国のCottage Labs社がPlan S原則に準拠した出版方法の確認ツール“Journal Checker Tool”の開発・メンテナンス事業を落札したことを発表
Posted 2020年7月7日
https://current.ndl.go.jp/node/41445