カレントアウェアネス-E
No.35 2004.04.21
E192
武力紛争時の文化財保護条約を強化する議定書が発効
3月9日,「武力紛争時の文化財の保護に関する条約(1954年ハーグ条約)」(注)の第二議定書が発効した。同議定書は1999年3月に採択されていたが,発効には20か国の締約が必要で,2003年12月9日にようやく,コスタリカが20番目の締約国となった。
同議定書は,1990年代初頭の地域紛争による文化財の破壊を契機にハーグ条約見直しの機運が高まったことを受けて作成されたもので,軍事的必要性による文化財保護の免責の乱用を防ぐとともに,新たに「強化保護」制度を設け,また,刑事責任の強化,条約の履行を監視する委員会の設置,文化財保護のための基金の設立等が規定されている。
(注)1954年ハーグ条約には、2003年12月時点で108か国が締約しているが,我が国は批准していない。締約国は平時から武力紛争や災害等に備えて適切な文化財保護措置をとるとともに,締約国内全ての文化財を尊重し,武力紛争時の文化財の破壊や略奪行為等を禁止する義務を負う。
Ref:
http://www.unesco.org/culture/laws/hague/html_eng/protocol2.shtml
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/pr/pub/geppo/pdfs/02_3_1.pdf