米・ナッシュビル公共図書館、「読む自由」キャンペーンを立ち上げ:限定版「禁書」図書館カードを配布

2022年4月28日、米・テネシー州のナッシュビル公共図書館(Nashville Public Library; NPL)が、「読む自由」キャンペーン(“Freedom to Read”Campaign)を立ち上げたと発表しました。

キャンペーンの一環として、“I read the banned book”と表記された無料の限定版図書館カードの配布を開始しています。NPLの管区であるデビッドソン郡において1か月で5,000人への配布を目標としているとあります。NPLの図書館カードは、全米で禁書となった本や禁書となる可能性があるとされた本を含む、200万冊以上の本や資料への入り口であるとし、同キャンペーンは民主主義を維持するために不可欠な「読書の自由」を共有することで、コミュニティを一つにするための手段だとしています。

限定版図書館カードはデビッドソン郡の住民に無料で配布され、既存のカード所有者は追加料金なしで新しいカードにアップグレードすることができます。キャンペーンは5月26日まで行われます。

NPL LAUNCHES “FREEDOM TO READ” CAMPAIGN [PDF:219KB]
https://library.nashville.org/sites/default/files/2022-04/NPL-PRESS-RELEASE-NPL-LAUNCHES-FREEDOM-TO-READ-CAMPAIGN.pdf
※NPLによる、4月28日付のプレスリリースです。

参考:
米・ブルックリン公共図書館、キャンペーン“Books UnBanned”を開始:地域コミュニティで禁書に直面する全米の13歳-21歳にeカードを無料で発行
Posted 2022年4月22日
https://current.ndl.go.jp/node/46038

PEN America、米国の学校における禁書に関する調査レポートとリストを公開
Posted 2022年4月18日
https://current.ndl.go.jp/node/46003

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、禁書の対象となっている本へのアクセスを電子書籍アプリ“SimplyE”で提供
Posted 2022年4月14日
https://current.ndl.go.jp/node/45987

米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2022年版)および「2021年に最も批判を受けた図書」を公表
Posted 2022年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/45973

米国の学校図書館で静かに本が撤去されている(記事紹介)
Posted 2022年4月5日
https://current.ndl.go.jp/node/45936

2017年の米国の“Library of the Year”が発表される:ナッシュビル公共図書館
Posted 2017年6月7日
https://current.ndl.go.jp/node/34124