2022年4月13日、米・ブルックリン公共図書館(BPL)が、全米の図書館で増加する検閲や禁書による悪影響に立ち向かう若者を支援するためのキャンペーン“Books UnBanned”を開始したと発表しました。
全米の13歳から21歳を対象とした期間限定のキャンペーンです。背景として、各州での禁書の活発化や、禁書の対象はティーンエイジャー向け資料が多いこと等を挙げています。BPLのeカードを申請することで、禁書とされた本を含む、BPLの電子書籍コレクションの利用が可能となります。通常、州外の発行にかかる50ドルの手数料は免除されます。
eカードは1年間有効で、35万冊の電子書籍、20万冊のオーディオブック、100以上のデータベースへのアクセスが提供されます。また、ブルックリンの仲間とつながり、検閲に対抗するための情報やリソース、本の推薦、読書の自由の擁護などに関し、互いに協力できるようになるとしています。
また、頻繁に批判される本について、BPLのカード所有者全員に、図書館のオンラインカタログや読書用アプリLibbyを通して、予約や待ち時間なしで利用できるようにする予定であるとしています。
Brooklyn Public Library Offers Free eCards to Teens Nationwide Facing Book Bans in Local Communities(Brooklyn Public Library, 2022/4/13)
https://www.bklynlibrary.org/media/press/brooklyn-public-library-94
Books Unbanned(Brooklyn Public Library)
https://www.bklynlibrary.org/books-unbanned
参考:
PEN America、米国の学校における禁書に関する調査レポートとリストを公開
Posted 2022年4月18日
https://current.ndl.go.jp/node/46003
米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、禁書の対象となっている本へのアクセスを電子書籍アプリ“SimplyE”で提供
Posted 2022年4月14日
https://current.ndl.go.jp/node/45987
米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2022年版)および「2021年に最も批判を受けた図書」を公表
Posted 2022年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/45973
米国の学校図書館で静かに本が撤去されている(記事紹介)
Posted 2022年4月5日
https://current.ndl.go.jp/node/45936
米・OverDrive社、同社の電子書籍提供サービスを企業・大学・法律図書館向けに補完する新しい事業部門“OverDrive Professional”を設立
Posted 2020年5月13日
https://current.ndl.go.jp/node/40929