米・ブルックリン公共図書館、禁書の対象となった本を利用できるよう図書館カード5,100枚を若者に無料で発行(記事紹介)

米・CNNが、2022年9月15日付で記事“Brooklyn Public Library has issued 5,100 free library cards to make banned books available for teens”を掲載しました。

2022年初めに一部の公共図書館や学校図書館が禁書の対象となった本を撤去したことを受けて、米・ブルックリン公共図書館(BPL)が立ち上げたイニシアチブ“Books UnBanned”のその後に関するものです。

BPLでは検閲や学校・公共図書館での禁書の増加に対抗するために4月にイニシアチブ“Books UnBanned”を立ち上げ、禁書となった本を全米の若者が電子書籍等で利用できるよう、通常有料となっている州外へのeカードを13歳から21歳に無料で発行しています。記事では同館のチーフライブラリアンであるヒギンズ(Nick Higgins)氏による話として、この数か月で全米の若者に5,100枚を超えるeカードが無料で発行されたとしています。また、イニシアチブ開始以降、米国すべての州とワシントンD.C.の13歳から21歳までの読者が電子カードを申請しており、推定18,000 冊の電子書籍またはオーディオブックが毎月貸し出されているとしています。

イニシアチブの成功により、同館は期間限定としていたこのプログラムを無期限で継続する予定で、ヒギンズ氏によると、若者は引き続き無料のeカードを1年間入手でき、更新することも可能になるだろうとしています。

Brooklyn Public Library has issued 5,100 free library cards to make banned books available for teens(CNN,2022/9/15)
https://edition.cnn.com/2022/09/15/us/brooklyn-library-banned-books-access-reaj

参考:
米・ブルックリン公共図書館、キャンペーン“Books UnBanned”を開始:地域コミュニティで禁書に直面する全米の13歳-21歳にeカードを無料で発行
Posted 2022年4月22日
https://current.ndl.go.jp/node/46038

米国図書館協会(ALA)、2022年の禁書に関する暫定データを公開:2022年の禁書の申し立て件数は2021年を上回る見通し
Posted 2022年9月22日
https://current.ndl.go.jp/node/46873

米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2022年版)および「2021年に最も批判を受けた図書」を公表
Posted 2022年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/45973

PEN America、米国の学校における禁書に関する調査レポートとリストを公開
Posted 2022年4月18日
https://current.ndl.go.jp/node/46003