2021年12月20日付で、米国図書館協会(ALA)の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行する“Information Technology and Libraries”(ITAL)誌の第40巻第4号に、米・ウィスコンシン大学のEric Ely氏による論文“Diversity, Equity & Inclusion Statements on Academic Library Websites”が掲載されています。
多様性・公平性・包括性(DEI)に関するステートメントについて、米国の大学図書館16館のウェブサイトを対象として2020年7月・11月、2021年4月に行われた調査の結果がまとめられています。
結果として、2020年11月時点で12館のウェブサイトにステートメントが掲載されており、2021年4月には1館増加していた一方、全ての図書館がイベント等何らかの形でDEIに関する取組を行っていたことが指摘されています。また、8館がDEIステートメントの独立したウェブページを持ち、4館は図書館の概要等その他のコンテンツと同じウェブページに掲載していたと述べています。
ステートメントの内容については、多様性に関する曖昧な概念や図書館中心的な表現を用いているものがある一方、反人種差別的・社会正義的な表現を用いて図書館を社会変革に積極的に関わる組織として位置づけているものもあったこと等を挙げています。結果を踏まえ、DEI向上への継続的な関与のため、さらなる取組が必要であるとしています。
Ely, Eric. Diversity, Equity & Inclusion Statements on Academic Library Websites. information technology and libraries. 2021, 40(4).
https://doi.org/10.6017/ital.v40i4.13353
参考:
米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層を対象に2020年秋に実施した多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査の報告書を公開
Posted 2021年3月19日
米国図書館協会(ALA)、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)、抗議デモへの参加者・ジャーナリストへの警察の暴力を非難する声明を発表
Posted 2020年6月12日
https://current.ndl.go.jp/node/41205