図書館におけるハッカソンの歴史と発展(2014年-2020年)(文献紹介)

2021年12月20日付けで、米国図書館協会(ALA)内の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行するオープンアクセスの査読誌“Information Technology and Libraries”誌の第40巻第4号に、米・オハイオ州立大学図書館のMeris Mandernach Longmeier氏による論文“Hackathons and Libraries”が掲載されています。

2014年から2020年にかけての図書館におけるハッカソンの歴史と発展についてScopusやGoogle Scholarで検索した文献等を元に紹介しています。

論文では、図書館におけるハッカソンは、当初はベンダーがスポンサーとなってコンテンツやプラットフォームのアクセシビリティ等に焦点を当てて開催されていたものの、次第にコミュニティ等とのつながりの構築や図書館サービスのアピール等を目的に開催されるようになったと述べられています。また、図書館における柔軟なスペース活用、技術支援の充実、館内の飲食制限の緩和が進むにつれて、図書館は理想的なイベント開催場所となったとあります。さらに、“collections-as-data”の動きが進展すれば、図書館のデータに関連したサービスを開発する機会も増え、ハッカソン、エディタソン、データソンなどのテーマに活用しやすくなるだろうと述べられています。

Longmeier, M. M.. Hackathons and Libraries. Information Technology and Libraries. 2021, 40(4), 19p.
https://doi.org/10.6017/ital.v40i4.13389

参考:
E2235 – 2019アーバンデータチャレンジ京都 in NDL関西館<報告>
カレントアウェアネス-E No.386 2020.02.27
https://current.ndl.go.jp/e2235

E2275 – あっちこっち れはっち!:ウィキペディアタウンに連れてって
カレントアウェアネス-E No.394 2020.07.09
https://current.ndl.go.jp/e2275