2020年11月15日、三重県立四日市工業高等学校は、同校の2年生の在校生が「第66回工高生デザインコンクール」で最優秀賞を受賞したことを発表しました。
「工高生デザインコンクール」は、高校生の設計技能の向上を目的として、日本建築協会の主催により1955年から毎年開催されているコンクールです。2020年は『現代』の茶室を設計課題として開催され、119点の応募作品から入選作品が選出されました。
2020年の同コンクールでは「読まない図書館」をテーマとした作品が最優秀賞に選出されています。同作品は、図書館が障害を持つ人々にとって、公共建築として機能していないという設計者の経験をもとに制作されました。もてなす側ともてなされる側の一体感を非日常の空間で形成するという茶室の考え方に着想を得た、既存の図書館の敷地内に「一冊の本を通して、もてなす側ともてなされる側の一体感を感じられる非日常空間」である、と説明しています。
同作品は、既存の図書館に隣接した空間で障害を持つ人々がホストとなり、手話・点字・要約筆記等の様々な表現方法によって、図書館で本を借りた一般の人々に多様な体験を提供する場として設計されています。
同コンクールの入選作品は、日本建築協会の会誌『建築と社会』の2021年1月号に掲載される予定です。
コンペティション受賞者紹介(三重県立四日市工業高等学校)
http://www.mie-c.ed.jp/tyokka/archi.html
http://www.mie-c.ed.jp/tyokka/images/archi/kyoukai2020.jpg
※2020.11.15付で「日本建築協会製図コンクールで全国1位に輝く」とあります。
※2つ目のリンクは最優秀賞を受賞した作品です。[JPG:1.45MB]
関連:
2020年度 第66回工高生デザインコンクール 設計課題 『現代』の茶室(日本建築協会)
http://www.aaj.or.jp/project/award/design66.html
第66回 工高生デザインコンクール 入選者発表−設計課題:『現代』の茶室−(日本建築協会)
http://www.aaj.or.jp/project/award/design_result66.html
参考:
CA1580 – 動向レビュー:「場所としての図書館」をめぐる議論 / 根本彰
カレントアウェアネス No.286 2005.12.20
https://current.ndl.go.jp/ca1580
CA1941 – 日本図書館協会建築賞について / 植松貞夫
カレントアウェアネス No.338 2018年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1941
E2091 – あらゆる人が集う場所に:英・公共図書館建築の優良事例から
カレントアウェアネス-E No.360 2018.12.20
https://current.ndl.go.jp/e2091
E2269 – 地域の拠点としての図書館施設:国立国会図書館の調査研究
カレントアウェアネス-E No.392 2020.06.11
https://current.ndl.go.jp/e2269
No.18 地域の拠点形成を意図した図書館の施設と機能
https://current.ndl.go.jp/report/no18