2021年1月25日と1月26日に、文部科学省委託事業令和2年度読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修「ピアサポートができる司書等育成研修会」がオンラインで開催されます。
同研修は、主催者である文部科学省が、公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)に委託したものです。
「ピアサポート」は、障害当事者が同じ障害のある人の支援を行うことを指しており、2019年6月に施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)で、重要性が明示されています。同研修は、これを受けて開催されると述べられています。
対象としては、公立図書館等や点字図書館で働く視覚障害者職員、公立図書館等で働くことを希望する視覚障害者、図書館における視覚障害者の採用を検討している自治体関係者等が挙げられています。
定員は、1月25日が90人、1月26日が20人であり、事前の申し込みが必要で、参加費は無料です。
当日の主な内容は以下の通りです。
●1月25日
司会:佐藤聖一氏(埼玉県立久喜図書館、日本図書館協会 障害者サービス委員会委員長)
・基本研修1「視覚障害者等の読書環境に係わる法・制度等の基本(著作権法、郵便法、マラケシュ条約、読書バリアフリー法等)」
講師:杉田正幸(国立国会図書館、日本図書館協会 障害者サービス委員会 関西小委員会委員長)
・基本研修2「視覚障害者等の読書を支えるツールの基本(障害者用資料、機器等)」
講師:松井進氏(千葉県立西部図書館、公共図書館で働く視覚障害職員の会事務局長)
・視覚障害者が公共図書館で働く意義と目的(歴史、現状報告を含む)
講師:服部敦司氏(枚方市立中央図書館、公共図書館で働く視覚障害職員の会代表)
・パネルディスカッション「いま、なぜピアサポートなのか-未来へ向けてのメッセージ」
パネリスト:杉田正幸、松井進氏、服部敦司氏、尾崎 栞氏(埼玉県立久喜図書館)、中山玲子氏(日野市立中央図書館)
●1月26日
司会:宮崎佳代子氏(千葉県立東部図書館)
・読書ツールの利用と指導Ⅰ DAISY再生機
講師:荒川明宏氏(㈱ラビット代表取締役)
・読書ツールの利用と指導Ⅱ iPhone/iPad
講師:荒川明宏氏
・読書ツールの利用と指導Ⅲ Androidスマホ/タブレット
講師:荒川明宏氏
・点訳者・音訳者等、資料製作者に対する指導・助言 (事例紹介)
奥野真里氏(日本ライトハウス情報文化センター)、斉藤恵子氏(横浜市中央図書館)
文部科学省委託事業 令和2年度読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修「ピアサポートができる司書等育成研修会」(なごや会)
http://www.nagoyakai.com/event/20210125.html
参考:
CA1974 – 読書バリアフリー法の制定背景と内容、そして課題 / 野口武悟
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://doi.org/10.11501/11509684
E2307 – 「読書バリアフリー基本計画」を読む
カレントアウェアネス-E No.399 2020.10.01
https://current.ndl.go.jp/e2307
E2064 – 公共図書館の障害者サービス:国立国会図書館の調査研究
カレントアウェアネス-E No.355 2018.10.04
https://current.ndl.go.jp/e2064
E2041 – マラケシュ条約の締結・著作権法の改正と障害者サービス
カレントアウェアネス-E No.350 2018.07.12
https://current.ndl.go.jp/e2041