米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)のマークス館長、新型コロナウイルス感染症拡大下における図書館のデジタルサービス拡充の必要性をNew York Times紙上で主張

2020年5月28日付の米・New York Times紙のOpinion面に、ニューヨーク公共図書館(NYPL)のマークス(Anthony Marx)館長による寄稿“Libraries Must Change”が掲載されています。

同寄稿は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中でも、図書館が自らの使命に忠実であり続けるため、図書館はデジタルサービスの提供をより一層拡充すべきであると主張する内容です。マークス館長は、図書館はあらゆる人々にその背景や環境によらず、機会を提供し、社会の一員となるために必要な道具や知識への自由なアクセスを提供するという使命があり、この使命に忠実であり続けるために、全ての図書館は根本的な変化を受け入れなければならないと主張しています。また、未曽有の課題に直面した人々のために、図書館はサービスの場を仮想空間上に移行し、人々の物理的な距離が隔てられていても、公共へ奉仕し人々を結び付けられるような新しい方法を模索する必要があると説いています。

その他同寄稿の中では、感染症のもたらした危機により、図書館がデジタル技術・バーチャル技術とそれらの専門知識へ投資し続けなければならないことが明白になったことや、全ての図書館は現在ウェブ上で利用可能な断片的な情報提供だけでなくすべての書籍と蓄積された知識に対する最大限のデジタルアクセス提供を目指すべきであり、このようなデジタル公共図書館が必要不可欠な公共インフラとして構築されなければならないこと、などのマークス館長による主張が展開されています。

Libraries Must Change(New York Times,2020/5/28)
https://www.nytimes.com/2020/05/28/opinion/libraries-coronavirus.html

参考:
ニューヨーク公共図書館の次期館長はアマースト大学学長のMarx氏に(米国)
Posted 2010年10月8日
https://current.ndl.go.jp/node/16937

ニューヨーク公共図書館の将来像について、マークス館長がステートメント公表
Posted 2012年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/20615

ニューヨーク公共図書館のマークス館長のインタビューが公開
Posted 2014年7月17日
https://current.ndl.go.jp/node/26599

CA1968 – 映画評『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』 / 江上敏哲, 谷口正樹, 門林岳史
カレントアウェアネス No.343 2020年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1968