オープンアクセス・イニシアチブの1年を振り返る(記事紹介)

学術情報流通に関連した話題を提供する学術出版協会Society for Scholarly Publishing(SSP)が運営するブログ“The Scholarly Kitchen”に、2025年10月22日付けで、記事“The First Year of an Open Access Initiative in Review”が掲載されています。著者は、米国ペンシルバニア州のドレクセル大学図書館(Drexel University Libraries:DUL)のディスカバリー・ライブラリアンであるHannha Purtymun氏です。

2024年1月、DULは、同大学に所属する研究者のオープンアクセス出版への参加を促進するため、出版者と複数の転換契約(transformative agreement)を行うオープンアクセス・イニシアチブを開始しました。

イニシアチブの開始から1年間で、参加率は比較的高く、コスト削減効果は当初の予想を上回り、他のほとんどの大学よりも高い水準となったとしています。また、2025年はアウトリーチ活動に重点を置き、出版者を拡大したところ、参加率とコスト削減効果が向上しているとしています。

転換契約は、大学図書館が研究者と知識の普及を支援する最良の方法の一つであると同時に、コスト削減によって大学にも利益をもたらすとしています。

Guest Post – The First Year of an Open Access Initiative in Review(Scholarly Kitchen, 2025/10/22)
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2025/10/22/guest-post-the-first-year-of-an-open-access-initiative-in-review/

参考:
CA2064 – 動向レビュー:国内の大学における電子ジャーナルの転換契約をめぐる動向 / 小陳左和子, 山崎裕子
カレントアウェアネス No.360 2024年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2064