2023年6月25日、米国図書館協会（ALA）と米国出版社協会（AAP）が、1953年に発表された「読書の自由」声明（Freedom to Read Statement）を再確認する声明を発表しました。
図書館、学校、出版社、著者、書店を標的にした検閲の脅威が続く中、同声明が2023年で70周年を迎えるにあたり、書籍に関わる業界全てのメンバーに同宣言への支持を呼びかけています。すでに著作者団体Authors Guildと米国書籍販売協会（ABA）をはじめとする多数の団体や著者が署名しています。
同宣言は「読書の自由は民主主義にとって不可欠である。それは絶えず攻撃を受けている。」で始まっており、現代にも通ずるものであるとしています。そして、米国では過去1年で、米国人の読書を制限したりする60以上の州法案が提出されたこと等を挙げています。発表の中ではALAの会長とAAPのCEOのコメントが掲載され、関係者に署名が呼び掛けられています。
American Library Association, Association of American Publishers Reaffirm 1953 Freedom to Read Statement, Joined by the Authors Guild and American Booksellers Association（ALA, 2023/6/25）
https://www.ala.org/news/press-releases/2023/06/american-library-association-association-american-publishers-reaffirm-1953
Association of American Publishers and American Library Association Reaffirm 1953 Freedom to Read Statement, Joined by the Authors Guild and American Booksellers Association（AAP, 2023/6/25）
https://publishers.org/news/association-of-american-publishers-and-american-library-association-reaffirm-1953-freedom-to-read-statement-joined-by-the-authors-guild-and-american-booksellers-association/
The Freedom to Read Statement（Unite Against Book Bans）
https://uniteagainstbookbans.org/freedomtoread/#signatories
参考：
米・EveryLibrary、図書館に影響を与える2023年の州法案についてまとめた報告書“Unpacking 2023 Legislation of Concern for Libraries”を公開 [2023年07月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/184663
米・EveryLibrary、2023年の懸念される法律等をまとめたページを公開 [2023年06月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/182735
米国図書館協会（ALA）、米国図書館界の概況についての報告書（2023年版）及び「2022年に最も批判を受けた図書」を公表 [2023年04月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/180922
CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029
※タイトルの一部を修正しました。（2023/7/18）
