米国図書館協会(ALA)、検閲との戦いを支援するために100万ドルを分配へ

2023年6月22日、米国図書館協会(ALA)が、検閲との戦いを支援するために100万ドルを分配することを発表しました。

全米で検閲の問題が増大し、人々が読む権利を守るためにより多くのリソースを求める中で、知的自由のイニシアチブを支援・拡大するために資金を分配するとしています。資金は慈善活動団体Solidarity Givingから提供されるとあります。ALAはこの資金により、全米の協会員、図書館職員、図書館、そして図書館が奉仕するコミュニティを支援するための取組を大きく後押ししていくとしています。

ALAでは、知的自由部(OIF)の人員を倍増し検閲に対するOIFの取組を推進していくほか、法律専門家や図書館専門家が検閲への対応に必要な専門知識を得るためのプログラムの拡大や既存のリソースと新しい教育イニシアチブの支援等にも資金が充てられるとあります。

これらのALAの取組は今夏に開始される予定で、知的自由に関する進行中の活動を基礎として、来年にかけて展開されるとあります。

American Library Association to Distribute $1 Million to Support Fight Against Censorship(ALA, 2022/6/22)
https://www.ala.org/news/press-releases/2023/06/american-library-association-distribute-1-million-support-fight-against

参考:
米国図書館協会(ALA)、米・バイデン政権が発表した禁書に関する対応を歓迎 [2023年06月12日]
https://current.ndl.go.jp/car/183302

米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2023年版)及び「2022年に最も批判を受けた図書」を公表 [2023年04月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/180922

米国図書館協会(ALA)、2022年の検閲に関するデータを公表:検閲の要求は2021年の2倍近くに上る1,269件でALAの集計開始以来最多 [2023年04月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/179754

CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029