チェコの図書館によるウクライナ避難民への支援(記事紹介)

2023年5月17日付で、IFLAのウェブサイトに、チェコの図書館によるウクライナ避難民への支援に関する記事が掲載されました。著者は、チェコ国立図書館員でありチェコ図書館情報専門家協会員のLinda Jansová氏です。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始以降、チェコは50万人近くのウクライナ避難民にとっての避難先となっています。人口約1,050万人に対し5,000以上の図書館を擁する同国は、図書館ネットワークが世界で最も発達していると言われることもあり、ウクライナ避難民への対応も早かったとあります。

記事では、ウクライナの子どものための教材や情報を提供する専用ポータルサイトが開設されたことや、チェコ国立図書館のウェブサイトにウクライナの人々をサポートするための情報リソースを掲載したページが追加されたことなど、同国の図書館による具体的な対応事例が紹介されています。

また、2023年2月には図書館による避難民の支援への関与に関する調査が実施されたとあります。115の図書館が参加したこの調査では、あらゆる種類や規模の図書館がそれぞれの役割を果たし、特に子どもを持つ家族と15歳未満の子どもの支援に重点を置いた取組が行われたことが明らかになったと述べられています。

Czech Libraries Assist Ukrainian Refugees(IFLA, 2023/5/17)
https://www.ifla.org/news/czech-libraries-assist-ukrainian-refugees/

Knihovny pomáhají ukrajině [PDF:44ページ]
https://ipk.nkp.cz/docs/ukrajina/2023_Knihovny_pomahaji_Ukrajine.pdf
※2023年2月に実施された、図書館による避難民支援への関与に関する調査報告書です。

参考:
ウクライナ国内外における支援を通して図書館のレジリエンスに目を向ける(記事紹介)[2022年05月17日]
https://current.ndl.go.jp/car/46138

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)ら、ウクライナ避難民へのサービス提供のアクセスポイントをホストするネットワーク“Libraries for Refugees”を創設 [2022年04月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/46015

図書館はウクライナのために何ができるか:図書館の取組の紹介(記事紹介) [2022年03月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/45887

ロシアによるウクライナへの侵攻に対する、国立図書館・文書館・博物館および関係機関等の声明 [2022年03月01日]
https://current.ndl.go.jp/car/45704

E2483 – ロシアによるウクライナ侵攻に関連する図書館・博物館の状況
カレントアウェアネス-E No.433 2022.04.21
https://current.ndl.go.jp/e2483