図書館はウクライナのために何ができるか:図書館の取組の紹介(記事紹介)

デンマーク・ロスキレ市で図書館・市民サービス部門のディレクターを務めるChristian Lauersen氏のブログ“The Library Lab”に、2022年3月19日付けで記事“How libraries can help and support Ukraine, refugees and communities”が掲載されています。

記事では、図書館は紛争下においても困っている人々を助けるために積極的な役割を果たしているとし、図書館がロシアのウクライナ侵攻により生じた問題に対しどのように取組み、犠牲者や避難民を助け、戦争に関する知識や情報を確保しているか、例を挙げて紹介しています。

避難民に関して図書館ができることとして、まず避難所や居場所の提供を挙げ、ポーランドの図書館における取組例を紹介しています。また、募金・支援活動に関して、地域で寄付された本などを売るフェアを開催して難民支援の資金を集めたり、難民支援のボランティア活動のために図書館職員に有給休暇を与えている図書館があるとしています。

図書館における避難民のための活動としては、以下の取組や役割などが紹介されています。

・言語カフェ(Language Café)(現地の言葉を話せない人が参加し、他の市民と一緒に言葉を学んだり練習したりできる場所)
・ITと学習の手助け
・ウクライナ語で書かれた資料の収集、提供
・避難先の国やその制度に関する情報提供
・地域コミュニティとつながる機会の提供
・避難民同士をつなぐ活動

How libraries can help and support Ukraine, refugees and communities(The Library Lab, 2022/3/19)
https://christianlauersen.net/2022/03/19/how-libraries-can-help-and-support-ukraine/

参考:
ロシアによるウクライナへの侵攻に対する、国立図書館・文書館・博物館および関係機関等の声明
Posted 2022年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/45704

国際図書館連盟(IFLA)、難民・移民・庇護希望者への図書館サービスのためのガイドラインのドラフト版を公開
Posted 2021年7月9日
https://current.ndl.go.jp/node/44391

和気尚美. スカンジナビアにおける難民・庇護希望者に対する公共図書館サービス. カレントアウェアネス. 2018, (335), CA1922, p. 23-26.
http://current.ndl.go.jp/ca1922

※参考に挙げているURLを修正しました。(2022/3/30)