米・カリフォルニア州矯正・リハビリテーション局、刑務所内に“Freedom Library”を開設:非営利団体Freedom Readsが協力

2023年1月18日、米・カリフォルニア州矯正・リハビリテーション局(California Department of Corrections and Rehabilitation:CDCR)が、非営利団体Freedom Readsの協力により、同州チャウチラ(Chowchilla)にあるバレー州立刑務所(Valley State Prison)と中部カリフォルニア女性刑務所(Central California Women’s Facility)に“Freedom Library”を開設すると発表しました。

Freedom Readsは、2021年のマッカーサー・フェローで16歳の時に9年の刑を宣告された詩人・弁護士のReginald Dwayne Betts氏により設立された団体で、“Freedom Library”はその中心的な取組です。刑務所等の各施設に厳選した500冊の本を配置することで、施設内の人々を励まし、人間の好奇心として自然に本を手に取ることができる空間を作ることを目的としているとあります。

“Freedom Library”の本棚はメープル、ウォールナット材等で手作りされ、刑務所の直線や鉄格子とは対照的に曲線となっており、これはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「宇宙の弧」は「正義に向かって」曲がっているという言葉を想起させるものであると述べられています。

New “Freedom Libraries” in California Institutions Seek to Empower Incarcerated People(CDCR,2023/1/18)
https://www.cdcr.ca.gov/news/2023/01/18/new-freedom-libraries-in-california-institutions-seek-to-empower-incarcerated-people/

関連:
Freedom Reads
https://freedomreads.org/

What if prison housing units were libraries?(Freedom Reads)
https://freedomreads.org/freedom-library

参考:
米・ワシントン州、矯正施設に収容中の若者を対象とした州立図書館の設置を発表 [2022年12月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/167797

米・サンフランシスコ公共図書館と米国図書館協会(ALA)、収監中の受刑者を対象としたサービスの拡充のためアンドリュー W.メロン財団から助成金を獲得 [2022年01月18日]
https://current.ndl.go.jp/car/45494

マルコムXが収監されていたと思われる独房にマイクロライブラリーを設置(記事紹介)[2021年12月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/45320

米・ITHAKA、投獄中の学生にJSTORへのアクセスを提供するためアンドリュー W.メロン財団から助成金を獲得 [2021年10月11日]
https://current.ndl.go.jp/car/44955

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、マンハッタンの矯正施設内に図書館を開設 [2018年05月08日]
https://current.ndl.go.jp/car/35954

E1592 – 少年院法改正の経緯と条文における「読書」への言及について
カレントアウェアネス-E No.264 2014.08.07
http://current.ndl.go.jp/e1592