図書館における人工知能の5つのユースケースと課題(文献紹介)

Journal of Librarianship and Information Science誌に、2022年12月22日付で英・シェフィールド大学のAndrew M. Cox氏らによる探索的文献レビュー“Defining artificial intelligence for librarians”が掲載されました。

人工知能(AI)の一般的な定義、AIを構成する技術の分析、図書館におけるAIの5つのユースケース、ユースケースの促進要因・課題・必要なスキル等がまとめられています。

5つのユースケースは以下の通りです。
・ロボティック・プロセス・オートメーション化(RPA)や、自動保管・検索システム(ASRS)といった、日常的な事務作業および手作業へのAIの適用
・膨大な文献へのメタデータ付与による発見可能性向上、チャットボット、デジタルアシスタントといった、利用者サービスにおけるAIの適用
・AIラボおよび共同研究スペースや、データ管理に関する知識の提供による、データサイエンティストのコミュニティの支援
・情報リテラシー等のユーザートレーニングにデータやAIに関するリテラシーを組み込む
・ユーザー行動に関するデータ分析等のためのAIの適用

Cox, Andrew M; Mazumdar, Suvodeep. Defining artificial intelligence for librarians. Journal of Librarianship and Information Science. 2022.
https://doi.org/10.1177/09610006221142029

参考:
学術図書館のイノベーションに関する選択的レビュー(文献紹介) 2022-12-08
https://current.ndl.go.jp/car/167608

学術出版に関わる図書館員向けの人工知能ツールキット(文献紹介) 2022-11-09
https://current.ndl.go.jp/car/47138

米国議会図書館(LC)、図書館等における機械学習の応用・実践の現状を示したLC Labsによる委託調査報告書“Machine Learning + Libraries”を公開 2020-07-31
https://current.ndl.go.jp/car/41631

E2379 – AI蔵書点検サポートサービス実証実験の成果と課題
カレントアウェアネス-E No.412 2021.05.13
https://current.ndl.go.jp/e2379

E2384 – 東京都立中央図書館におけるチャットボット実証実験
カレントアウェアネス-E No.413 2021.05.27
https://current.ndl.go.jp/e2384

E2272 – データサイエンス,機械学習,AIの責任ある運用のために
カレントアウェアネス-E No.393 2020.06.25
https://current.ndl.go.jp/e2272