学術図書館のイノベーションに関する選択的レビュー(文献紹介)

米国図書館協会(ALA)の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行する“Library Leadership & Management”誌の第36巻第3号(2022年)に、米・アイオワ州立大学図書館のLorraine J. Pellack氏が執筆したレビュー論文“Academic Library Innovation: A Selective Review”が掲載されています。

学術図書館におけるイノベーションに関するリソースとアイデアを意図的・選択的に編集した文献レビューで、入門的な内容となることを意図して執筆されたものです。イノベーションの定義、先行文献レビュー、イノベーション文化の育成、イノベーションの方法と戦略、学術図書館における最近のイノベーションの例などがまとめられています。

学術図書館における最近のイノベーションの例の節では、COVID-19関連、図書館スペース、学生のウェルネスとコミュニティの構築、蔵書、人工知能(AI)、データサービスといったテーマに関して、図書館員が参考にできる基本的な文献、報告書、ウェブサイト等が紹介されています。また、文献をもとに具体的な事例やサービスの紹介もされており、例えば、学生のウェルネスを目的としたユニークな取組としてヨガ休憩やセラピーアニマル等があること、AIチャットボットに関してFacebook Bot Engineをはじめとした5種のサービスの利用が推奨されていること等が記載されています。

Pellack, Lorraine J. Academic Library Innovation: A Selective Review. Library Leadership & Management. 2022, 36(3).
https://llm-ojs-tamu.tdl.org/llm/article/view/7528

参考:
研究図書館の組織構造:米国大学協会(AAU)加盟校を対象とした調査(文献紹介) 2022-03-31
https://current.ndl.go.jp/car/45900